織田信長家臣から始まる400年企業の、「従業員」と歩んだ変革の歴史とは
綿半ホールディングス株式会社
代表取締役社長
野原 勇
綿半ホールディングス株式会社。1598年初代野原半三郎が長野県飯田市で綿屋として創業。明治に入り綿の商いから金物店へと経営転換。1949年株式会社綿半銅鉄金物店を設立。その後スーパーセンター事業、建設事業、貿易事業など多岐にわたる分野に進出。
2003年組織再編を行い現在の綿半ホールディングス株式会社に改称。創業から420年その歴史を受け継ぐのは代表取締役社長野原勇。
関係者何年か前、3年か4年くらい前に関係子会社の中で業績が悪い会社が出てきたんです。これはやはりあの綿半ホールディングス、いわゆる持株会社自体から人を派遣して建て直さないと駄目だろうと。ただ自立ではちょっとなかなか子会社として立ちあがれないんじゃないかという時に、色々経営会議をやっておりましたら手を上げて私にやらせてくださいと。それで1年間現地にかなり往復してですね、従業員一人一人と話し合いをしたりいろんな情報を聞いてそして1年間で黒字化したんです。黒字にはなるけれどもこれ楽しみのある会社ではないかもしれない。それでいい部分だけ残してやった方が非常に効率がいいんじゃないかと提言もありましたし、それで再編にも繋がってきてると
いうことがありまして、非常に決断力もあるし、そういう点ではある程度そろそろいいかなとそんなことありまして、それで副社長にして去年の6月の株主総会の時に交代をしたと。
中谷外資から長野って何か大きなギャップ、経験のないところですよね同じ経営とはいえ。
野原ただ経営は同じで、変えて良いものと悪いものが明確になっていますから、変えていい部分というのはどんどん変えていけるというのが、ある意味弊社の特徴にはなっていますね。一番最初に始めたのっていうのが人材の育成。
野原二つちょっと研修を取り入れまして、一つ目がですねちょっと研修に聞こえないかもしれないですけど新規事業研究会というものを始めたんです。何やるかと言うとですね、一人一人が単純に新しい新規事業の発想を出してそれを三分間で説明しろという風にやりました。要は自分の考えをまとめてそれをどうやって人に伝えるかという部分なんですけれども、新規事業を発案しなさいと言われると皆さんは今までやっていた業務を仕事だと思っていますから、それだけを一生懸命やっていればいいと考えていたんです。
けどもそれ以外のことに興味持たなきゃいけないわけですよね、外部に。それによって考える力、要は外から新しい考えを持ってくることで、自分の業務というものも本来は活性化される。しかし俺はこのやり方で30年やっててるんだ、という人にとってはまるで自分が否定された気分になるんです。そうならないためにも、自分から外に出て新しい情報を仕入れなさいということをまずやる。今度はただ仕入れただけじゃダメで、今度仕入れた情報をまとめなきゃいけない。まとめる力というのが必要になって、さらにそれをプレゼンにして人に伝えるという、これを三分間で伝えるというルールになってますから、何がキーポイントで何が相手に伝えたいことかというのも、ビジネススクールのMBAコースのような授業をする研修です、今は。
野原それとあと次世代経営者育成研修というのもありまして、その入社した時ちょうど大きな方向性として次世代の経営者をどう育成するか、というのが大きな課題という風になってました。渡りに船、ということでその研修の仕組みを作りまして、皆各社からくると同じ「綿半」とついてるけど、会ったこともない人でみんな名刺交換をしている、という状態から最初始まりました。
それがだいたい4年ぐらいやっていると、皆さんだいたい知り合いになって来る。その中でちょっとグループの一体感の醸成というものを作り上げた、というのがありますね。研修をやるとですね、みんな共通の言語というのができていくんですね。
中谷意外に言語が違うんですよね。同じこと言ってるんだけど。
野原全然意味が違ったりですね。あと同じ釜の飯っていうのもあるみたいで、年5回で宿泊も伴ってやるんです。それで一緒にやってることで、やっぱり一体感というものはすごく醸成されるというのがあります。やはり外部環境がこれだけ大きく変わる時というのは、違った知識というか能力とか、私もそうですけれども違った経験というものがミックスされることによって、また新しいものが生まれるという。まあそれも弊社がこうやっていろんな事業展開をしていて、その人たちがミックスするところに良い流れがあるという風に捉えています。
中谷変革する時に大事なのは変えて良いものといけないものこれがあるというお話ですよね。これの選択が難しいですよね。この辺はいかがですか?
野原当社のもうひとつの特徴としてですね、株式会社化した時からですね、従業員即持株制というのを取っております。
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