「不趨浮利」に象徴する住友の真髄、無私の精神と「透明なピラミッド型組織」
住友電気工業株式会社
取締役会長
松本 正義
住友電気工業株式会社。同社の起源は400年以上前に始まった、銅の精錬事業。これがのちに、愛媛県の別子銅山の開発へとつながる。そこで採掘した銅から、棒や板などを加工する事業を始める。現在、住友電工は自動車関連、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材など、幅広く事業を展開する。2017年に120周年を迎えた住友電工をけん引する、取締役会長、松本正義に、成長し続ける企業の取組みを聞いた。
竹内2017年に会長に就任されていますけれども、同時に関西経済連合会の会長にも就任されまして、関西経済(連合)会・関西経済界の代表として、どんなことに取り組んでいこうとお考えですか?
松本基本はグローバリゼーション。副題がルックウエスト。
竹内ルックウエストというのが、詳しくお聞きしたいのですけれども、これはどういうことでしょうか?
松本東京以外の経済団体は「東京一極集中はやめましょう」っていっぱい言うわけ。要望書の中にたくさん書いてある。ただ、関西においては「そんなことを言うのは恥ずかしいのではないか」と。つまり、関西には、関西の活性化を自らできる力を持っている。
それで今、関西のこの場所、利点は何かというと、一つはASEANとか、アジアに地理的にも近い、歴史的にも深い。
松本で、今、中国とか、ASEANの国は自分たちの努力、海外からの援助で立派な国がどんどんできています。しかも、産業的にも我々が見習うべき会社もあります。ここで、1ウェイコミュニケーションをするのではなくて、そういう国と関西が先頭に立って、「2ウェイコミュニケーションをやりましょう。どうぞ、来てください。そして、我々もまた2ウェイコミュニケーションを深く広くするために出ていきます」というパイプを強く持つべきである。それをルックウエストと言っています。
現在、松本は関経連の会長として、大阪への万博誘致にとくに力を注いでいる。
松本これは大阪の経済活性化、非常に重要なことだと思っています。それで、我々、経済界も大阪府大阪市に協力しながら、これを何とか実現しようとしているわけです。
商いと無私を共に兼ね備え、自らのポテンシャルを信じて、大胆な発想で実行する。
それが、関西がこれからも歩む道。
竹内さて、番組ではLeader’s Choiceと題しまして、ゲストの方に、選択の基準、敬愛の人、賢者の文、この三つの中からカードを一つ選んでいただき、お話しいただいております。それでは松本会長、よろしくお願いいたします。
松本はい。それではどれを選択しましょうかね。じゃあ、一番、左のほうを。
竹内賢者の文をお選びになりましたので、心に秘めた言葉を一筆、お書きください。
松本分かりました。
松本はい。これは不趨浮利(ふすうふり)と読みます。住友の400年間のマネジメントのフィロソフィーの一つです。楽をして、利益を上げようとか、それからよこしまな手段を使って、利益を上げようとか、というケースが多いのですが、実直に地道に利益を積み上げていくという精神がございます。400年間、住友の人間が信奉してきたところでございます。我々はこの精神にのっとって、事業を続けていきたいと思っております。
竹内まさに、誠心誠意、挑むというところは、今日ずっとお話を伺ってきて、松本会長の心が流れてきて、そして、今、このお言葉が出てきたというのはすごく。
松本ありがとうございました。
竹内今日は貴重なお話、ありがとうございました。
松本これからも一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。
賢者の文「不趨浮利」。
楽をして利益をあげるなかれ。
姑息な手段で儲けるなかれ。
実直に地道に利益を積み上げる。
それが400年続く事業精神であり、未来を明るく照らす道標。
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