SNSの可能性。mixiの未来展望から読み解くグローバル戦略の重要性とは


株式会社ミクシィ
代表取締役社長
笠原 健治

特選インタビュー

現在は若い世代を中心に2100万人以上の人々が利用しているソーシャルネットワーキングサービスmixi。学生時代からすでに起業したという株式会社ミクシィ 代表取締役社長 笠原健治が語る、この新しいビジネスとは一体、どのようなものなのか。インターネット時代の新しいコミュニケーションツール、ミクシィの未来を問う。

蟹瀬そこに人がつながるわけね。

石田そうなんです。はい。そこで、その話題について話すことも出来るんですよね。それけっこう面白いなと思ったり。

蟹瀬これ、そうするとミクシィ以外のビジネスありますよね。それと、違いっていうのはどういうことなのですか?ビジネスですもんね?単に遊びの場ってわけじゃないですもんね。

笠原ビジネスとしての違い。はい。

蟹瀬つまり、ビジネスっていうのは何かサービスを売ってお金を儲けるわけだし。あるいは、モノを売ってね。収益をあげるわけですよね。そういうこれまでのコンベンショナルなビジネスと比べて、ミクシィのこうなんか違いますよね。

笠原収益の立て方としては、割と従来からある方法というか。一つは、広告ですね。もう一つは、使っているユーザーの方に対する課金サービス。基本、無料なのですけれども。一部、特別な機能とか、特別なオプションを使う時には課金するっていうのをやっていまして。その両方ですね。

蟹瀬広告媒体としての魅力が、それだけプラットフォームに乗っている人が多くなればそういうふうになると。

笠原そうですね。一つは、たくさんの人にリーチ出来ると。例えば、その20代。20代の男性だけにターゲティングするとか。そういうことも出来るのですね。

蟹瀬収益のベースは、広告なの?

笠原そうですね。もう一つ広告について言いたかったのですけれども、より強化していきたいっていうのはバイラル的な広告というか、バイラル、口コミで広がっていくような、そういう広告もミクシィとしては展開できるんじゃないかなと思っているのですね。
友達とコミュニケーションするのがミクシィのユーザーが来るモチベーションだったりするのですね。友達とコミュニケーションしていく時に、その広告をネタにコミュニケーション出来るような、そういった展開も今後は考えていまして。

蟹瀬なるほど。より高度になっていくわけですね。

笠原そうですね。

石田ミクシィが2010年度に採用した新卒者が15名。そして、エントリーは12,000人だったそうです。では、今年入社された方にミクシィ、SNSの魅力についてお伺いしてきました。ご覧ください。

宮田ミクシィが既に持っている温かい部分と、今後どんどん成長していってビジネスとしても新しい面も切り開いていけるのではないかっていう可能性、どっちも凄く良いなと思ったので入社を決めました。
今どこにいるのかっていうのが、例えば子供がどこにいるのかっていう、そういうのがすぐ分かったりとか。そういうふうに生活に必要なツールとしてもミクシィが成長していけたら良いなと思っています。

中井実際の友人、知人とつながっているといったところが1番重要なコアバリューであると思います。例えばのお話なのですけれども。今、こうウェブ上にテキストであったり動画であったり、画像であったりいうコンテンツがウェブ上にたくさんある中で従来は個人で見に行って消費していたと思うのですけれども。
そこにミクシィが加わることで、消費の形態が変わっていくと思うのですね。そういったところは、うちにしか出来ない消費の形。
つまり、コアバリューを活かしたものなのかなというふうに考えております。消費の対象をウェブだけではなくて、実際のリアル、実社会におけるものとも対象の範囲を広げていってサービスを活かしていきたいなというふうに考えております。

蟹瀬インターネット、SNSの新しい可能性を求めて若い人たちが集まって来ているっていうのはよく分かりました。その一方で、インターネットの場合は、匿名性っていうのが大きな問題になりましたよね。ミクシィの場合にはこういった実名を使っているというのがベースになっているわけですね。

笠原そうですね。そこは、ユーザーの方にお任せしている感じなのですよ。

蟹瀬韓国では、2007年からインターネットの実名制度が導入されているのですね。いろいろな問題が起きていると。この辺りは、どういうふうにお考えですか?

笠原そうですね。一応、二軸あるかなと思っておりまして。一つは、完全に匿名なのか半匿名、ニックネームとか、実名ではないのだけれどもその人のアイデンティティは固定されているっていう。ニックネーム、ハンドルネームっていう半匿名制。もう一つは、実名を出していますと。そういう軸があるかなと。もう一つ別軸としては、仮想の人格か実在の人格かっていう。要は、現実世界の自分とは違う人格を使うのか、現実世界の自分と実在の人格なのかっていう。その二軸があって、けっこう話がごちゃ混ぜになっていること多いのですけれども。

蟹瀬後者のは、アバターみたいな?

笠原そうですね。はい。実際は、その2パターンかける3の6パターンくらいの組み合わせがあると思っているのですが、それで、ミクシィの場合っていうのは、仮想人格か実在人格かっていうのでいくと割と皆さん多くの方は実在人格。現実世界における自分と、同じ人格をミクシィ上でも使っていると。出している名前としては、匿名の人もいれば、半匿名の人もいればっていう感じですね。実名を出しているとは限らないのだけれども人格としては共通しているのかなと。その繋がっている人たち同士の中では、仮にニックネームが付いていてもお互い誰かが分かっている。その実在性が強いっていうのがミクシィの大きな特徴じゃないかなというふうに思います。

蟹瀬そこに一種の信頼感っていうのが生まれてくるわけですよね。

笠原登録制を併用した意図としては、一応2000万人まで利用の方が増えていますけれども裏を返せば1億人近くは、ミクシィをやっていないと。昔からミクシィのこと知っているし、やりたいのだけれども、かつて周りでミクシィを使っている人なんて見たことが無いと。まわり見渡しても誰もやってないよと。そういう方は、まだまだいらっしゃるわけなのですね。そういう方にも是非、入ってきてもらいたいと。入ってきて、むしろその方がハブとなって周りの方に招待状をばら撒いて広げていってほしいというのが登録制を併用した意図もあるのですね。

実際、ミクシィを使っていくのに一人で使っていってもなかなか楽しさは分からないと思っていまして。やっぱり誰かとつながってこそ楽しみが分かると。それで登録制で仮に入ってきた人であっても登録のインターフェイス、流れの中に自分の友達のメールアドレスを書きましょうとか。メールアドレスを書くと既にミクシィをやっている人がいる場合には、マイミク追加リクエストっていうのが送られたりとか。若しくは、やってない人だと招待状が送られたりとか。登録制なのだけれども最初から招待させるようなそういうインターフェイスを取っているのですね。
他にもいろいろあるのですけれども、とにかく1人で入ってきた人にも友人知人が見つけられるような仕組みというのは用意していますね。

蟹瀬これ年齢を18から15に下げた理由っていうのはどのあたりなのですか?

笠原そうですね。一応、去年から15~17歳の方も利用できるように規約を変えたのですけれども。ただコンセプトとしては、18歳未満の方に関しては、機能を制限して利用いただけると。その安心・安全に関する空間だけを、まずは楽しんでくださいという意図でオープンしています。
つまりは、その自分と友人・知人とコミュニケーションするのはミクシィ上で出来ますと。ただ、友人・知人じゃない誰かを探したりとか、若しくは探させたりとか、あるいはコミュニティを使うとかですね。そういうことは、出来ないように制限させてもらっているのですね。そういう安心・安全な空間を友達とコミュニケーションするっていうのは安心・安全じゃないかという意図でオープンしています。

石田本当に、限られた人だけで選べるのですよね。

蟹瀬そうですね。

石田ここまでは、お話しできるけれどとか。友達の友達までオーケーとか。その辺は、けっこうプライバシー……。

笠原割とその辺のプライバシーのコントロールというか、もしくは発信する人がどれだけ心地よく発信できるかっていうところは気を使っていて。

蟹瀬ご自身の会社の中でのコミュニケーションとかやっぱり相当気を使ってらっしゃるのですか?

笠原そうですね。そこは重視していますし、若しくは、より強化していこうというのえいろいろな施策を考えたりしていますけれども。そのやっぱり会社の中でもコミュニケーションが活発になったりとか、プライベートでも仲良くなっていったりとかいていくことで円滑に事業が進むというか、部署の壁とか、若しくは職種の壁とかそういうのも無い方ですけど。より薄く、一体感を持ってやっていけますので。そうですね。いろんな工夫はしていますね。

出演者情報

  • 笠原 健治
  • 1975年
  • 大阪府
  • 東京大学

企業情報

  • 株式会社ミクシィ
  • 放送日 2010.10.31
  • 業種:
  • 広告
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都渋谷区渋谷3-3-5 NBF渋谷イースト
  • 資本金
  • 9,698百万円
  • 売上高:
  • 207,161百万円
  • 従業員
  • 558名

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