壮年期を迎えた企業グループが「志」をもって次に打つ一手、バイオ事業とは

白石では二つ目のキーワードは何でしょうか？

北尾やっぱり今話しに出たバイオ事業をこれを収益化していくってことですね。

キーワード② バイオ事業の収益化

21世紀の成長産業と言うべきバイオ関連事業を三つのコア事業の一つに据えて北尾吉孝が世に送り出そうとしているものとは？その全容に迫る。

諸星バイオのバイオ事業の収益化。収益化ということは今までずっとしばらくの間バイオ事業されているということですよね？

北尾そういうことです。例えば私どもSBIファームとかSBIアラプロモと言う、ＡＬＡという物質。これは5-アミノレブリン酸なんですけれど。

ＡＬＡ（5-アミノレブリン酸）

北尾これを使った例えば健康食品、化粧品、そして医薬品、こういうものの開発をやってきたと。今ではだいぶラインナップが商品のラインナップが揃いましてね。これスタートしたのが2008年からで、2013年にはもう一つ厚労省の認可を受けた薬も。
これは術中診断薬と申しましてね脳腫瘍の術中診断薬。手術の前にこれを飲む。飲むとこれが脳幹部を通過して脳に行きましてね、そして腫瘍部分にその主成分のプロトポルフェリンと言う奴が集まります。そしてこの脳を手術する時、頭蓋骨外しましてそして特別な光を当てますと、腫瘍部分だけが赤く光るんです。これはもう薬になっているんです。

諸星5年間で認可を取られたわけですか？

北尾そうです。薬で必要な5年間で認可を取りました。

諸星それは早いですね。

北尾ものすごく早いんです。我々本当にラッキーで、実はこの物質について存在は1950年代にもう知られていたんです。ミトコンドリアの中でエネルギーを作ることでものすごく大きな役割を果たしているということまで分かっていたんですけど。これを大量生産する方法が確立されていなかった。

諸星なるほど。

北尾これを確立したのが実はコスモ石油という石油会社で。地方研究所におられた田中さんという方がこれを確立したんですね。ところが石油会社だから宝の持ち腐れだという話になって。そして僕が当時会長社長と非常に仲が良かったものですから、こんなもんがあるんだけどと。僕はちゃんと調べて直感的にこれいけるなと思ったんです。それでじゃあ会社作りましょうと。うち85％あなたの所15％で原体をお宅から供給してください。うちは化粧品、健康食品、薬の開発をやります。こういう段取りをしたんです。

諸星原体はすでにあったとしても、それでもかなりのリスク、それから時間から当然投資ってのはすごいですよね。

北尾これラッキーなのは実はこのＡＬＡという5-アミノレブリン酸というのはあらゆる生物が、動物であれ植物であれ人間はもちろん全部体内で作る能力を思ってるんです。これがないと困っちゃうんです。エネルギーが作れなくなる。
ですから全部ミトコンドリア中で、植物なら葉緑素の中でこれがこのエネルギー生産の言ってみれば主役になっていると言ってもいいかもしれない。そういう物質なんです。

諸星なるほど。その物質というのは我々が加齢するに従ってだんだん作れなくなる？

北尾そういうことです。

諸星みきさんなんかはまだどんどん作っていると？

北尾17歳がピークですから。

諸星じゃあもうちょっと数年前に。

北尾ルックス、セブンティーンですけどね。

諸星バイオですかすごいですね。やっぱりね。

北尾例えば健康食品で言えば最近郷ひろみさん使ってコマーシャルしてるんですが、ＡＬＡプラスゴールドというものを中心にタブレットで発売してます。
それから化粧品もクリームとローションはもう発売してますし。近々全身の保湿用のクリームも発売していくということで。ＡＬＡという物質が非常に高範囲にいろんなものに使われる。