原点にこだわる!「昨日の不可能を、今日可能にする」の信念
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長
出雲 充
貧困の現場で感じた思いを一貫して持ち続け、起業し成功をおさめたた男がいる。決してぶれることのない原点があるからこそ生まれるアイデアやバイタリティを持つベンチャービジネスのカリスマは、どのようにビジネスの素を発見し、それをビジネスへと結び付けたのか?
福井まずはじめに、お伺いしますが、ユーグレナはどのような理念を掲げられていらっしゃるのでしょうか?
出雲私どもは「人と地球を健康にする」という理念で頑張っております。
蟹瀬出雲さんはこの会社を立ち上げられたときから、僕は本当に注目をしていて、今日はどこまで進んだのかじっくり、お伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
福井この番組ではゲストの方の、今を象徴するものをお持ちいただき、番組を進行させていただきます。今日はどのようなものをお持ちいただいたのでしょうか?
出雲はい。私はこのTシャツをお持ちいたしました。
蟹瀬これは拝見すると、ごく普通のTシャツという感じがするのですが、これがなぜ、今を象徴する品物なのでしょうか?
出雲このTシャツはですね、私の原点なのです。1998年に、私が大学1年生のときなのですが、生まれて初めて、バングラデシュに行きました。本当に大勢の人が貧困、栄養失調で困っている。そのことを忘れない、そういう原点として、このTシャツをずっと持っています。
蟹瀬これはだいぶ着られたんですか?
出雲いえ、私は一回も着ていません、これは。
蟹瀬だけど、その割にはですね。これ……糸がほつれてたりとかしてます。
出雲ちゃんと大事に取ってあるのですけれども、どんどんボロボロになってしまうんですね。そういう技術が当時のバングラデシュには、それしかなかったということなのですけどね。
蟹瀬なるほど。今は割と日本のメーカーなんかもバングラデシュでこういう衣類を作ったりというケースもあるようになりましたけどね。
出雲はい。
蟹瀬貧困の現場というのをご覧になられて、一番感じたことはどういうことだったのでしょうか?
出雲一番驚いたことは、バングラデシュは世界で一番貧しい国だと。それで、私は貧しい国はご飯を買うお金がなくて、みんな、お腹ペコペコで苦しんでいる人が大勢いると思っていたのです。しかしバングラデシュではそんなことはないんですよ。たくさんカレーがあって、お腹ペコペコで飢え死にしそうだという人はバングラデシュに一人もいないんですね。でも、カレーの中に何も入ってないんですよ。人参も玉ねぎもじゃがいももお肉もお魚も牛乳も・・・、なんにもないんですね。
それで、「なんでかな?」と思って調べてみたら、やはり、バングラデシュは電気が足りないんですね。電気がないということは冷蔵庫も卵も野菜もフレッシュな状態で保存できない。だから、まったく手に入らないんですね。
一番の問題は腹ペコではなくて、みんな、子供も大人も栄養失調だということです。日本に帰ってきて、そのあとはとにかく、栄養満点の食べ物をひたすら探してました。
出雲何が一番栄養価が高いのか、いろいろなきのこだ、なんだというのを調べていたんですけれども、なかなかいいものがなくて、半分あきらめていたのです。そんなときに私の後輩の学生が「すごく、とっておきのいいのがありますよ!」って言って、「なになに?」と言ったら、ミドリムシって言われたんですね。
出雲の大学の後輩で、出雲にミドリムシの存在を教えた鈴木健吾(ユーグレナ取締役)
鈴木出雲社長はバングラデシュに行って、バングラデシュの現状を目の当たりにして、何か自分の手で変えることができることがあるのではないかという話をしていたんです。そしていろいろ探していくなかで、私が大学の研究室の中で、ミドリムシの存在を知ったので、そこでお伝えをしました。ミドリムシの可能性について、学生時代から、一緒に検討を進めていくことになったんですよ。
何かを変えたい、そういう熱い思いというものは学生時代から持ち続けて、変わっていないのかなと。変わってきたとすると、熱とか、そういったものがいろいろ伝播していくのかなということで、熱量の高い人たちが、集まってくれたなというのは、実感はしているところです。
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