日本のこれからを担う
2人の起業家。夢と情熱で
世の中に貢献するヒント
西田亮介(株式会社チトセロボティクス 代表取締役社長)
倉原直美(株式会社インフォステラ 代表取締役CEO)
近年、日本では「アントレプレナー(起業家)」、夢を持って行動に移す若者が減少してきていると言われている。そこで、今回は「日本アントレプレナー大賞」を受賞した2人の起業家を招き、起業の背景やこれからの展望を語ってもらった。2人のアントレプレナーの目に映る「夢」と「情熱」、「起業に対する姿勢」はこれからの若者に対する明確なメッセージが込められていた。
蟹瀬 しかし、これはビジネスモデルにしていかなきゃいけないわけですね?その辺りっていうのはどういうふうにお考えなんですか?
西田 我々はアルゴリズムを主体としているので、実はロボットを扱ってはいるんですけれども、ソフトウェアの企業なんですね。なので、ロボット本体を作っているわけではないんです。ロボット本体はメーカーさんから購入してそのままクライアントにお渡ししています。実は在庫リスク自体が非常に低いモデルなんです。
今までロボットってずっと減価償却しつづけるまで使い続けるっていうのが当たり前だったのが、必要なときに必要なだけ使うロボットっていうのがこれからのロボットビジネスだと考えています。
もう一つ、我々の「ALGoZa」というソフトウェアはコピー可能なんです。基本的なソフトウェアが完成しているので、様々な作業ごとに追加で開発するということが少しで済みます。なので、開発コストも低く抑えることができます。今までロボットというのは全てワンオフ=1台限りのものだったんですね。それだとなかなかスケールしないので、それをソフトウェアの力でスケールできる、コピーできるようにしたのが我々のソフトウェアです。
蟹瀬 しかし、ほかの人たちにはすぐにコピーができない。それが強さですよね?
西田 そうなんです。それがアルゴリズムの力です。
蟹瀬 そもそも、なぜこういうことやろうって考えたんですか?
西田 結局、日本っていうのはこれから人手不足というのが顕著になってきて、労働人口が減少していく、それを食い止めるテクノロジーに携わりたいと考えてこの問題に着目しました。
ドーキンズ プロフィールを拝見しますと、西田社長は大学のときもロボットを専攻されていますが、いつぐらいからロボットに興味がおありだったんですか?
西田 実は僕、6歳からロボットを作っていまして。
ドーキンズ 6歳から!?
西田 はい。両親が僕に見せてくれた「ショートサーキット」という非常に古い映画があるんですけれども、その映画を見て、ロボットを作る人に憧れを持ちましてロボットを作り始めました。
ドーキンズ そして、大学在学中には2度起業されているということなんですが、起業にも、もともとご興味がおありだったんですか?
西田 いや、起業には実は興味がなかったんですね。大学に入ってロボットが好きで、ロボットばっかり作っていたんですけれども、ある時、経営学部の先生が「お金にならないことは、それは趣味という。お金になったら、それを仕事と呼んでいい」というふうに非常に厳しい意見だと思うんですけれども、僕1年生のときに言われまして、これでお金を稼がなきゃいけないのか。でないと人の役に立つ仕事にならないというふうに目覚めまして、大学在学中に、周りのメンバーと一緒に会社を興しました。
在学中に2度起業した西田は大学卒業後にリクルートに入社。起業ではなく、なぜ大手企業に入社を決めたのか。
蟹瀬 起業してお金が儲かって別に会社に勤めなくていいじゃないですか。
西田 それは僕がメンターでついていただいていた方が「一度就職しろ」と「20代のうちは学べ」というふうに言っていただいたので就職することにしまして、やっぱりリクルートの中で今までto Bのビジネスばっかりやっていたので、to Cの一般消費者向けのサービスがやりたいというのが1つと、チームで何かを作るっていうところにすごくフォーカスを当てたいなと思って、リクルートの中では7人のチームでコンシューマー向けのビジネスをしました。
リクルート入社から2年後、西田は3度目の起業となるチトセロボティクスの創業に動き出した。
西田 リクルートにいたときに、大学時代の後輩と「またロボット作りたいね」という話をしまして、「世の中を良くしたい、世の中に出せるものを作りたい!」っていう思いを持ちまして、じゃあ、ロボットの会社を始めようというふうに考えました。
我々の「チトセロボティクス」っていう社名に込めた想いとしては、我々のアルゴリズムは「どうやって人間は体を動かしているんだろう?どうやってロボットは体を動かしていくのがいいんだろう?」っていう、そういったロボットティクス全体の謎に迫るものだというふうに考えていて、その1000年の謎といわれている体を動かす事。これを解いて、そして1000年先に残る何かの技術を作ろうと、1000年という意味を込めて「千歳」と名付けてチトセロボティクスとしました。
蟹瀬 今何年ぐらい来ていますか?
西田 いまですか?今10年か20年ぐらいまで来ています。まだまだです。
蟹瀬 まだ先にいっぱいあるんだ。
西田 そうです。ロボットの業界でやらなきゃならないこととか、やりたいことっていうのはすごくいっぱいあります。
ロボット技術で社会の役に立ちたい。1000年の謎に挑むその想いが1000年後も残るチトセロボティクス。革新的技術の第一歩。
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