「人生の第一志望をゆずらないでほしい」学校より学校らしい愛情教育とは?!
学校法人駿河台学園
理事長
山﨑 良子
日本の若者たちの学力向上を今も変わらず支えている。大正の頃より、東京神田駿河台に校舎を構え、駿台予備校の名で親しまれる学校法人駿河台学園は、少子化の流れの中でも入学希望者は減らず。駿台で学びたいと自ら入校してくる学生が多いという。老舗予備校として独自の教育理念で事業展開をしている、理事長、山﨑良子の成長戦略に迫る。
レイチェル蟹瀬さん、ご覧になってどうですか。
蟹瀬あのぐらいの情熱で、ちゃんと教壇に立たないといけないんだなと思いました。
レイチェル立ってらっしゃいますよね。
蟹瀬先生、本当に真剣ですね。
山﨑そうです。本当に先生方も真剣に取り組んでいただいております。私どもでは講師の先生方の授業を、アンケート調査をしまして評価をしております。講師の先生方も学生と同様、1分1秒が勝負なのです。
蟹瀬それで品質が保たれていくということですね。品質というと怒られるかもしれないけれども、お互いに緊張感をもってやっているということですよね。
山﨑おかげさまでそういった優秀な先生が、駿台には大勢いらっしゃいますので、それが私どもの駿台にとりましての、大きな財産になっております。
蟹瀬今はどうでしょう。先生の質といいますか、それはかつてと比べてよくなったのか、悪くなったのか、どういう難しさが出てきているのでしょう。
山﨑今こういった少子化ですので、大変厳しい時代にきております。みなさま方も経営者側に一緒になって考えていただいて、自分たちの職場もなくなるわけですから、先生方も必死にやっていただいております。
蟹瀬今少子化というお話が出ましたけれども、これは本当にあらゆるいろいろな産業で、喫緊の問題で教育の分野でも大変な問題になっていると思うのですけれども、この対策というのはどういうふうに具体的に考えてらっしゃるのですか。
山﨑今大学全入時代と言われておりまして、その中でも第一志望はゆずらないということで、より上の学校を望まれる学生の方がまだまだ大勢いらっしゃいます。私どもも浪人生だけではなく、現役生にも力を入れておりまして、質の高い教育を第1に提供していこうということで対策を考えております。
蟹瀬例えば授業料を安くするというのも、普通のビジネスでいえばたくさんお客さんがくる可能性もありますよね。そんなことはお考えにはならないのですか。
山﨑私は全く考えておりません。私どもは本当に中身のある、いい教育をしたいということで、授業料を下げることでいい教育はできるかということですね。私たちはちゃんと効率のいい、みなさんにとって勉強で成果がでるようなかたちでとらせていただきますので、下げることによっていい経過がでればいいのですが、そうではないというふうに思っております。
蟹瀬2020年に新しい入試の制度が導入される予定になっておりますよね。それに対しての対策は何かなさっているのですか。
山﨑英語4技能、CBTそして評価テストというかたちで、6つのプロジェクトを立ち上げまして、それで万全な体制で準備をしております。
レイチェル続いてのキーワードはなんでしょうか。
山﨑Lifetime Educationでございます。
講師一人ひとりのレベルアップや、時代に合わせた取り組みで、受験生の満足度を高めてきた駿河台学園。
Leaders山﨑良子の次なるキーワードはLifetime Education、その核心に迫る。
蟹瀬いよいよ3つ目のキーワードですけども、「Lifetime Education」という言葉を選ばれております。これはどういう意味が込められていますか。
山﨑全ての世代の方の、学ぼうという意欲に対して、私どもは様々なかたちで応えていこうという意味でこのキーワードに込めました。
蟹瀬予備校ではないというお話でしたけれども、受験生向けという感じがして、普通の大学でも生涯学習などをやりますよね。そういうものと相性が悪いのではないかという気もするのですけれども、どうなのでしょうか。
山﨑二代目の春之が予備校を全国展開しまして、現在では予備学校が39校ございます。専門学校が5校、海外校が12校ございまして、出版部門、IT関係と総合教育機関に成長いたしました。
蟹瀬海外へも進出されているのですね。これはどういう目標があってなんですか。
山﨑日本の企業が海外に進出するのは珍しいことでもなくなりまして、家族の方が赴任するときに、保護者の方が1番心配される部分が、やはりお子さまの教育だと思うのですね。数年後に日本に帰られたときに、その授業についていけるかどうか、そういう不安に対して私どもがお応えするということで、海外の展開をしております。
蟹瀬不思議だなと思うのは、海外に子供を連れて行ったときの悩みは、現地で勉強ができるかどうかよりも、この子が帰ってきて日本でちゃんと続けられるかというふうに、日本のご両親は心配になられる方多いですからね。そのへんも関わっていらっしゃるということですか。
山﨑私どもでは帰国子女センターというのがございまして、そこでのコースで帰国子女の方を受け入れております。そこでは国公立、私立、難関大を合格していただいております。
蟹瀬海外も大事ですけれども、絶対的なマーケットで考えれば、日本というのはまだ人口が多いわけですから、ただそこに少子化傾向があると、国内の展開というのはどういうかたちでイノベーションが行われているのでしょうか。
山﨑駿台は本来ライブ授業がメインでございまして、私どもの学校に通って来られない方々のために、映像の配信をいたしております。昨年ですと京都府立の12校、高校に配信いたしております。
蟹瀬今増えましたよね。インターネットを使って、最近では一方ではなく生徒のほうから質問も受けられるというようなシステムができてきていますね。
山﨑最近では個別指導のニーズが大変高まっておりまして、私どももそちらには力を入れております。
蟹瀬マンツーマンでやるということですか。
山﨑離れたところにいらっしゃる方々というのは、学力の差がついてしまいますので、できるだけそれがないようにということで、私どもでできることをさせていただいております。
蟹瀬もう1つ、予備校の中でいろいろやっていることがありますけれども、予備校の外でやらなければいけない時代になってきていますよね。そのあたりはどういうことをなさっておりますか。
山﨑少子化ということで大学も生き残りをかけていらっしゃいますので、私どもは入学前の指導、入学の補習を大学と連携してやらせていただいておりますのと、高校の先生方の授業力アップということで、教育セミナーを開いております。年間延べで1万2000人の先生方に来ていただいておりますので、これもラインナップしまして、大勢の方に来ていただけるように頑張っていかなければいけないと考えております。
蟹瀬学生に対してじゃなくて、先生に対してですか。
山﨑授業力アップです。それは私どもの講師が授業しまして、それをリンクしていただきます。
レイチェルここまで山﨑理事長にいろいろなことを伺ってきたのですけれども、立場上のいろいろなプレッシャーもあり、ストレスもたまるのではないでしょうか。そういうとき山﨑理事長は、ストレス解消は何をされるのでしょうか。
山﨑私が大好きなゴルフをしております。
蟹瀬いいですね。ゴルフですか。
山﨑お好きそうでございますね。
蟹瀬おかげさまでというのも変ですけれども。
山﨑ゴルフというのは個人のプレイと、ご一緒する方とのいろいろな会話が弾むんですね。そうしますと全く仕事とは関係ない話で盛り上がりまして、また19番ホールでございますが、終わった後にゴルフ談義の後に、経済の話とか本当に話が膨らんできまして、1日を有効に使えるという意味では、いいストレス解消の場所になっております。
レイチェルゴルフ以外にはどんなことをされるのですか。
山﨑女性らしくないのですが、カラオケのほうを。
レイチェルどういうときに行かれるのですか。
山﨑仕事で今日は疲れたから、大きな声を出したいなと思うときに、無理やり連れて行って、一緒に歌ったりしています。
蟹瀬世の中には飲みニケーションって、一緒にお酒飲むケースもあるでしょうし、カラオケで一緒に歌うというのも、また1つのコミュニケーションの手段なのでしょうかね。
山﨑そう思っています。おかげさまでみなさんと仲良くなりまして、最初は女性の経営者ということで、一瞬はたじろいだところがあるようですが、だんだんと慣れてきますとこの頃は、一緒に仲良く歌ったりとかデュエットなどしたりもしております。
蟹瀬そうですか。
このほか、職員同士のコミュニケーションをはかるため、2年に1回関東と関西で職員慰労会を開いている。
山﨑それは一流のホテルで催しております。なぜならば学園といえども、予備校といえども、サービス業の側面をもっておりますので、そういったところのおもてなしとマナーを学んでほしいという思いから、職員の慰労会をしております。それをまた学生のみなさんにフィードバックできればいいかなと思っております。それから私は2年に1回ですので、職員のみなさんには、とにかくおしゃれをしてらっしゃいと、なかなかおしゃれをする機会っていうのは、パーティーですが若い頃っていうのはそうそう行けるものではないんですね。ですからそういったパーティーに慣れていただきたいとか、おしゃれをする楽しみをもってもらいたいという思いでやっております。
蟹瀬初代の方が教育ってものに愛が必要だと、愛というのは狭い学問とか知識だけの世界ではなくて、人間関係全てを含んでいるわけですよね。そういう意味で教育というものを、もう1回考え直す場所として今日のお話を伺っていると、予備校というものの価値が上がってきているのではないかなという気がします。
山﨑ありがとうございます。みなさんの期待に応えられるよう、私どもも本当に頑張っていかなければならないなと、最後まで100周年と言わず、200年と未来永劫続けるようにしたいと思っています。
蟹瀬ぜひ頑張ってください。
山﨑ありがとうございます。
蟹瀬ありがとうございました。
レイチェルありがとうございました。
山﨑ありがとうございました。
駿台のキャッチフレーズの「第一志望はゆずれない」は、狭い意味での受験の第一指標ですが、広い意味では「人生の第一志望をゆずらないでほしい」という思いで、学生のみなさんに接しております。みなさんは自分の可能性を信じ、何事にもチャレンジ精神をもって臨んでください。その先にはおのずと成果が表れるはずです。みなさん、頑張りましょう。
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