劣化が著しい日本、新ソフトパワーで再興を


時代刺激人 Vol. 322

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。
2023/3/16

高齢社会対応のシステム改革進め、新興国にモデル提供

オランダや韓国といった国々は、人口が少なく国内市場も小さいハンディを乗り越えグローバル世界で際立った存在感を見せている。日本は超高齢社会のさまざまな課題への対応で苦しんでおり、負けずに頑張れ、と前回コラムで申し上げた。私はこの際、日本がさすがソフトパワーの国だと言われるような社会システム改革を大胆に進め、高齢社会問題への対応と経済成長との板挟みに今後、苦しむ新興国に対しモデル提示することだ、と思う。

政治業シニアを中心に世代交代が進まないのは問題

とはいえ今の日本は課題山積だ。米メジャーリーグ野球で大活躍の大谷翔平選手はじめスポーツ分野でグローバル評価が高く、頼もしい若手が存在感を見せるのに、国内を見渡すと、高齢者層に見られる「経年劣化」現象が強まり、経済社会に停滞をもたらしている。
政治がその典型だ。政治業者かと思う高齢政治家が現場を仕切り、世代交代に待ったをかけている。日本の周辺で起きる地殻変動にも鈍感だ。若手政治家がこれに全く反発しないのも不思議だ。今や政治に次代を見据える志も力もなく、三流レベルと言わざるを得ない。

経済も二流、三流の領域に入ってきた。バブル崩壊から30年間もたつが、その間のマクロ経済政策はちぐはぐで、年率1%前後の低成長を続けたままだ。政策検証が行われず、状況に流されているだけで、メリハリがない。また日本の科学技術水準は高いはずなのに、次代を画する凄いイノベーションが見えない。経済社会に構造問題がある、としか思えない。

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