廃プラ分解技術 実用化へ(vol.27)


BUSINESS FLASH

「廃プラスチックを水と二酸化炭素に分解して、跡形もなく消し去る」という夢のような特許技術の実用化をめざしている会社がある。

滋賀県草津市にあるベンチャー企業「RAPAS」である。
日の目を見ずに消えてしまいそうだったこの特許技術を守ろうと、2009年10月、現経営陣が立ち上げた。

この特許技術は「廃プラスチック・有機物の分解方法、分解装置及び分解システム」「触媒循環型廃プラスチック・有機物の分解装置及び分解システム」。
10年ほど前、技術者の樫本逸志(いつし)専務(54)が偶然発見した現象をもとに研究を重ね、発明した。

樫本➖➖たとえば、注射器などの医療廃棄物はプラスチックでできていますが、使用後は処理に困っています。この技術を使えば水と二酸化炭素に分解されて消えてしまうのです。

???…にわかには信じ難い話である。
当時、樫本さんが在籍していた会社は、長引く不況を理由に研究の継続を認めなかった。
樫本さんは大学教授ら多くの人から「この技術を埋もれさせては社会の損失だ」といわれ、なんとか実用化したいと、現社長の北村啓子さんの力を得て新会社を立ち上げた。

樫本➖➖特許がからむと簡単にはいかないことが多いのですが、北村社長が並々ならぬ尽力で周囲を説得してくれたおかげで、会社を立ち上げることができました。

という。
ところが、新会社には技術とノウハウはあっても、実用するための装置を作ることができない。
実用化に向けた装置を製造するには、相当の資金と製作スタッフが必要だった。

そこで樫本さんたちは日本を代表する企業に特許技術の活用を持ちかけ、たちまち数社とのライセンス契約が実現した。
大企業が技術の有効性を認め、現在、医療廃棄物処理装置や産業用有機物分解・無機物回収装置が作られ、実用化に向けて動き出している。

ただ、樫本さんはこの技術は廃プラ処理の他にも応用が可能で、もう一段の可能性があると確信している。
当初の発明時からこの技術に注目してきた滋賀医科大学の谷徹教授は話す。

谷➖➖この技術は実際にこの目で見るまで信じられませんでした。それほど驚異的な技術です。こうした技術こそ、公共の手で大きく育て、1つの産業にしていく必要があると思います。

現在、国内外で新たなプロジェクトの構想が立ち上がり、早ければ11月にもスタートする予定だ。
いったん消えかかった技術がベンチャー企業の努力によって、世に出ようとしている。大きな社会的価値のある技術だけに、1日も早い実用化を期待したい。

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