苦痛の先には楽しさが待っている「NO FUN NO GAIN!」の真髄とは?!
タリーズコーヒージャパン株式会社
代表取締役社長
松田 公太
タリーズコーヒージャパン株式会社(タリーズインターナショナルファウンダー)、エッグスンシングスインターナショナル代表、松田公太氏。タリーズコーヒーを全国に約300店舗展開する一大コーヒーチェーン店に育て上げた松田は、新たな職のビジネスに意欲を傾けている。世界をつなぐ架け橋となるべく松田が考える次なる展開は?
蟹瀬改めまして。今日は、お見えいただきましてありがとうございます。
松田こちらこそ。ありがとうございます。
蟹瀬松田さんと言えばみなさんご存知だとは思いますけども、タリーズコーヒーを日本に持ってこられて大成功されたと。
松田いやいや。
蟹瀬それだけでは飽き足らなくて、どんどんいろいろなことをやっているのですね。今の肩書ってどういうふうになっているのですか?
松田今ですね、引き続きタリーズコーヒーの方を海外でやっておりまして……。
蟹瀬インターナショナル?
松田そうですね。タリーズコーヒー インターナショナル ファウンダーをさせてもらっています。あと、もう一つはですね。最近始めたんですけれども、エッグスンシングスインターナショナルさんのCEOをさせてもらっています。
蟹瀬もうちょっと言いやすい名前だと良かったのにね。
松田そうですね。
石田エッグスンシングス。
松田そうですね。エッグスンシングス。
蟹瀬それはあれでしょうか?向こうにあったものを持ってこられるような?
松田そうですね。
蟹瀬ビジネスってことですよね?
松田はい。そうですね。エッグスンシングスインターナショナルは、元々エッグスンシングスというハワイにお店があってですね。そちらの権利をいただいて全世界展開をこれから始めようというところですね。
蟹瀬このエッグスンシングス、英語で言った方が良い?
松田発音素晴らしいですね。
蟹瀬これどういうお店なのですか?
松田もともとですね。ハワイのオアフ島に35年前から1店舗だけあったブレックファーストコンセプトのお店なんですね。
蟹瀬一つしかなかったのですか?
松田一つしかないんです。
石田朝食を主に作っているというと…。
松田そうですね。
石田どういうお店なのでしょうか?
松田朝食のメニューがグランドメニューでありまして、オールデイブレックファーストと言いまして、1日中何時でも営業時間中は朝ごはんを食べられるというお店ですね。
蟹瀬夜でも?朝ごはんっていうのは、ちょっと意外なコンセプトですよね。
松田そうなんです。例えば、海外に行かれてホテルに入られてルームサービスとか頼むときに、よく行かれると思いますけどもブレックファーストメニューがあって、24hoursって書いてあるところがあると思うんですけども。
蟹瀬24時間オーダー。
松田24時間、オーダーが出来ます。っていう、そういう感じですよね。
石田なるほど。
蟹瀬朝だけじゃなくてね。ああいうメニューってちょっと食べたいなって思うときがありますが、中々食べる場所が無いっていうのはありますよね。
松田そうですね。
蟹瀬その辺が非常に僕は面白いところかなと思う気がするのですけども。いつ頃オープンしたのですか?日本では?
松田日本ではですね、3月10日にオープンしました。
2010年3月9日、あいにくの霙となったオープン前夜。なごやかな雰囲気の中で最後のミーティングが行われていた。率直に意見を交わす松田とスタッフ。新しい食文化に挑戦している松田のこだわりは料理はもちろんのこと、実に隅々にまで及ぶ。タリーズコーヒーを成功に導いた松田は、このビジネスの勘所をしっかりと掴んでいて、スタッフが一つにまとまっていく術を熟知しているようだ。そして、オープンから一カ月経った今でも、連日店の前には行列が出来、順調な滑り出しを見せている。ハワイ情緒に溢れている店内、これもまた魅力の一つである。
蟹瀬今、日本ではだいたいどのくらいの規模で、これから展開していこうという風にお考えなのですか?
松田そうですね。丁度、1号店を3月に出したばかりなんですけど、将来的には50店舗まで広げていきたいと思っています。
蟹瀬やはりタリーズの頃のノウハウというか、そういうモノは今回も上手く利用できそうな感じなのですか?
松田そうですね。十分に利用できると思います。
蟹瀬日本でこれ、展開するってフランチャイズなのでしょう?
松田はい。あの基本的に直営店とフランチャイズ、両方やっていきたいと思っているんですが、初めは直営店を何店舗か出して行きたいと思っています。
蟹瀬それは、どうやって手に入れられたのですか?
松田権利ですか?
蟹瀬ええ。
松田あの権利はですね。たまたま権利を取得されたご夫妻から連絡いただきまして。
蟹瀬それは日本の方ですか?
松田日本の方です。その方々に、もしよろしかったら日本でやっていただけませんか?というお話をいただきまして。
蟹瀬初対面だったのですか?その方とは?
松田そうですね。友達を介してご紹介いただきまして。ただ、私は15年前からハワイのエッグスンシングスのに行っておりまして、ファンの一人だったんですね。それで大好きで、実は6、7年前に1度当時のオーナーさんに、もし日本での展開をお考えでしたらやらせていただけませんでしょうか?という交渉をしたことがあったんですね。
石田自ら動かれたわけですね。
松田そうですね。
蟹瀬それが伏線になっていて、今回そういう話が実現したんだなという気がします。
松田かもしれないですね。
蟹瀬全く知らないで急にというのは、なかなか僕は難しいと思うんですよね。
松田そうですね。何かのご縁があったのでしょうね。
蟹瀬お店のコンセプトっていうのは、先ほど伺ったように朝ごはんっていうのは分かるのですけど、それ以外にもコンセプトはあるのですか?
松田基本は朝ごはんなのですが、中でも特にパンケーキが非常に人気があります。
石田パンケーキ。女性が……。
蟹瀬好きでしょう?
石田大好きです。
松田おすすめのパンケーキ。ボリュームある朝食のラインナップ。これもこだわりの一つ。
蟹瀬これを日本で展開しようっていうふうに決断された、その辺の理由というのはどのあたりにあったのですか?こういう食べ物屋さんって無いことはないですよね?
松田そうですね。ダイナースな文化とかあるので、似たようなものがあると思うのですが、ただ私自身が実はブレックファーストが大好きで、海外に行くと、どうしてもルームサービスでブレックファースト系を頼んじゃうんですね。それが、日本にはまだまだ無いなと思っておりまして。例えば、仕事でもアメリカ人っていうのは朝はブレックファーストを食べながら会議をすることが多いんですね。
蟹瀬ブレックファーストミーティングね。
松田そうです。
蟹瀬日本人にとっては辛いんだよね。
松田そうなんです。
蟹瀬朝早くっていうのは。
松田そうなんです。実は、先日ですね。私の友達の会がありまして、いつも夜やっているものですから一度朝やろうよという提案をしたんですね。それが「何時からやるんや」と言われましたので、朝7時くらいから朝食を食べながらやろうと言いましたところ、皆に凄く叱られまして。ゴルフじゃないんだから、そんな朝早く行けないよと。でも私は、朝に朝ごはんを食べながら皆と会議をするっていうのが非常に目も覚めますし、しっかり1日を有効に使えるということで、良いんじゃないかなと思っているんですね。
蟹瀬僕もね、外資系のメディアにいたのです。だからブレックファーストミーティングってしょっちゅうあったのですよ。それで研究者によると人間の脳って、朝の八時頃が一番シャープなんですって。その一番いい時間を我々は無駄に使っていることが多い。良いとこに目を付けられたなっていう。
松田ありがとうございます。
石田これからドンドンね、取り入れられるかもしれませんね。ブレックファーストミーティング。
松田嬉しいですね。そうなれば。
今年3月10日に東京、原宿でオープンしたエッグスンシングス。朝食をコンセプトにした料理は、なかなか人気があるようだ。シェフに料理についてのこだわりを聞いてみると。
従業員はい。ハワイに研修に行かせていただいて、ハワイで実際に作って食べて学んで帰ってきて、そういう同じものを同じクオリティで出せるようにやっています。あと、一応日本のキッチン道具とアメリカのハワイの道具が違いまして、やっぱりパンケーキ、ワッフル、一つ一つ料理の作る時間とか工程とか変わってきたので、そういうことが苦労したところです。
従業員はい。そうですね。一応、来ていただいて何度も食べて、ダメなものはないかとか常に同じものが出ているかとか、ちゃんとチェックしていただいて、どのお客様にも同じものが出せるようにチェックしていただいています。
松田も細かくチェックを行っているようだ。朝食をしっかりと。という松田の狙いは、まさにピッタリとハマったようだ。
従業員よく会社ですとかお店ですとか、社員のことやアルバイトのことをスタッフ、クルーとかいう表現をしたりするんですが、我々はそれを敢えてオハナという表現に変えました。やはり、皆さん家族とっていうイメージで皆と働いていきたいと。皆で一致団結して働いていきたいっていう気持ちがありましたので、家族ぐるみみたいな雰囲気でオハナというような表現で我々は呼び合っております。松田さんも一緒にですね、我々と一緒にお店でアロハを来て一緒に働いてお客様をご案内したりしておりました。やはり、いろいろな細かいところに気が付くので我々も松田さんに聞いたり、松田さんも含めて一緒に、オハナと一緒にディスカッションをしたりしながら改善をしておりました。
蟹瀬もちろん、オープニングの時はたくさん人が来るわけで、もう一回来てくれるかどうかっていうところですよね。その辺は、何か仕掛けっていうか考えていらっしゃいますか?
松田もうそこはですね。本当に、普通にですね。とにかく味にこだわって、サービスにこだわって、ホスピタリティーにこだわってやっていくしかないと思うんですね。そこのベーシックな部分を徹底するっていうのが、飲食店にとって一番重要であると思っています。
蟹瀬それから、オハナっていう言葉。呼び方ですか?
松田そうですね。オハナというのは、ハワイの言葉で家族とか仲間っていう意味なんですね。実は、以前タリーズでコーヒーを展開した時にタリーズを愛してくれている従業員は、アルバイトだろうが部長だろうが課長だろうが、皆一緒の気持ちを持ってやっているんだからセロと呼ぼうと。セロとは英語で仲間という意味なのですが、そういう名前を使って、全従業員の総称として使わせていただいたんですけれども。今回、オハナというハワイのコンセプトですから、ハワイの言葉を使わせていただいたと。
蟹瀬いいな。
石田服装もハワイの格好でしたし、やはりオーダーとかもハワイ語でなされたりするんですか?
松田オーダーは、日本語ですね。ただ、いらっしゃった時はアロハとかハワイの言葉を使うときはあります。
蟹瀬そういう一つの仕掛けですよね。それで従業員の心が一つになっていく。この辺の発想っていうのは、松田さんはいつも考えていらっしゃるのですか?
松田そうですね。やはり、あの気持ちを一つにしないと飲食事業って大変ですから、仕事が非常に大変になることも多いので、皆でチームワークをとにかく大切にしないとダメなんですね。そのような言葉を使うことによって、皆の気持ちが一つになれば良いなといつも思っています。
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