「やっぱり夢を発信する企業にしたい」。通信販売にかけた男の気迫。


株式会社ジャパネットたかた
代表取締役社長
高田 明

特選インタビュー

「ショッピングはエンターテインメント性を持たなければ駄目だ」。観光写真撮影販売からスタートし、通信販売事業に乗り出し年商1,000億円を超えるまでに至ることができた理由がどこにあるのか。自らスタジオを作り番組製作にまで乗り出した高田明が語る販売の秘密とは?

ラジオで売れる理由

高田ラジオは見えると思っているんです。ラジオはまさしく心の目で見てらっしゃるという。きれいな話ではなくて、やっぱりテレビと違いましてテレビは映像で出してますから、ラジオは声だけなんですね。

声の中に語り手の誠実さとか真面目さとかがある気がします

高田だから声の中に、やはりその語り手の誠実さとか、やっぱり真面目さと、そういうものがすごく僕、あるような気がします。これは間違いなくあると思うんです。だからやっぱり誠実に真実を、その商品のことを語る、自分のことばで語る、やさしいことばで語る、これをすごく気を付けました。
当時ラジオは、今、蟹瀬さんおっしゃいましたように、1万円以上のものは売れない、難しいと言われてましたですね。でもネットワークを始めた頃、私が記憶にありますのは、シャープの書院パソコンというのがあったんですね。ワープロのスイッチを切り替えたらパソコンになると。これ面白いな、と思いまして、29万8,000円ぐらいだったんですね。それで5,000本ぐらい売れてしまったんですよ、それが。

蟹瀬そしてテレビショッピングに進出されて、僕は何よりも驚いてるのは、その番組を自分の所で制作されている。以前は制作会社に当然頼んでいたわけでしょう? それを自分の所でやるという決断というのは、どのあたりで、どういう理由でなさったんですか?

自前主義の理由

高田やはり僕はリアルの店舗、小さいながらもお客さんやってましたし、リアル店舗は生放送と一緒だと僕は思ってるんですね。で、ラジオがほとんどその中で生放送で、何年かたちました。電話回線ですから、生に勝るテレビはない、テレビは生(放送)だ!というのを感じだしまして、そしたらスタジオをつくらないと生(放送)ができない。

蟹瀬なるほど。

高田で、制作会社さんにお願いしたら制作会社さんのスタッフがお忙しいときには生にできませんから、そしたらどうしたらいいんだろうと。スタジオはつくれますけど、じゃ、人も社員でやったらいいんじゃないかというので、制作は全部社員なんです。

蟹瀬だって他の会社へ出せば、当然コストが1,000万とかそういう単位になってしまうわけですもんね?

高田そうですよね。コストもそうですし、やっぱり商品というのは、今の時代特にそうなんですけど、サイクルがものすごく速いですよね?

蟹瀬はい。

高田だから、メーカーさんとかが持ってきた商品が、1時間後に生放送できる。極端に言いましたが、自社でやっぱりスタジオをつくりたいと思いました。

蟹瀬制作会社なんか持っていくと、ビデオを作るまでに1カ月ほどかかってしまったり。と、もうタイミングを逸してしまうと?

高田はい。

蟹瀬そうですか。だけどいろんなものを売ってらっしゃいますけど、商品を選択するときの基準というのはおありなんですか? こういうものは売るけど、こういうものは売らないみたいな。

商品選択の基準

高田これはちょっときれいごとに聞こえるかもしれませんけど、よく衝動買いという言葉が通販でございます。私なんかもよく言われてきましたし、言われることなんですけども、衝動買いって悪いかといったら、僕すごくいいと思ってるんですよ。

蟹瀬そうですか?

高田はい。衝動買い、なぜ悪いかというのは、買った商品が、例えば蟹瀬さん、届きますよね、「悪いじゃないか」と。例えば2万円お支払いして買っていただいた商品が、でも「これはすごいな、2万円で」と、その価値、やっぱり支払い価値を認めていただければ、これぐらい「ああ、やっぱりテレビをあのときに見て買ってよかった」と思うのが普通だと僕は思っているわけです。

蟹瀬だけど衝動買いすると、大体商品が届いたときに「ああ、しまった!」、「こんなもの買うんじゃなかった!」というケースが結構ありますよ。

高田だから、商品に対する利益もですけども、お客さんの満足度、その部分のジャパネット標準というものは、品質の標準というものはなんだろうということを、やっぱり選ぶ選択基準はそこにあるのではないかと思ってるんです。

2001年、CSデジタル放送に専門チャンネル『ジャパネットスタジオ242』開局、全国放送を開始します。2004年、元社員による顧客情報流出事件をのりこえます。そして2006年、売上高1,080億円となりました。

蟹瀬起きてはいけないことが起きたわけですね。

高田はい。

蟹瀬これは大変な危機だったと思うんですが、その前に自前のスタジオをつくられて24時間放送する。そんな中で、やっぱり自分のところが売っている商品がいかに魅力的かというふうに見せるために、いろんな努力はなさってると思うんですね。具体的にはどういうことをなさったんでしょうか?

出演者情報

  • 高田 明
  • 1948年
  • 長崎県
  • 大阪経済大学

企業情報

  • 株式会社ジャパネットたかた
  • 放送日 2007.07.21
  • 業種:
  • 通販・ネット販売 放送 広告 商社(文具・OA関連・日用品) 商社(スポーツ・レジャー用品)
  • 本社:
  • 長崎県
  • 所在地住所:
  • 長崎県佐世保市日宇町2781
  • 資本金:
  • 3億円
  • 売上高:
  • 1,760億円(2016年見込み)
  • 従業員:
  • 229人(パート・アルバイト含む)※2016年12月末日時点

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