「シェアは取り過ぎない」「ライバルをわざとつくってるんですよ」に潜む展開力
株式会社ライブドア
代表取締役社長兼最高経営責任者
堀江 貴文
コミュニケーションツールとして社会に定着したインターネット。その世界で風雲を巻き起こす男がいる。堀江はいかにしてブームとなるほど会社を急成長させることができたのか。遥かなる先見性でビジネス界に新風を吹き込む手腕、その背景となっている姿勢とは?
木村会社もどんどん大きくされてるわけですけども、その社名もどんどん変えてらっしゃいますよね?
堀江そうですね。
木村そういうものに対するこだわりってあまりないんですか?
堀江全然ないですね。社名が金稼いでくれるわけではないですからね。要は社名にこだわること、逆に言うと稼げる社名に変えようということですね。
勝今となってはかなりもう認知度が上がって、ライブドアという名前は、ではしばらく使う?
堀江それも分からないんですよ。
勝そうですか。
堀江例えばですよ、ソニーさんが「ソニーのブランドただであげるよ」と言ったら、ソニーに社名変更します。Microsoftが社名くれると言ったら、喜んでもらいますから。
勝こちらに、先ほど名刺交換させていただいた堀江さんの名刺、あるんですけれども、随分珍しい名刺ですよね、普通のものよりも幅が狭くて。これは会社設立当初からこのような形のものを使ってらっしゃるんですか?
堀江以前はもっと派手でしたけどね。
勝なぜこのような名刺をお使いになっているんですか?
堀江目立つからです、覚えていただけるから。
勝確かに、インパクトはありますよね。
木村ありますよね。
堀江必ず名刺の話題が出ますから。
木村はいはい。
堀江あの変な名刺の会社、何?というふうにして覚えていただけるということですね。
勝その仕事、この名刺一つとってもそうなんですけれども、うまく進めていく堀江さん流仕事術みたいなものも教えていただきたいんですけれども、必ず心掛けていたことというのは?
堀江基本的には冒頭にも言ったとおりシンプルに考えるということで、情報が、先ほど大事だというお話もしましたけど、とにかく情報収集するわけです、毎日毎日。
で、その処理スピードを上げていくわけですよ。これも反復練習ですから。で、情報を基にしていろんなことを考えるわけですね。
例えばこの本、『堀江貴文のカンタン!儲かる会社のつくり方』がありますけど、ここを見れば分かるんですけど、プレゼント応募券って付いているんですよ。で、このプレゼント応募券で何ができるかというと、株券がプレゼントされるんですよ。株券が1,000名ぐらいに当たるという企画をやったんですけど、本を買って株券が当たるなんて企画は今までなかったんですよ。
勝ないですよね。ご自分で思い付いたんですか?
堀江そうですね。子会社でライブドア証券という会社がありまして、要は株券をもらうためには証券会社に口座をつくらなければいけないじゃないですか。口座開設する人が増えるだろうということで付けたわけですけど。
木村なるほど。
堀江本ってたくさん売れるじゃないですか。そうするとたくさんの人たちに証券のことを聞いていただいて、はずれた方も非常に興味を持っていただく。
そういったこととか、どうやったらものが売れるんだとか、どうやったら儲かるんだということを、いろんなもので、会社にはいろんなものがあって、名刺一つ取ってもそうなんですけれども、いろんなものが儲けるツールになるわけですよね。
それを、じゃあ名刺はこのサイズなんだと常識にとらわれないで、要は100人が100人「名刺はこのサイズなんだ」と言っても「いや違う」と。じゃ、小さくしてなんのデメリットがあるんだと考えるわけですよ。ないんですよ。小さくしたらいいことばかりなんですよ。
勝コストもね。
堀江例えば、コストは安くなんないですけど、環境に配慮してるとかも言えますし、いろんなメリットはあるんですよ。
木村そうやって考えていくと、その今まで当たり前とされてきたことが、単なる思い込みでしかないとか。
堀江そうです。社名を、例えばなんで変更できるんですか? とか、そういうことも思い込みじゃないですか、単純な。思い込みをどんどん消していくと。会社を作るということもそうですよ。東大やめて会社を作るというのもよく言われるんですけど、「非常に常識的ではない、非常識だ」と言われますけど、多分大企業に就職するよりも会社を作ったほうが絶対儲かるんです、絶対得なんですよ。こんないい商売ないんですね。
株式会社って、例えば自分が100パーセント株持ってたら、全部自分のものではないですか。で、企業価値が上がっていったら、それ全部自分のものですよね。でも、例えば1,000万で会社を作ったら、1,000万円以上損しないんです、0になるだけなんです。個人補償とかしてなければ、しなくていいですから0円になるだけと、こんないい商売はないですよ。リスクは限定的でリターンは無限大に近いじゃないですか。
でも会社に入ったら、会社が潰れたらリスクすごい大きいじゃないですか、そんなこと考えたら。でもリターンって結構期待値は低いわけですよ。社長になったって、日本の会社の社長なんて3,000万、4,000万しかもらえないわけですよ、給料を。
木村そうですね。
堀江こんなリスクのあることはないだろうと。会社作ったほうがリスクは自分でコントロールできるし、自分のせいで失敗したとしても、例えば1,000万円で作ったら1,000万円以上の痛手を負うことないし、何回でも再チャレンジできるんですよ。
木村それは決して特殊な才能があるからできるということでもないと?
堀江そうですね。特殊な才能があるとさらに会社は大きくできますけど、私が今まで見た中でいうと、特殊な才能を持たなくてもそこそこの、少なくても小金持ちにはなれますよね。要はベンツ乗り回して社長風を吹かせるぐらいにはなりますよ。
木村(笑)なるほどね。
堀江これはほとんどの人たちがなれると思います。
木村今までに挫折ってやっぱりありますよね? ずっと一直線でこられたわけでもないですよね?
堀江どういうのが挫折というんでしょうね?
木村一番へこんで「ああ、もういやだ」とか?
堀江いやだと思ったことはないですね、会社を作ってからは。
木村ないですか。
堀江いやだったらやめてますよ、自分が。
木村そうですか。
堀江いつだってやめられますからね。
2004年2月、エッジ株式会社から株式会社ライブドアへ社名変更しました。6月、プロ野球近鉄バファローズ球団へ買収申し入れをします。そして9月、日本プロ野球組織にプロ野球新規加盟申請を行います。
勝この記憶にも新しいプロ野球関係なんですけれども、マスコミも含めて大加熱となりまして、いろいろなところで堀江さんコールが起きたりと、ご自分でも想像以外の展開をしていったんではないですか?
堀江そうですね。プロ野球を選んだというところは、すごく狙い通りだったんですけども、思った以上に反応がすごかったなと。
木村僕は大阪におりまして、特に近鉄バファローズというチームがなくなるので、なんとか残そうとかいろいろ騒動があったんで、そのときに堀江社長を見ておりまして最初に手を挙げたというのが、やっぱりこの人すごいなという気がしたんですよ、本当に素直に。2番目3番目で手を挙げるということは割と誰でもできるんですけども、まず最初に手を挙げようと思われたのはどうしてですか?
出演者情報
企業情報
関連コンテンツ
カテゴリー別特集
リンク