「最適の解が、最善の解」四社統合や歴史的エネルギー転機を乗り越えた矜持
ジクシス株式会社
取締役社長
土井 隆之
ジクシス株式会社。2015年、コスモ石油・昭和シェル石油・住友商事・東燃ゼネラル石油のLPガス事業が統合し設立。各社が持つ幅広いネットワークを活かし、LPガスの輸入調達、出荷基地運営、物流・卸販売、海外トレードを展開している。近年LPガスは都心への人口集中化などの理由から需要の減少が進んでいる。しかし需要の先細りが危惧される反面、LPガスは災害時などに役立つ分散型エネルギーとして再評価もされている。そんな中インフラとしての使命と新たな可能性を追求し続けるのは、代表取締役社長、土井隆之。
こちらはジクシス設立当時の様子を知る社員。統合直後の社内の様子について話を聞いた。
宮岡統合直後は、とにかく4社がそれぞれ集まってできた会社ですので、同じものを表現していても言葉の使い方が違いまして。そういう意味では受け止め方としては全く違った意味合いになったりもしたりして。とにもかくにも一つのことをやる度に合議で何か物事を決めていくということを意識してやってましたね。人が多く変わることによる混乱を敢えて避けるために、大方同じようなメンバーで今日まで至っております。
そういう意味では一枚岩で同じベクトル、方向性に向かって仕事も進んでいくと。そういった形にこなれてきていると感じています。同じような仕事をやっていたとは言いながらも、会社の文化であったり経験則によって当然本人の知見なんかも随分違いはあったと思います。お互いがその強みを出し合ってより強いチームになるというか、そういったことが統合の効果だと思っています。そういった強みを活かして、他社にはないそういった仕事の進め方だったり動き方だったりといったことをこれから益々強化してやっていきたいなというのが考え方です。
蟹瀬今、社員の方々のお話を伺っていますとね、やっぱり設立当時様々なことがあったんだということがよくわかったのですけれども、4社を束ねるというのは、2社でも大変なのに4社束ねる。これはリーダーとしてはとても大変だったと思うのですけれども、どの辺りに一番苦心されましたか?
土井違う文化、違う背景、違う言葉を持って来ていますので、やはり相手の話をまずよく聞くことと。自分の文化、やり方を主張し過ぎないということ。ジクシスという尺度で一番いい方法を見つけようよということをやってもらうということが唯一の解決策じゃないかと思いますね。
蟹瀬反発の声とか、そういうのは上がらなかったのですか?
土井ありますね。ええ。でも、これはもう根気良く話をするということしかないですね。
蟹瀬今後は新卒の方も入って来られるでしょうし、そういう意味で、このジクシスという会社はこういう会社にしたいという思いには、どういうものがおありですか?
土井今の時代、変化が非常に激しい時代に入っていますけど、その時代の変化を確実に捉えて、
土井価値の創造をしてくれる人材。そういう人材に育てていきたいなという風に思っています。値段の交渉でも、相手があることですから、こちらの思う通りの価格にならないですよね。社内の会議でもいろんな文化のぶつかり合いがありますから、そこで折り合いというのが必要になってきます。
土井が提唱する最善の答えを導き出すために必要な選択とは?
坪井さて、番組ではLeader’s Choiceと題しまして、ゲストの方に「選択の基準」「敬愛の人」「賢者の文」こちらの三つ中からカードで一枚を選んでお話しいただきたいと思います。それでは土井社長、よろしくお願いいたします。
土井「選択の基準」でした。
坪井「選択の基準」。
坪井それでは、リーダーとして何かを選択する時の基準を教えてください。
土井私は常々、最善ではなくて最適の解をいつも探しています。最適の解というのは、オプティマル・ディシジョン(Optimal Decision)というんですけれども、やっぱり物事全て思い通りになるわけじゃないので、あるところで妥協しなければいけないというところがあると思うんですね。
土井最適の解というのが、むしろ最善の解になるかなという風には思います。
蟹瀬具体的にはどういうケースの場合にこういう最適の選択があった、というのはありますか?
土井これはもう様々ありまして。値段の交渉でも、相手があることですから、こちらの思う通りの価格にならないですよね。社内の会議でもいろんな文化のぶつかり合いがありますから、そこで折り合いというのが必要になってきます。やっぱりその中で最適の解をみんなが見つけてくれたらいいなという風に思っています。
蟹瀬今日お話伺ってまして、やっぱり経営統合というものの難しさというのも感じさせていただきましたし、これから日本でさらにこの経営統合というのは進んでいくと思うんですね。そんな中で最善の策が見つかればいいですけれども、そういう選択ができない場合に、最適の決定と言いますか、そういうものを選んでいかなければいけないということは本当に大切だなと改めて思いました。今日はどうもありがとうございました。
土井ありがとうございました。
坪井ありがとうございました。
選択の基準。最善ではなく最適の解。ビジネスに勝つために必要なのは状況に応じた最適の答えを選択すること。最適の解、それが会社にとっての最善を導き出す鍵となる。
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