世界の街や建物、そして人間も。社会の血管をつくる事業は遠回りが近道!?
日本システム企画株式会社
代表取締役社長
熊野 活行
ビルやマンションの給水および空調配管に装着する「NMRパイプテクター」。独自の技術で建物の血管を治療、健康にしていく。その先には、文字どおり人の健康への寄与。そんな事業たちを通して見えてきた、社会課題への着実な成果。事業と社会貢献は企業にとって相反するもの、ということが、昨今では共存すべきものである、と変わってきた。「事業そのものが社会貢献」と先駆的に唱え、想像をはるかに超えたスケールで実現した代表取締役・熊野活行の道のりとは?
宮川賢者の選択Leaders、ナビゲーターの宮川俊二です。
坪井坪井安奈です。
宮川今回は社会に役立つ会社を目指し様々な社会貢献を続ける、あるメーカーの取り組みに迫ります。
社会に役立つ会社を目指し様々な社会貢献を続ける、あるメーカーの取り組みとは?
日本システム企画株式会社。
1988年、現在の代表取締役社長 熊野活行が創業。
1995年、ビルやマンションの給水および空調配管に付着した赤錆を黒錆に変化させる「NMRパイプテクター」を開発。熊野は、給水配管の寿命を延ばすこの技術で、世界の建物のメンテナンスコスト低減に貢献している。また、このほかにもモンゴルやミャンマーで様々な社会貢献を行っているという。
熊野利益というのは会社を維持発展させるために必要です。でも、利益は目的ではなくて、事業活動そのものが社会貢献になるべき。
社会に役立つ会社は絶対につぶれない。熊野が考える社会貢献型企業とは?
坪井それでは、本日のゲストをご紹介します。日本システム企画株式会社 代表取締役社長 熊野活行さんです。よろしくお願いいたします。
熊野どうも、こんにちは。
宮川よろしくお願いいたします。今日は社会に役立つ会社ということで、どういうものか、じっくりとお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
熊野よろしくお願いいたします。
坪井さて、冒頭のVTRでもご紹介がありましたが、こちらがパイプテクターですね。
熊野そうです。
坪井具体的にはどういった製品なのでしょうか?
熊野建物の水回りの配管、たとえば、給水管などですね。そういうものに外からつけます。給水管ですと、もとにつけますと、すべての蛇口まで配管内の赤錆を硬い結晶の黒錆に変えまして、配管の中からもう錆びない管を作るんですね。
坪井赤錆が黒錆に変わるのですか?
熊野はい。
老朽化した給水配管の中では、配管の鉄と水中に含まれる酸素によって酸化反応が起こり、赤錆が発生する。赤錆は水に溶けやすく、水質を悪化させるがNMRパイプテクターを装着すると水中で還元反応が起こり、水に溶けやすい赤錆が石のように硬い黒錆に変化するという。
熊野簡単に言いますと、配管の中に雷放電の非常に弱い状態を作る仕組みを、この装置がやっています。水が持っている、自由電子と言いまして、電子は還元性がありますので、それによって赤錆を黒錆に変えるんですね。
宮川パイプテクターのメリットはどんなところにあるのでしょうか?
熊野従来、この装置がなければ配管を更新しなければならないんですね。なおかつ、この装置は配管を取り替える費用の、マンションですと大体、5分の1から10分の1でできますので、コスト面でのメリットもすごく大きいですね。
宮川そうするとたとえば、どれくらい普及しているというふうに……。
熊野90パーセントは日本で、10パーセントが海外でございます。海外で主(おも)だったところはイギリスがございます。
日本システム企画ではイギリスの国立病院を皮切りにバッキンガム宮殿やウインザー城、イギリス国会議事堂などにNMRパイプテクターを設置。現在では行政施設のほか、ホテルやデパートなどでも数多くの実績を残している。また、現在、このパイプテクターの技術を健康面に応用する取り組みも行っているという。
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