BUSINESS FLASH
一昨年から〝信頼できる畳職人〟に「畳ドクター」という称号を全国畳産業振興会が認定している。
その1号が三重県桑名市の畳職人。
この地で100年以上の歴史をもつ小竹畳インテリアの4代目当主の小竹広行(ひろゆき)さん(41)だ。
まだ若いが、1級畳技能士の資格をもつ腕に加え、温和な人柄ときめ細かいサービスで、地元から厚い信頼を得ていることが評価された。
小竹➖➖私はただ、お客様に喜んでいただけるサービスを地道に提供しているだけなんですが、評価されてとても嬉しいです。その分、畳業界に貢献しなければ。
と小竹さん。
1300年の伝統を持つ畳職人には〝頑固一徹〟というイメージを抱きがちだが、小竹さんにはソフトな雰囲気が漂う。
小竹➖➖畳が売れなくなったのは、価格や相談できる店がわからないことが原因だと思います。私はその心配をひとつでも減らそうと努力してきました。
たとえば、梅雨に入ると畳が湿っぽく感じられるため、畳の張り替え需要が増すという。
そこで「畳の張り替え」に絞って、Q&Aや価格を丁寧に説明したチラシを作成した。
この結果、多くの客が相談に訪れた。
〝かゆいところに手が届く〟内容と誠実な説明が人々を動かしたようだ。
信頼できる畳職人「畳ドクター」第1号に選ばれた理由が十分にうなずける。
この「畳ドクター」は、この3年間で全国に広がり、現時点で約1500人が認定されている。
いずれも各地で厚い信頼を得ている畳職人で、「ドクター」の名称には約7~8億枚ともいわれる〝敷きっぱなし〟の畳を診断し、張り替えを推進する使命が託されている。
その合言葉は『健康のために、畳替えしよう』というユニークなもの。
小竹➖➖畳にはイグサが持つ空気清浄効果とリラックス効果があって、体にとても良いのですが、古い畳にはその効果を望めないので、定期的な張り替えが必要なのです。畳にダニが多いといいますが、誤解ですよ。皆無とはいえませんが、畳床の藁(わら)をしっかり乾燥させて作った畳には、ダニが生息するほどの水分がないんです。だから、後に湿気を吸っても、風通しを良くしていれば大丈夫です。
さすがドクター、と感心していると、
小竹➖➖これは上質の畳の場合です。比較的安い畳は、保証の限りではありません。
とズバリときた。
やっぱりさすが、と再び感心した。
ちなみに、全国畳産業振興会が提唱している〝健康に良い畳〟の目安は1畳1万円。
健康のためなら、それほど高いものではないかも。
〝敷きっぱなし〟の方、一度診断を受けてはいかが?。
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- 公開日 2011.09.16
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