大型リゾート施設ハウステンボスが何故、破綻したか?その原因と再建に迫る!!
株式会社エイチ・アイ・エス(H.I.S.)
代表取締役会長兼社長
澤田 秀雄
格安航空券販売で始まった株式会社エイチ・アイ・エス(H.I.S.)を旅行業界トップクラスに押し上げ、その経営手腕で次々にチャレンジを続ける澤田秀雄会長が難事業に名乗りを上げた。それは、来場者減少に苦しむ大型リゾート施設ハウステンボスの再建。果たして、2度目の危機を迎えたハウステンボスを救えるか。そして、その秘策とは?
澤田会長のハウステンボス再建の選択に蟹瀬誠一が迫る。
石田注目されている問題だけに、たくさんの意見が飛び交っていました。
蟹瀬再建を引き受けられた。この理由は、どのあたりにあるのですか?
澤田最初は、そういう話がありましたから、若干軽い気持ちで検討しようということだったんですけれども。
蟹瀬何故、検討しようと思われたのですか?
澤田それは地元の市長さんとか知事さんの要請がありましたので。特に市長さんの熱い思いというか、佐世保が、ハウステンボスがもしものことがあれば、佐世保が非常に雇用の問題から財政の問題で非常に厳しくなりますから。非常にその熱意と言いますか、その気持ちが伝わりましたから、これが理由の中の一つですね。
それと、あれだけの何千億もかけた素晴らしいハードを、このままダメにしちゃうというのは、やっぱり忍びないというか。日本の長崎の財産がダメになっちゃうわけですから。誰かやっぱりそれを再建しなくちゃいけないんじゃないかと。僕じゃなくてもいいんですけれども。設備が素晴らしいだけにね。
蟹瀬むしろ使命感みたいなものが生まれてきたんですね。
澤田そうですね。
蟹瀬これはなんとかしてやりたい。
澤田あれが張りぼてとかですね。あれがつまらないものだったら。それも良いんでしょうけど。やっぱり誰かやるべきだなと感じたことですね。3つ目は、我々は観光事業をやっていますから、観光の発展のために、地域観光の発展のために、地域がどんどん元気が無くなっているのですね。観光も旅館もホテルもそうですけれども。
やっぱり一つ観光のモデル、観光ビジネス都市というか観光のモデルのお手伝いに、良い格好で言えば、日本のためと地域のためになれば良いかなということ。最後は、H.I.S.という旅行会社をやっておりますから、我々国内はそんなに得意じゃないですので、国内の練習になっていろんな意味で。今度は、我々はアジアからのインバウンドを受けたりしますから。
蟹瀬観光客を呼んでくるってことですね。
澤田観光客の拠点になりますので。これH.I.S.の観光としての将来のプラスになるかなという、この4つくらい。あとは、いつも悪い病気ですから、難しい案件は。何かあったら難しいことやってみようと。難しい案件に血が騒ぎましたから。じゃあもう体を張って頑張りましょうということです。
蟹瀬これもう本当に澤田さんらしいです。
澤田半分病気ですので。
蟹瀬悪くは思っていますけれどもね。だけれども1度ならず、2度破綻していますよね。
澤田めちゃくちゃ難しいなと思います。ただ、やる限りは自信が無かったらダメですので。99%成功させるつもりでやります。
勝算99%の自信。その再建プランとは?
蟹瀬具体的な再建策っていうのは、当然頭の中に描かれているプランっていうのがあると思うのですけれどもね。そういうふうに変えていこうと思われているのですか?
澤田あれはテーマパークとしては、ディズニーと比較すること自体が勝てないですよね。だから僕が考えているのは、テーマパークではなく将来の観光ビジネス都市にしようじゃないか。ということを考えています。
蟹瀬具体的には?
澤田具体的には、だからってすぐにビジネス都市になるかっていうとそうはいかないですから。たぶん3年、5年、10年という月がかかるんですけれども。とりあえず近々、あれを3分の1フリーゾーンにして……。
蟹瀬フリーゾーン?
澤田3分の2をテーマパークにしても十分の広さがありますから。そうすることによって、無料ゾーンのやつを有料ゾーンに入れることで活気が出ますので。それと、3分の1を占めるということは、占めるというか無料ゾーンにするということは、経費の削減になります。それと、じゃあこの無料ゾーンはどうするかというと、市民の方に使っていただく、そこにそのビジネスの拠点を、せっかく土地も建物もあるわけですから。この全国の今後、新しいビジネスをやってみたい観光ビジネス、若しくは、今やインターネットとかモバイルが非常に発達しているわけですから、そこでビジネスは非常に安くできるわけですね。
蟹瀬地主になって、そこにテナントを入れるというような?
澤田3分の1の方ですね。
蟹瀬3分の1が。
澤田若しくは、若くてこれからやりたいベンチャーや、新しいアイディアを持っている方も非常に、安くここでチャレンジが出来るということで、徐々に都市化にしていきたいと。将来は、医療観光とかいろんなことを徐々に都市化していきたいなと。方や、テーマパークはいろんなアイディアをどんどん出して、来て楽しい、来てお得だった、また来たい。というふうなですね……。
蟹瀬例えば、どんなアイディアがあるのですか?
澤田できれば、場所は凄くあるわけですよ。土地もありますから、東洋一のアウトレットを作れれば良いかなという構想なんかもありますね。そうすると、これからのアウトレットというと、ただブランド品が安くあるだけじゃなく、楽しい遊ぶところがある。若しくは、いろんなアミューズメントがある。できたら東洋一のアウトレットなんかやると相乗効果があるかなとか、いろんな、それから3年後には先ほども言ったように名医が来ていただいて、最新の施設で……。
蟹瀬医療がそこで受けられる。
澤田はい。これからは、良いホテルに泊まって。それから楽しく遊んで、それから良い景色でリフレッシュすると。そういう医療観光も欧米ではけっこうあるんですけれども。それだけ全部揃っている設備は、ハウステンボスにちゃんとあるわけですから。そういう3年がかり、4年がかりでそういうのをやっていこうとか。そういういろんな、何年でこれやって、何年でこれやってとか徐々に都市化していくということをやっていきたいですね。
長崎とか福岡は、アジアに最も近いんですね。東京に行くよりも、北海道に行くよりも。だいたいソウルから1時間20分、上海から1時間30分前後、台湾からも近いですし。非常に商圏からいったら関東の3倍以上。中国の湾岸も合わせて。
蟹瀬そう考えれば。
澤田それを、その方々に楽しんでいただく、買っていただく、いろんな2次利用が出来ますので。そういう構想で、今30万前後の方が来られておりますけど、将来、たぶんこれから中国の方とか東南アジアの方の旅行がいよいよ始まりますので、そこのマーケットに最低でも100万人くらいは呼べるんじゃないかと思っています。アジアの方にも喜んでいただく、もちろんメインは地元の方、九州の方がメインになると思いますけど。
蟹瀬現在のどうなのですか、あの昨年からずっと景気が、リーマンショックなんかがあって非常にネガティブになっていますよね。
澤田はい。
蟹瀬こういうものの影響っていうのは、相当考慮はされているのですか?
澤田もう既に影響はすごく出ていますね。昨年なんかは、リーマンショックの影響、円高でウォン安の影響。対前年比、やっぱり30%とか下がっていますので。
蟹瀬そういう意味では、相当厳しいスタートになるっていう覚悟はおありなのですかね?
澤田そうですね。元々厳しいわけですから。厳しくなかったらやりがいがない。そういうこと言ったら失礼ですけど。非常に厳しいですから。本当、気合を入れてやらなかったら相当辛い思いをするかなと思っています。でも、思った以上に九州の方の反響というか期待が大きいですので、ちょっと緊張しているというかプレッシャーがかかっていますね。
蟹瀬なるほど。
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