社会課題の中心に住宅あり?!ハイテク産業となった住宅の新たな方向性と希望
積水ハウス株式会社
代表取締役会長兼CEO
和田 勇
住宅産業界のリーディングカンパニーとして住宅関連市場を牽引してきた積水ハウス株式会社「グローバル化した国際社会、変化する社会状況にあって、住宅産業界は大きな転換期を迎えている」と、代表取締役会長兼CEO、和田勇は言う。和田勇の成長戦略、住宅産業の将来性とは? その全容に迫る!
穐本未来の暮らしにICT技術とエネルギーをうまく効率的に使う暮らしというのを、いろいろ実証実験を行ってご提案しているんですけれども。こちらにありますのが、今この住宅のエネルギーの部分を表示しているものなんですけれども。例えば太陽光発電が今2.3キロワット発電しているとか、住宅でどのくらい電力が消費されているとか、そういったものが一目瞭然でわかるような形になっているんです。
更にこの住宅の最大の特徴と言えるのが、暮らしの中に溢れる様々なネットワークの統一・標準化を目指しているということなのです。
エネルギーということだけではなくて、例えば、これは「みんなの家」って言っていますけれども、遠く離れた茨城のおじいちゃんの家と繋がっていて、「おじいちゃん、どうしてるかな」って思うと、電気がついたり車がいたりするので「おうちにいるな」っていうのがなんとなくわかったりと。
あるいはフォトフレーム的に日常生活の情報交換をするっていうような、そういう機能も持たせています。更には地域情報ということで、これは防災情報ですね。今地震が起きました。で、どこに逃げたらいいのかとか、なかなか住んでいる地域の情報とは言っても、いざという時にどこに何があるかってわからないもので、地域で出している防災情報なんかを活用するためのツールになっていくということを目指して提案をしています。
そしてこのプロジェクトが目指すネットワークにはこんなものもあります。例えば、ワインをテーブルの上のセンサーに載せるだけで、そのワインの産地などの詳しい情報を表示するなど、普段の生活を豊かにするためにこちらのスマートハウスでの実証実験が行われているのです。また、防災の面においても、太陽光などで発電された電気は蓄電池に貯めることができるため、万が一電力会社からの送電が止まった場合でも一定の時間は電力を供給できるようになっています。
和田これが固まってできるのがスマートシティなんですよ。
蟹瀬仙台の方でいろいろ試みをなさっていると。
和田やっています、ええ。町全体をそういう考え方で作ったものがスマートシティなんですよ。それをもっと究極に詰めていったらスマートグリッドになるわけです。
蟹瀬もっと広域なものですね。
和田ええ、そうなんですよ。それともう一つ我々が考えているのは、高齢化になって、いわゆる介護ロボット。介護ロボットっていうのはこれから必須の条件になってくると思うんですよ。ああいう重たい体を支えるのは大変だと思うので、それはもう近々にやっぱりそういうものも持ち込んだものをやっていきたいなと思っているんです。
蟹瀬ロボット技術も組み込まれてくると。まさに20年先、30年先を読んで作っていくということになりますよね。
和田昔はね、超ローテク産業だと思っていたのですけれどね。もうまさしく、ハイテク産業を引っ張っていく産業になってきたんじゃないかなと思いますね。
蟹瀬しかも社会の基盤ですからね、住宅っていうのはね。それだけインパクトが強いですよね。日本の場合やはりこれだけ地震の災害があると、そういう防災の面での強みっていうのが逆に出てくるかもしれないですね。
和田そうですね。特に我々が阪神大震災を経験した時にね、あの時にまさしくインフラがやられちゃったんですよ。それでその時に我々も実験的に防災住宅っていうのを作っていたんですよ。その時にやっていたのが、今我々が世の中に出している三電池のそういう住宅の走りをやったのですけど。そうすると隣近所が全然ダメなんです。その家だけがインフラちゃんと機能してるわけですよ。
蟹瀬三電池というのは?
和田燃料電池、太陽光、それから蓄電池。
蟹瀬三つ全部装備してしまう。どれかダメになってもバックアップがあるというような状況なのですか?
和田そうです。だから太陽光だけですとね、太陽が照らないと電気起こせませんのでね、燃料電池とうまく併用することによってね、それをまた停電になった時にそれを蓄電しておきますと、それが電気を起こしてくれる、発電所になるわけです。住宅が。
蟹瀬そういうことを積極的にやれる積水ハウスの、言ってみればDNAみたいなものって一体何なのでしょう。
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