まちづくりのDNA。ものづくりの現場で学んだ人との繋がりの大切さとはなにか


東急不動産株式会社
代表取締役社長
金指 潔

特選インタビュー

たった一枚の作業服が現場で働いていた人たちの心を開いた。「ものを作ってくれる現場が一番大事だ」という、東急不動産株式会社 代表取締役社長 金指 潔が、自身の経験と東日本大震災の震災復興支援を通して再確認した、まちづくりのDNAとはなにか。これからの日本のまちづくりはどうあるべきかを探る。

東急不動産のDNA

金指ご存じだと思いますが、田園調布というまちでございます。田園調布のまちづくりが原点だと考えています。

現在、日本屈指の高級住宅地として知られているのが、田園調布。大正時代、勤労者のための良好な住宅地不足という社会的課題を背景に、ここに理想のまち、ガーデンシティを作るという先駆的な取り組みが始まった。その事業を手掛けたのが、東急不動産の前進、田園都市株式会社である。

宮川これは私たちの憧れのようなまちづくりだったと思うのですが。

金指その時代に、確か先人がヨーロッパ、イギリスに行って、向こうで田園生活を学んできて、そういった同じようなまち、すなわち安心と安全がきちっとされたまちを作っていこうということで作り上げたものが、田園調布だと聞いてございます。

宮川そしてやはり、都市の中、都市に非常に近いけれども、その中に田園という発想が入ってきているということですね。

金指田園という言葉は非常に良い言葉だと思うのです。そういった意味では、都市にありながらやはり心の安らぎがあって、そういった意味では自然が豊かであると、そういったまちづくり。ひいてはそれが結果としては生活の安心と安全につながっていくと理解してございます。

宮川その東急不動産グループですけれども、現在何社で、どんな事業を展開していらっしゃるのですか。

金指私どもの関連会社は、事業領域から言いますと、マンション、オフィス、あるいは商業施設、あるいは不動産の仲介業、管理業含めて、全体で66社ございまして、皆様方働いておられる方々が1万6000人いると思います。そういった規模の企業集団でございます。

宮川その中での東急不動産っていう位置づけはどうですか。

金指私どもが中心になりながら、軸になりながら、各機能を編成してお客様にそれなりのサービスを提供しているというわけでございます。

宮川私たちも、東急ハンズ、私は仲介していただいたのが東急リバブル。本当に私たちが良く目につく、関連会社がいっぱいあるということでございますよね。

東急不動産グループでは、自分らしさを手作りする、をテーマに新しいライフスタイルを提供する東急ハンズ。幅広い年齢層、あらゆるライフスタイルを持つ人々のオアシスとして、スポーツジムなどを展開している。

金指お客様が生活するときの、いわばその時々のシーンにあったものを提供し、なおかつそのソフトを提供することをきちっとやっておるような集団だと思っております。

白石では、続いての変革、そのキーワードは何でしょうか。

金指次のキーワードは「作業服」でございます。

田園調布を手掛けたDNAを現在のまちづくりの礎にして、躍進を続ける東急不動産株式会社。リーダーである金指潔の変革のキーワード「作業服」とは?その真意に迫る。

作業服

宮川その原点、一つキーワードで、作業服っていうのが出てきまして、これまた珍しいキーワードですけれども。

金指これがその作業服そのものでございますけれども、これが、私が依然着ておった作業服でございます。この作業服に関わるお話をちょっとしてもよろしいでしょうか。実は私は、東急不動産に入りまして、10年ほど、東急不動産の中で仕事をしてございました。
その後、東急不動産が作りました関連会社の方へ出向しまして、そこで作業服に出会ったわけです。私はこれに出会ったことが今の私を作っている大きな要素だろうなと思いますのは、正直言って大学を出て、背広を着て会社に来て、それなりの立場になってくると、大変えらそうになってきますね。ところが実際に現場に出てみると、作業服を着ていないと現場の人は話をしてくれません。現場に行って、スーツで行くと汚れるから地べたには座れません、作業服でいることによって現場で働いている人たちがたくさん寄ってきて話をしてくれます。
その中で学んだことは、私が大学時代を含めて学んだこと、知識ですね、いかに役に立たないかということを自分で思い知りました。その時は立場で言うと部長だったのですが、部長であろうと課長であろうと、何の役にも立ちません。現場へ行って役に立つのは、やはり大工さんであり、左官屋さんであり、あるいはペンキ屋さんであり、自分で手を動かしてものを作れる人が一番えらいわけです。だからえらそうなことを言っても、組んだ高場の上を歩けないようでは何の役にも立たないわけです。そこでいかに自分がちっぽけな存在であるかというのを一つは学びました。
もう一点は、何もできない私が何をできるのかというと、例えば冬寒い時にドラム缶に火を焚いて、実際に仕事してくれる人が温まれるような場所を作る、あるいは、朝、昼含めて、弁当を買いに走り回る、そういったことです。ですから作業服で行けば同じ目線で自分も座って職人さんと話ができる。初めて彼らが私のことを認めてくれる。と、私が早く作ろうよと言えば作ってくれる、良いものを作ろうと言えば作ってくれる。こういったことが理解されるわけです。
こういった意味では仕事という原点は現場にあり。ものを作るのであれば、ものを作ってくれる現場が一番大事だと。そしてまた、現場でものを作ってくれる人の心をどうやって一つにできるのかというのが大事だと。これを物語ってくれたのが、この作業服だったのです。

出演者情報

  • 金指 潔
  • 1945年
  • 東京都
  • 早稲田大学

企業情報

  • 東急不動産株式会社
  • 放送日 2012.03.11
  • 業種:
  • 不動産
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都港区南青山2ー6ー21 TK南青山ビル
  • 資本金:
  • 575億5,100万円(2016年3月)
  • 売上高:
  • 2,577億1,700万円(2016年3月)(単独)
  • 従業員:
  • 641名(2017年4月)

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