まちづくりのDNA。ものづくりの現場で学んだ人との繋がりの大切さとはなにか
東急不動産株式会社
代表取締役社長
金指 潔
たった一枚の作業服が現場で働いていた人たちの心を開いた。「ものを作ってくれる現場が一番大事だ」という、東急不動産株式会社 代表取締役社長 金指 潔が、自身の経験と東日本大震災の震災復興支援を通して再確認した、まちづくりのDNAとはなにか。これからの日本のまちづくりはどうあるべきかを探る。
人が暮らし、人が働き、人が安らぐまち、まちは時代と共にその姿を変えていくが、常に人々のライフシーンと親密な関係にある。そんなまちづくりの一端を担うディベロッパー業界は、新興住宅街、ショッピングセンターなどの商業施設、オフィスビル、リゾート施設など、一体となったまちづくり事業を繰り広げている。
しかしリーマンショック後の景気悪化などでディベロッパー業界は苦戦を強いられている。そんな中独自の事業理念で難局を乗り越え、新たなまちづくりに取り組むディベロッパーがある。金指潔(かなざし きよし)がけん引する東急不動産株式会社である。今回は東急不動産株式会社の金指潔の成長戦略の背景にあるディベロッパーの事業理念に迫る。
宮川Leader&Innovation賢者の選択、ナビゲーターの宮川俊二です。
白石白石みきです。今回は、東京渋谷にあります、東急不動産にお邪魔します。
宮川東急さんと言いますと、私は東急線の沿線に二十数年住んでおりますので、いつもお世話になっております。白石さんはどんなイメージですか。
白石そうですね。東急と聞くと渋谷のまちを連想します。今回お邪魔するにあたって色々調べたのですが、あの東急ハンズも、東急不動産が経営なさっています。学生の頃から色々なものがあったのでワクワクしたのを覚えていますね。
宮川今、全国各地で大小を問わず、様々なまちの再開発、それから住宅街の開発が行われています。そこで今回は、私たちの暮らしに直結したまちづくり、そこに焦点を当てまして、ディベロッパー業界の成長戦略、そしてその事業理念に迫ってみたいと思います。
白石それではさっそくお邪魔いたしましょう。
宮川私も東急沿線に住んでおりますので。
金指たまプラーザでございますか。よろしくお願いいたします。
宮川彼女は渋谷で育ったそうですから。
白石はい。渋谷のまちで。よろしくお願いします。
金指潔、1945年、東京都生まれ。1968年に早稲田大学政治経済学部を卒業。大学卒業後、東急不動産株式会社に入社。1998年東急不動産株式会社の取締役に就任、その後2003年に東急ホーム株式会社取締役社長、2008年には株式会社東急ホームズ取締役会長に就任、同じ年に東急不動産株式会社代表取締役社長、社長執行役員に就任、現在に至る。
宮川私も経歴を拝見しまして、2年後輩ということで、というと本当に大学が大変な時代で、私が入った時には、大学がノックアウトと言って、新入生で学費を払っているのに大学に入れなかった。多分、社長は(大学に)入るなとノックアウトされていたかも。
金指宮川さんが私の目の前にいて、私がこちら側にいてダメだといったということかと思いますね。
宮川急に恐縮してしまいまして。
白石いつもと雰囲気が違いますので大変ですね。
金指後輩なのにこちらに座っていて。
白石今日は色々と深くお聞きしたいと思いますが、金指社長はなぜ東急不動産に入社されようと思われたのですか。
金指振り返ってみますと、私は昭和43年に大学を出たんですね。ちょうどその頃というのは、昭和39年に東京のオリンピックがあって、昭和45年が大阪の万博ですから、ちょうど三丁目の夕日、まったくあの時代でしたね。そういった意味では、日本が高度成長期の入り口になった時代だと思います。
そこで卒業いたしまして、私自身も世の中を変えていこうということで、実はマスコミを志望しておりまして、ところが、全て受けるところ、NHK含めてすべて落ちまして、それでそういった中で、とりあえず東急不動産に入ったという、そういう経緯でございます。
宮川私も社長が落ちられたというのは申し上げにくくて。
金指うらやましいと言いますかですね。
宮川でも私は70年にNHKに入りましたから、まだその頃渋谷は、完全に移転していなくて、入社式も品川町でやった覚えがあるのですけど。
金指嫌な思い出がありまして、あちらで落ちたんですよ、私。
宮川その頃の渋谷ってどうだったのですか。
金指どうでしょう、私が入った頃というのは、駅前は、知っておられますかね、プラネタリウムっていう丸いドームがあった。それが東急文化会館というのが向こうにありまして、こちら側に東急プラザという私のビルがありました。
あと忠犬ハチ公の広場があると、こんな感じでございましてね。正直言って相当埃っぽい感じの下町でございます。そういった意味では全てに手がついていない、そんな時代でございます。
宮川それを変えてやろうと。
金指変えてやろうというふうに思って入ったのですから、何としても変えていこうと思います。
白石そこで東急不動産と言いますと、やはり今ではもう、とても幅広い事業を展開なさっていますけれども、東急不動産を一言で言いますと、どのような会社なのでしょうか。
金指住まいを提供してまいりましたので、住まいの総合プロデューサーといったことの方がよろしいでしょうね。そういった言葉が一番適切じゃないかと思います。
白石この番組では企業の変革を象徴する3つのキーワードで進行をさせていただきます。まず、最初の変革、そのキーワードは何でしょうか。
金指最初のキーワードは「まちづくりのDNA」でございます。
宮川東急不動産のDNAっていうのは、どこに原点があるのでしょうか。
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