スピード感のある経営判断でサスティナブルな企業を目指し、海外事業の拡大を進める
サラヤ株式会社
代表取締役社長
更家 悠介
放送15周年の特別インタビューとして、これまでに「賢者の選択」にご出演いただいた方々に、時代や環境変化への対応や展望についてお話しを伺いました。
(サラヤ株式会社 代表取締役社長 更家 悠介:賢者の選択ご出演 2009年12月放送)
ニッチなグローバル企業になりたい。その思いから高い目標を掲げ、ビジネス領域の拡大を続けるサラヤ株式会社。マーケットの声や動き、研究開発をいかにスピーディーに、かつ安定感を持ちながら経営に生かしていけるか、あらゆる方面から探ってきた。
こうしたなかで、アジアを中心とした積極的な海外展開は、大きな広がりを見せている。
「ベトナムでは衛生事業を展開しています。病院や高齢者介護施設などでは、利用者が増えて、看護師が衛生器具を洗浄する時間がなくなるほど逼迫した状況を迎えていました。そのため自動的に洗浄する機器や、高圧蒸気滅菌に対応した機器を提供しています。また器具によっては高温にさらせないケースもあります。そこで、低温で処理するためにチャンバーを真空にしてプラズマを当て、薬剤を満遍なくいきわたらせることが出来る新しい機器を採り入れました」
従来から展開するディスペンサーに加え、新たな技術を現地の情勢や需要に即した形で提案したものだ。
「当社はアルコールを使った消毒剤を多数展開しています。しかし、それだけではなく、アルコールのマイナス30度ほどに冷やしても凍らないという特性を利用し、袋に入れた魚の切り身などを冷やしたアルコールに漬けることで急速冷凍できる機器を開発しました」
従来の冷凍方法では、先に氷の結晶ができるため、細胞を傷つけてドリップが起こったりするなど、品質劣化の原因になりかねない。
「ラピッドフリーザーという機器で急速冷凍することにより、品質劣化をほとんど気にすることがなくなります。海外ではカンボジアで実証実験を行っており、養殖したティラピアという白身の淡水魚を切り身に加工し、それを急速冷凍。現地スーパーで販売するなどのテストを進めています」
今年5月からはアフリカに急速冷凍機器を持ち込んで、日本食レストランなどでの活用を探っている。現地の水産加工業も支援する取り組みだ。カンボジアからウガンダへと活用の場は広がっている。
「ウガンダでは2010年からユニセフと共に『100万人の手洗い運動』を展開して一般市場における衛生啓発を行っていますが、同時に病院における院内感染予防なども働きかけています。これら医療衛生の分野に食品分野を組み合わせ、さまざまな領域で事業展開を進めているところです」
これらは同社が手がけている一部の領域に過ぎない。さまざまなプロジェクトを通じて、国内外の新たな市場を切り拓いているのが同社だ。
「国内では基本的に食品・公衆衛生、医療衛生の業務用分野に、コンシューマーの一般小売分野の3本柱を中心に安定的な成長を図っています。常に新しい商品とサービスの提案を積極的に進めています」
同社の事業は、サービスとシステム、機器、薬剤を組み合わせた、国内外へと領域は拡大している。目まぐるしく移り変わる社会の動きに対応する、スピード感のある経営判断で、サスティナブルな企業として今後の発展が期待される。
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