長期政権化が見えてきた高市政権、でも課題は山積


時代刺激人 Vol. 331

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

「高市首相は勉強家だが、政治家としての面白みがない」

松下政経塾時代の先輩で、高市首相と長年の付き合いがある山田宏参院議員が雑誌対談で、高市首相の政治家としての特徴を述べている。参考になるので紹介させていただこう。

それによると、高市首相は、勉強家で、その勉強に裏付けられたことを信念持って発言する。聞きかじったことを面白おかしくしゃべる政治家が多い中で、高市首相は、まず自分の目で確かめ、そして考えてからしっかり発言していく。時に、確信を持ったことは、断定的に言う傾向がある。一方で、真面目過ぎてか、政治家としての面白みに欠ける。周囲を包み込むような笑いがない。政治家は、人脈ネットワークを武器にするが、その点に関して、高市首相は群れを好まず、少数政治家とのつきあいにとどめるきらいがある、という。

中国を激怒させた「台湾有事」など不用意な発言もリスク

ただ、勉強家の高市首相がうまく真価を発揮すれば、日本を引っ張っていく政治のトップリーダーとして、信奉するサッチャー氏の足元に近づく可能性は十分にある。懸念材料があるとすれば、高市首相に時々、不用意な発言があることだ。そのあおりで、過去に自ら窮地に陥ることがあった。中国を激怒させた「台湾有事」発言もその1つだ。

不用意発言と言えば、高市首相のマーケット対応も課題だ。今年1月31日に神奈川県内での衆院選応援演説で、為替問題に関して「円安だから悪いって言われるが、輸出産業にとってはチャンスだ。外為特会(外国為替資金特別会計)では、運用益が出ていて今、ホクホク状態だ」と発言した部分がそれだ。円安容認と受け取られ、為替市場の投機筋を刺激し市場が変動した。あわてた高市首相が釈明に追われ、おわびコメントを出す羽目となった。

「橋本発言」でも問題発生、政治家は市場への無頓着を直せ

高市首相の不用意発言と似たことが過去に起きて、グローバルマーケットに影響を与えたことがある。橋本龍太郎元首相が1997年6月、首相として米国訪問時のコロンビア大学での講演後の質疑で「米国債を売り(ゴールドの)金を買いたくなる衝動に駆られることがある」と発言した問題だ。米国株式市場は、米国債売り発言に強く反応、ブラックマンデー以来の株価急落となり、為替もドル売りとなった。慌てた日本政府は急きょ、首相発言を全面撤回した。市場への無頓着かつ軽率な政治家の言動が大問題を起こす典型例だ。

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