地域をプロデュースする新リーダーを 動き出す地方創生のカギは人材づくり


時代刺激人 Vol. 279

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

人口減少に伴う地方消滅リスク、シャッター街化が進んで閉そく感広がる地方商店街など、数多くの問題を抱える全国各地で最近、危機感の高まりをきっかけに、自分たちの町を変えようという意欲的な取り組みが生まれ、地方も少しずつ変わりつつある。

鹿児島「やねだん」地区の豊重さんの話も素晴らしい、
地域プロデューサーの典型

木村さんが経済産業研究所セミナーで語った地域プロデューサーの話のうち、ぜひみなさんにお伝えしておきたい興味深い話は、鹿児島県鹿屋市串良町の柳谷(やねだん)地区に関することだ。過疎化が進み人口300人、高齢化率が40%超という地区で、東京での銀行員の仕事を辞めて故郷にUターンした豊重哲郎さんという特異なリーダーが、自治公民館長を頼まれて就任して以降、行政に頼らず自分たちだけで地方再生に取り組んで成功した事例だが、木村さんによると、地域を見事にプロデュースした事例だ、という。

 

木村さんは、豊重さんの取り組みを早くから聞いており、文字どおりパートナーという形で串良町の「やねだん」地区にたびたび足を運び、さまざまな支援協力を行ってきた、という。木村さんによると、豊重さんの取り組みのすごさは、感動があれば、どんな人でも必ずアクションをとって動き出す、という信念のもとに、たとえば地区で放置されていた荒地を公園にするプロジェクトも地区の人たちのやる気を引き出し、見事に立派な公園にした。その公園建設費用はわずか8万円で、事実上、地区住民のボランティア活動で済んでおり、鹿児島県などからの公的補助などもなしに実現した、という。

「感動があれば人は動く」
「『できない』を『できる』に変えることが大事だ」は重要

豊重さんがつくりだす感動、地区住民が自然に行動に移す感動とはいったい何なのか、そこが興味深い点だが、木村さんにとると、特別な魔術があるのではなく、豊重さんが常に積極的に動いて範を示すこと、その創意工夫に住民の人たちが共感し納得して行動を共にする、という。豊重さんがキーワードにする「感動があれば人は必ず動く。命令することなどは必要ない。感動を与えればいいのだ」という点にヒントがあるのかもしれない。まさに地域をプロデュースするリーダーなのだろう。

 

この「やなだん」では豊重さんがプロジェクトに取り組んで11年めに、何と人口減少に歯止めがかかったばかりか、Uターンする人が少しずつ増えて、一転、人口増加している、という。しかも豊重さんが地区の空き家対策を兼ねて、県外からアーティストを招いて空き家を地区の「迎賓館」にしたら、それが話題になり、県外からいろいろな人たちが「やなだん」を訪問するようになった、という。
木村さんは、「やなだんの豊重さんは一例だが、全国に、こういった地域をプロデュースするリーダーがどんどん輩出すれば、間違いなく地方や地域は変わってくる。全国各地のリーダーたちが、知り気づくことでさらに大きな輪になっていけば素晴らしい。私たちはアクションを起こすことが重要だ」と語る。

 

さらに、木村さんは興味深い話をしている。「ある商店街での聞き取り調査で、『なぜ商店街に行かないのですか』と聞いたら『買うものがない』『商店街に行くと暗い気持ちになる』『店に入ると何か買わないと悪いなという気持ちになってしまう』などが原因だという。『できない』を『できる』に変えることが大事だ」という。確かにアクションが大事だ。

 

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