トータルなソリューションを提供する、世界最大規模の金属加工用、切削工具メーカー
サンドビック株式会社
代表取締役社長
山本 雅広
スウェーデンに本社を構えるサンドビックは、金属切削工具、先進的な金属材料、鉱山建設機械などを取り扱っている。現在、150カ国で40,000人の従業員が所属するグローバルなエンジニアリンググループと位置づけられる。
「サンドビック・グループのコロマントカンパニー部門は、機械加工ソリューションのビジネスエリアで新たなデジタルソリューションを含めたトータルソリューションを提供する世界最大級の金属加工用切削工具メーカーです。」
1942年に金属切削工具の販売を開始した同社は、グループと同様に150カ国で、7,600名以上の規模で事業展開をしている。同社の製品は切削工具だけでなく、金属加工に関わる分野に領域を拡げている。
「デジタル製品も含め、約50,000種類のアイテムを用意しています。標準的な製品だけでなく、お客様の要望に沿って、テーラーメード製品や特殊品も展開しています。お客様のものづくりへの想いは多岐多様ですから、それぞれの加工に合わせたトータルソリューションを提案することで付加価値を提供しています。」
同社は大きなビジョンとして、トップメーカーとして業界基準を定めることを掲げている。
「そのため、研究開発に特に注力しており、約2,500人が切削工具の新製品や加工ソリューションの開発に携わっています。その成果として世界全体で1,800件の特許を取得しており、年間約150件ずつ増えています。近年は企業として大きく進化している途上です。」
同社の切削工具には、旋削工具、フライス工具、穴あけ工具、超硬エンドミル、ツーリングシステムなどがあり、それに加え加工に役立つデジタルツールも提供している。
「当社のユーザーは、充実したデジタルツールをご活用いただけます。エンドユーザーだけでなく、セールスチャネルに応じた代理店などビジネスパートナーも金属加工についてのEラーニングを受けることができ、エンドユーザーには加工に役立つ計算アプリや工具選定・加工準備作業を補助するソフトウェアなども提供しています。」
また、社内に向けて、Eラーニングコンテンツを公開している。
「社内向けには金属加工についてネット上で学べる体制を作り、各自がいつでも社内教育を受けられる環境を作っています。さらに金属加工だけでなく、マネジメントやリーダーシップスキル、PCの使い方など外部のリソースを使いながら全従業員が自主的に学べる仕組みを構築しました。」
インフラを整えておくことで、自らが目指すスペシャリストへの方向性に応じた勉強ができるという。受け身でトレーニングするのではなく、自主性を重んじているのが特長だ。
グローバリゼーション時代を迎え、同社は、アジアを中心にボーダレス化を進めている。日本のエンジニアは国をまたぎ、海外の顧客にも価値を提供している。
「従来は国単位で展開していましたが、現在はこれを超え、ヨーロッパ、南北アメリカ、中国・韓国・台湾、そして日本・東南アジア・オセアニア・オーストラリア・ニュージーランド・インドで組織化して活動しています。お客様が海外展開する上でも、当社の横のつながりを活用していただける点が大きな利点です。」
同社の製品の特長は、ユーザーに大きな付加価値を提供する点だという。
「例えば工具寿命が長くなることによって、製品の交換頻度が減ります。また、加工条件を上げることで加工時間が短縮します。そのため、ひとつのものを作り上げるまでの時間が短縮でき、生産性が上がります。また品質の高い工具を使っていただくことによって歩留まりがよくなり不良品が少なくなります。」
比較的高価な製品であっても、最終的な金属加工においては、製造コストを低く抑えることが可能になる。
「大切なのは一つひとつの単価ではなく、工具を使うことによる自動化、省人化、標準化に大きく働きかけることです。世界的に金属加工に関わろうと考える若い世代は減少しています。当社の製品はこうした時代の流れにも合致しています。また、当社は加工前の設計段階で使用するソフトウェアをはじめ、ものづくりにおいてトータルのソリューションを提供することで全体の生産性向上に寄与することを使命としています。」
現在注力しているのは、航空宇宙産業、自動車産業だ。航空機のエンジンの高性能化や自動車の軽量化に対応する製品を数多く導入している。
「さらに、重要なパートナーでもある工作機械メーカーに向けては、関係をさらに強化しながら、工具メーカーとしてパートナーおよびお客様の成長をサポートしていきます。トータルソリューションの提供により、さらなるお客様の生産性向上に寄与していきます。」
同社はビジョンとして「Shaping the future together(共に未来を創造する)」と掲げている。ここには約80年に渡り蓄積してきたノウハウ、知識、データを提供し、一緒に未来を創りあげていこうという力強い考えが込められている。
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