「人生の第一志望をゆずらないでほしい」学校より学校らしい愛情教育とは?!
学校法人駿河台学園
理事長
山﨑 良子
日本の若者たちの学力向上を今も変わらず支えている。大正の頃より、東京神田駿河台に校舎を構え、駿台予備校の名で親しまれる学校法人駿河台学園は、少子化の流れの中でも入学希望者は減らず。駿台で学びたいと自ら入校してくる学生が多いという。老舗予備校として独自の教育理念で事業展開をしている、理事長、山﨑良子の成長戦略に迫る。
山﨑私も経験ありますが90分授業は、聞く側も辛いですし、話す側も余談になってみたり、先生、講師の方がですね。それからブレイクが入ってしまうということで、学生にとっては1分1秒が勝負なのです。受験ですから大切です。そういう余分なことがないようにということでの、集中力をアップさせるという意味では、50分授業が1番いいというふうに思っております。
蟹瀬全体を眺めたときには、90分授業って90分間一人の先生が教えるわけですよね。50分授業にするとそれだけ、先生の数がいるようになると、単純に計算すればですが。その辺の効率性はどうなのでしょうか。
山﨑経営側からみますと、当然90分授業のほうが効率がいいわけです。先生の数も少なくてすみますし、教材も少なくてすむのです。私どもとしては、本当は90分がいいのですが、初代の寿春の教育理念に照らし合わせますと、学生の教育力をアップさせるためには、この50分授業がベストであると考えております。
蟹瀬長い時間やっているということは、意味があるわけじゃなくて、どれだけ学力がつくかということだから、そのあたりのところを優先しているというのは、教育に相当情熱を燃やしてらっしゃったのだろうなという気はします。
レイチェル先ほど愛情とおっしゃっていたけれども、それも1つの愛情ですね。
山﨑ありがとうございます。
蟹瀬その他にどういうところが、予備校ではないというポイントになっているのですか。
山﨑クラス別の担任をつけております。担任は毎朝のホームルームをやっております。それから1週間に1回はロングホームルームをやっております。そして入試情報の提供をしたり、学生一人一人に対しての面談をしまして、モチベーションが下がらないようにしております。受験勉強だけではなくて、その時期は大変多感な時期でございますので、進路面や生活面においても、人間として大きく成長していただくためにも、私どものほうでサポートを心掛けております。
蟹瀬学校より学校らしい感じが、今お話を伺っていると、気がしてきました。
山﨑そこはこだわりたいなというところで、私どもは常に学校だというふうに言っております。
レイチェル今お話のあった駿台の取り組みついてですね、予備校でお話を伺ってまいりましたので、こちらをご覧ください。
お茶の水1号館校舎長・新井やはり駿台予備学校というのは愛情教育のもとでというのがありますので、人が支えるのはどこにも負けないと思います。加えて私たちクラス担任が、クラスごとについているというところが大きいと思います。その生徒に対して責任を持つ担任でもありますけれども、この子が勉強にあまりのっていないとか、この子にも、もう少し負荷をかけたほうがいいだろうというところを、情報交換しながら指導をしていっています。
実際に駿台で学んでいる学生たちはどう思っているのか、話を聞いた。
学生自分が知らないことが分かるとか、今までとない視点が生まれると成長した気分というんですかね、それが結構楽しくて、自分でも勉強するようになって、今楽しいという感じです。
学生高3まではなんとなくで、モヤモヤと分かったような、分かっていないようなところも、分かってなかったところが分かったときは、達成感というか、覚えて次ももっとやろうという感じになります。
女学生高校とはまた違って先生方みなさん個性があって、興味をそそられるような内容が多くて楽しいと思います。仲間がいると一緒に頑張ろうと思えるし、逆にみんながピリピリした雰囲気だと、駿台に通うのも嫌だなと思うので、仲良くできて駿台に楽しく通えるというのはいいと思います。
新井勉強を始めると、受験勉強ではあるのですけれども、学問の本質を学ぶというのが駿台の方針でもありますので、これは一生役に立つなという思いで勉強を始めると、少し違うのだと思います。
レイチェル「楽しい」って学生のみなさんが口をそろえておっしゃっていたのですけれども、これは私自分が受験生のときに、あまり勉強が好きではなかったので、楽しいという言葉は出てこないなと思いました。
山﨑そうですね、そんなふうに言っていただけますと、大変ありがたいです。私ども問題を解くテクニックを教えるのではなく、問題の要点をいかに本人が理解して、その本質を教えるということなのです。その本質を本人が理解できれば、そこは目からうろこで「分かった」と実感するわけです。そうすると学ぶことが楽しくなるわけです。
蟹瀬そういうふうに、いいサイクルができてくるわけですね。
山﨑学ぶことが楽しくなると、今度は学ぼうという意欲が湧くわけですね。そうしますと私にとってはそれが1番大切なことだと思っています。おかげさまで2014年度の合格者数は東大で1373名、京大で1389名おります。ただこの数字も大変大切なことなのですが、私どもは第1志望はゆずれないという方針でやっておりますので、そこに学生のみなさんが満足していただければ、大変ありがたいなというふうに思っています。
蟹瀬学生によっては東大、京大を狙っているわけではなくて、この学校に入りたいという学校があるわけですものね。
山﨑私どもでは医学部の希望者が大変多くおりまして、国公立の医学部の合格者数が、1875名、それから歯学部の医学部、医学科では2496名の合格者を出しております。単純にお医者様の二人に一人は、駿台生ということになります。
蟹瀬データーとして考えると、そうなるのですね。
山﨑余談ですが病院に行きますと、だいたい声を掛けていただくんですが、「僕は駿台出身なんです」と言っていただくのが、大変うれしいです。
蟹瀬知らなかったです。今度聞いてみます。
レイチェル本当ですね。聞きたくなりますね。
蟹瀬もう1つの要素として、学生さん合格するそのために当然のことながら、優秀な講師の方々というのは、集まってもらわなくてはいけないわけですし、そのへんの集め方は結構大変ですよね。
山﨑私ども筆記試験と大変厳しい模擬授業がございます。その模擬授業で、例えば1例をあげますと、1つの問題に対して答えが何通りかある場合、それが答えられない場合は失格となる場合がございます。
蟹瀬なかなか厳しいですね。それと共に実際に授業をやっているときに、先生たちにとっても、大変仕事としては緊張感のある仕事になるのでしょうね。
山﨑先生方も学生に対して情熱をもって、個々の学生の力を把握していただいて、十分に能力を引き出していただいております。
こちらは英語を教えている、講師の大島保彦。
大島予備校というと受かることが先決事項みたいに感じるのですけれども、最初は分かることが楽しいってことですね。つまり分かって楽しい。中間目標に受かってうれしい。分かって楽しい、受かってうれしいになって、できればしばらく後にどこかで思い出してほしいですね。
大島まず自分が問題を解けなくてはいけないです。背景知識を知らなくてはいけないです。もう1つはどこで使えそうかを、子供がつまずく場所を察知しなければいけませんから、明日なら明日やる箇所で、こことここはつまずくはずなので、こことここは説明しよう、ここもつまずくけれども、あえて知らないふりをしよう。誰かが聞きに来たら次の週にそれは展開しようとか、シナリオをつくらないといけないので、いろいろなかたちで、いろいろな人にいろいろなものを伝えていけるようにしたいし、予備校の教育の規模というのは、それが可能な規模なので、お互いにやりがいがあります。
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