石炭からストローまで。ニッチのプロがシナジーをつくる100年企業の戦略
三井松島産業株式会社
代表取締役社長
天野 常雄
三井松島産業株式会社。1913 年、長崎県松島で松島炭鉱株式会社として創業。1983 年、松島鉱産株式会社から、現在の三井松島産業株式会社に社名を変更。2001 年、池島炭鉱が閉山。現在はオーストラリア、インドネシアなどで、石炭生産事業を中心に展開をしている。創業からおよそ 100 年。現在の三井松島産業を率いるのは、代表取締役社長 天野常雄。社会から必要とされる企業を目指す、天野が唱える、新たなる事業戦略とは。
蟹瀬改めて、M&A、これをやってみようと思われたのは、どのようなところからなのですか?
天野2008〜2009年くらいから中国が石炭の輸出国から輸入国に変わった。それに加えていろんな要因がございまして、石炭の市況というのが変動の激しいものになってきたと、加えて、海外の事業ですから、為替の変動等もありますし、収益の安定化、多様化というものを図るためにM&Aを中心として、新規事業の育成、強化に取り組むことになりました。
蟹瀬なるほど。いわゆるリクスヘッジとして考えられたということですね。
ドーキンズ1から新しい事業を始めようということはされないのですか?
天野いや、こういったM&Aとは別に、社内のベンチャー制度を設けまして、そういった中で採用された2つの事業、これを展開しております。1つは九州の福岡におきまして、高齢者向け、サービス付き高齢者住宅、この賃貸住宅の運営を行っております。もう1つは、これは私どもが福岡県の津屋崎というところに持っておりました土地に、メガソーラー、太陽光発電の事業を展開しております。6メガ出力で、安定した収益をもたらしてくれております。
資源ビジネスとニッチトップビジネス。時代の変化に積極果敢に挑戦をする。それが三井松島産業のこれからの100年。
ドーキンズさて、番組では賢者の文と題しまして、ゲストの方の心に秘めた言葉を一筆書いていただいています。天野社長、お願いします。
蟹瀬ちょっと見せていただけますか?
天野はい。利・楽・是と言います。
蟹瀬これはどういう意味ですか?
天野はい。ずっと営業畑を歩んできたのですけども、営業をしておりますと、小さな交渉から大きなプロジェクトをご説明するにあたって、自分の思いだけを伝えるのではなく、自分のやりたいことが相手の方にとって、どれだけ利益をもたらす話なのか、どれだけ楽しいことをもたらす話なのか、どれだけ正しいことをもたらす話なのか、そういったことをしっかり考えてご説明し、プレゼンすると。そういうことをすれば、かなり相手の方々の理解を深め、動いていただけることができるというふうに感じておりまして、以来ずっと、何か大きなことをしたり、小さなことも含めて、先方の方と交渉するときにはこの利・楽・是を常に考えてお話しをするようにしています。
蟹瀬自分の利益、自分の楽しさ、自分の正しさではなく、お客様のほうの(利益・楽しさ・正しさ)ということですね。
天野そうですね。
ドーキンズ天野社長は今後の展開はどのようにお考えでしょうか?
天野これまで100年、私共は石炭を中心に事業を進めてきたわけですけども、2013年に100周年を祝って、今は次の100年、この100年は、きっとまた前の100年と同じようにいろんなことがあって、ビジネス環境もどんどん変わっていくのだろうと、そういう中で常に環境の変化に対応して、しなやかに自己変化を起こしていくと、そして、100年後も、人と社会の役に立つ企業でありたいなと、そういうふうに考えております。
蟹瀬まさに石炭とずっと付き合ってこられて、これは長期的な何万年という、あるいは何百万年という時間がかかってでき上がったものですよね。それと同じように、企業がこれからしっかりした理念を持って長生きしていくということが大事になってくるのでしょうね。
天野そうありたいなというふうに思っております。
蟹瀬どうもありがとうございました。
天野どうもありがとうございました。
利・楽・是。自分の思いだけを伝えるのではなく、自分のやりたいことが相手にとって利益や楽しさや正しさをいかにもたらすのか、それを踏まえて思いを伝えれば必ず相手は理解を深め、動いてくれる。
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