成長を遂げる過程で顧客のニーズを掘り起こす元となった「2人の消費者」とは?!
株式会社マルカン
代表取締役社長
松本 幸彦
総合ペットメーカーとして成長を遂げ、2012年には全国の中小企業の中から経済的社会的に優れた成果を挙げている企業に贈られるグッドカンパニー大賞グランプリを受賞するなど、ペットビジネス業界のリーディングカンパニーとして業界を牽引し続けている。株式会社マルカンのリーダー、松本幸彦の成長戦略に迫る!
松本そうですね。やっぱり昆虫というと一定期間しか販売できない、マーケットが非常に小さいですから。そういう横へ横へと広げるために、いろんな生体の事業を模索していこうという方向性に変わっていきました。
蟹瀬どのような分野へ?
松本ハムスター。
白石ハムスターですか。
蟹瀬はやりましたね。今も飼っている方、けっこういらっしゃいますよね。
松本はい、いらっしゃいます。ちょうど平成6年ぐらいだったんですけれども、海外ですごく人気がありまして。そのハムスターを海外の展示会で見て、すごくかわいかったんですね。これは日本のマーケットにも受け入れられるんじゃないかなということから、輸入をしまして、販売したところすっごく人気出たんですね。
白石確かにそうですね、私も小中学生の頃にハムスターをみんな周りの子が飼っていたんですけれども、女の子はその小さくてかわいい、手の平に乗る大きさって言うんですよね。それがすごくかわいいって言って飼っていましたね。
松本タイミング良く、ちょうどテレビ番組でハムスターを主人公としたアニメが放送されて、一気に売上が伸びましたよ。
蟹瀬なるほど、相乗効果ですね。ハムスターが人気あるから、そういうアニメができてきて、アニメができるからまた。
松本飼う子や飼育が増えたと。ですからそれの用品開発を含めて、餌、飼育用品、関連商材、どんどん使って、やっぱりそういう生体を中心とした提案をして、ニーズを掘り起こしていくことで、いろんな商品を売りながら売上を伸ばしていこうということが、勝ちパターンのように考えるようになりまして。
蟹瀬そしていろんな分野へビジネスの方を広げていらっしゃった。これはなかなか自社開発していくと時間がかかりますよね?
松本そうですよね。ですから2007年に観賞魚用品メーカーのニッソーという会社をM&Aいたしまして、その後2010年に株式会社サンライズという会社をM&Aして、事業領域を広げていこうと。マルカン事業部はハムスター、小動物を中心とした昆虫関係の商品の開発。ニッソー事業部は観賞魚関係に特化した事業部。サンライズ事業部はワンちゃん猫ちゃんの食べ物を中心とした開発をする事業部という風に分けてですね。
蟹瀬元々の強みを各部署で生かしているということになるのですね。
白石さて、続いてのキーワードは何でしょうか。
松本はい、2人の消費者です。
顧客のニーズを掘り起こすことで総合ペットメーカーとして成長を遂げてきた株式会社マルカン。リーダー松本幸彦の次なるキーワードは「2人の消費者」。その真意に迫る!
蟹瀬ペットの話を伺っていると、どんどん私ものめり込んでいってしまうのですけれども、二つ目のキーワードが「2人の消費者」。これは一体どういう意味ですか? 消費者が2人しかいないとは言わないですよね?
松本敢えて2人というように言っておりますけれども、まずは飼い主様。で、ペット。実際に使用する2人の消費者に目を向けて商品開発をしないとダメだということなんですね。
蟹瀬ペットも消費者という風に見るわけですね。
松本そうなんです。飼っていただく方は人間。でも与えて評価をしてくれるのはペットなんですね。
蟹瀬確かに餌なんか明らかですね。
松本嫌だったら食べませんしね。
白石はっきりしていますものね。
松本はっきりしています。例えば、玩具作った。遊ばない。もう売れない。
蟹瀬ありますよ、我が家にもいっぱい転がっています。高いお金払って買ったのにね、「フーン」ですよ。(笑)
松本すごくショックですよね。ですから、消費者の目というのが当然のことながらペットにも、どうすれば使いやすい製品、美味しい製品、栄養価の高い製品を作れるかということを、2人の消費者として考えていかなくてはダメだなと。
蟹瀬それは意外と我々、気が付かない部分ですよね。だけどそうなると、これ商品開発がものすごく複雑になってくるんじゃないですか?
松本なります。ですから生体のことがわからないと商品作れませんし。
白石そうですよね。
松本嗜好性もわからなければ、商品を作ることはできない。例え形ができてもです。実際食べてくれなかったら売れない。リピートが来ないということになりますので。そういったところは、妥協せずに商品開発をしていこうと。
蟹瀬だけど、お客さんにとって、要するにペットの飼い主にとって「あ、これを買ってあげたいな」って思わせる商品と、ペット自身が好きだよねっていうか、これ食べたいよねっていう商品の間にギャップなんか出てこないのですか?
松本ありますよね。ですから、ワンちゃんしゃべってくれれば、本当はこれ美味しいだ、美味しくないだと言ってくれればいいんですけれども、もう本当それがわからないんで、それぞれのカテゴリーにプロフェッショナルの開発者を入れまして。いい言い方をすればプロフェッショナルなんですけれども、悪い言い方をすればマニアックに商品の開発をさせようということですね。いろんな様々な開発、その担当者というのをチーム分けにしてやっております。
蟹瀬社員の方は、全員ペット好きなのですか?
松本ほとんど何か飼っておりますね。
白石そうなのですか。
松本ですから、入社してくる子達はですね、開発がしたい。例えばハムスターの開発がしたい。昆虫の開発がしたい。もうそう言って入ってきます。ですから、その子に「犬の開発をせえ」と、「用品の開発をせえ」と、「観賞魚をやれ」と言うと嫌なんですね。(笑)
白石(笑)そうなのですか。もうこれ一本で行きたいと。
蟹瀬専門家になっちゃうわけですか。
松本ですから、突拍子もないアイデアも出てきますし、これは売れないだろうという風なものも出てくるんですけれども、私共の会社はできるだけ自由な発想で行こうと。やはりそのプロフェッショナル、マニアらが考えた発想を一度チャレンジしてみようという、すごくハードルを低くしてチャレンジしている。
蟹瀬面白いですね。
白石そうですね。
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