M&Aの成功例・失敗例 シナジー効果を高める企業買収を成功に導く仲介者の信念


株式会社日本M&Aセンター
代表取締役社長
分林 保弘

特選インタビュー

マスコミでは敵対的買収ばかり取り上げられ、買収の99%を占めるという友好的買収には、ほとんど注目されていない。M&Aの最たるメリットはシナジー効果であるという、株式会社日本M&Aセンター 代表取締役社長(現代表取締役会長)・分林保弘が語る、M&Aの成功法則とは。買う側・買われる側双方の視点から探る。

蟹瀬で、実際のM&Aというのは、やっぱりいろんな秘密が関わってきますよね?

分林そうですね。

蟹瀬これ、事前に漏れてしまうとうまくいかないというケースもあるでしょうし。

分林絶対駄目ですよね。だから

M&Aは秘密厳守

分林だから時々、ある経営者の方が「私は絶対に社員とか役員に先に公表したい」という方がいるのですが、ほとんどそれは失敗しているのです。というのは、M&Aというのは絶対に役員とか社員の方に必ず最後はプラスになるのですが、やっぱり誤解を招くのですよね。

蟹瀬具体的にはどういうことなのですか?

分林例えば、ひょっとしたら乗っ取られるのではないかとか、進駐軍が来るのではないかとか、われわれリストラされるのではないかとか、勝手に、やっぱり一人一人が立場考えますでしょう?

蟹瀬不安だけが大きくなっていくのですよね?

分林そうなんですよ。じゃ、実際に何が変わるかというと、原則的にはわれわれは会社名は変えないと。そして前社長は原則的に社長から会長になっていただくと、地位も残るのだよと、一緒にやれると。それから役員の方も役職もほとんど基本的に変えないと。それから社員の方の待遇も変えないと。良くはなっても悪くなることはほとんどない、まして大企業がバックに付くとか、これからじゃあ一緒に上場していこうとか、こういうことですから、結果的にはやっぱりすごくいいことあるのですが、やっぱり世間でM&Aというと先ほどおっしゃったように、敵対的なものだとか、そういうことを思う人が買っていますから、だから……。

蟹瀬買われるほうはいろいろそういう恐怖感というのはあるでしょう、買うほうもそれなりにいろいろ考えなきゃいけないことがあるでしょう?

分林それはやっぱり慎重ですよね。だから私どもも大体、各企業の財務状況は徹底的にやっぱり調べて……。

蟹瀬お見合いと一緒だから、やっぱりどういう男性か、どういう女性かというのは……。

津島重要ですね。

蟹瀬どのあたりを見られるのですか? 財務資料というのは当然でしょうけどね。

分林僕は数千社の財務資料を見ていますし、大体決算書見たら、大体この会社の財務資料が正しいか正しくないか、どのへんがおかしいか、この会社の特徴は何かと、瞬間的に大体こういう社長だなと、顔を見なくても大体、決算書を見るだけで分かりますよ。

津島すごいですね。

蟹瀬あの数字を見るだけで分かるという方いらっしゃるのですよね。

分林分かりますよ、全部。

蟹瀬僕なんか見ていても全然分からない、儲かっているか損しているかぐらいは分かるけれど。

分林本当に特徴がでますよね、あれは。

蟹瀬これはやっぱり会社を売っていく経営者の気持ちというのは相当おもんばかられるのですか?

分林僕はやっぱりすごくそれは尊重しますよね。やっぱり人生を賭けてやってこられたのを、最後手放されるというわけですから、我が子のようなものですよ、養子に出すような感じですよね、やっぱり。ですからやっぱりその方の気持ちを買い手も察した上でやらないと、やっぱり値段で叩くとか、そういうことよりも、企業がやっぱり正しくそれを評価すると。やっぱり尊敬の目でそういった方と接するということが非常に大事だと思いますよね。

蟹瀬これは実際にうまくいった後というのも気になるものですか?

分林やっぱり気になりますよね。やっぱり……。

蟹瀬仲人さんとしては。

津島(笑)。

分林お互いに喜んでいただいて、その企業が発展するといったら、われわれもやっぱり嬉しいですよね。

蟹瀬いろんな経営者とか社員の方ご覧になってこられたと思うのですが、そういう、またそれをきちんと見ていかなければいけない仕事でもありますよね。この仕事をやっていくという信念というか、それはどのあたりにあるのですか?

M&Aにかける信念

分林やっぱりわれわれというのは私も一昨年の10月10日に東証のマザーズに上場させていただいて、20日からドラッカー塾に入ったのです。まだ……。

蟹瀬ピーター。ドラッカーさんの名前付けた塾ですね。

分林ええ。もう一回、きっちり経営学を勉強したいなと思って、やっぱりドラッカーの言うわれわれの使命は何かと、やっぱり使命感ですよね。

蟹瀬ドラッカーの場合は社会に貢献する世の中を良くするということが最終的な使命だと……。

分林ええ。まさに私はやっぱり近江商人の言う、その売り手良し、買い手良し、世間良しも同じ言葉だと思うのですけども、仕事を通じてやっぱり社会に貢献したい、その使命感はすごくやっぱり強いですよね。

蟹瀬しかし、伝統ある能楽の世界に生まれて、世襲を否定されてこういうM&Aを進めるというのはどういうお気持ちなのですか?

分林やっぱり僕は会社というのは、必ずしもオーナーのためだけにあるのではなくて、これはやっぱり一緒に協力してきた社員とその家族のためでもあるわけですから、やっぱり会社というのは先ほど冒頭に言ったのですが、絶対にやっぱり発展しなければいけない。
それはもう安定して、かつ、なおかつ将来的に発展して、その会社が役に立つという面では経営者の役割ってものすごく重要だと思うのですよ。
だから必ずしもその息子さん、2代目とか3代目の方が経営者に向いてれば私は全然問題ないと思うのですけども、これは野球選手と一緒で、野球選手の息子が必ず野球選手に向いているとは限りません。ですからそういった面では、やっぱり本当にできる人が僕は経営すべきだと思うのですよね。

蟹瀬おっしゃるとおりですね。

分林自分が使われる立場だったらそう思いますよね。

蟹瀬なるほど。時間のほうがいっぱいになってしまいました。今日はどうもありがとうございました。

津島ありがとうございました。

分林ありがとうございました、どうも。

津島以上、今週のゲストは分林保弘社長でした。

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出演者情報

  • 分林 保弘
  • 1943年
  • 京都府
  • 立命館大学

企業情報

  • 株式会社日本M&Aセンター
  • 放送日 2008.05.03
  • 社名
  • 株式会社日本M&Aセンター
  • 業種
  • サービス業
  • 所在地住所
  • 〒100-0005  東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 鉄鋼ビルディング 24階
  • 資本金
  • 13億円(東証一部上場 証券コード:2127)
  • 売上高
  • 19,069百万円(2017年03月)
  • 従業員
  • 295名 (2017年10月時点)

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