「本気なんだ、ブレないんだ」ビジョン浸透への執着が生む新しい金融の価値


株式会社東京スター銀行
頭取
佐藤 誠治

特選インタビュー

2001年、アメリカの投資ファンド、ローンスターが株主となり、株式会社東京スター銀行が誕生。現在は台湾の民間最大手の商業銀行、CTBC Bankの傘下で独自のサービスの提供で業容を拡大している。しかし、低金利による収益の低下、高齢化に伴う中小企業の廃業や、地域の人口減少による営業基盤の弱体化など、地方銀行を取り巻く環境は年々、厳しさを増している。そんな中、銀行の生き残りをかけ奮闘するのは、頭取、佐藤 誠治。

宮川賢者の選択、Leaders、ナビゲーターの宮川俊二です。

坪井坪井安奈です。

宮川今回は低金利時代の銀行業界で独自のビジョンで生き残りをかける、ある地方銀行の取り組みに迫ります。

独自のビジョンで生き残りをかける ある地方銀行の取り組みとは?

佐藤銀行は、僕は主人公であってはいけないと思っています。

佐藤銀行はお客様のサポート、ビジネスとしてのサポーター。

独自のビジョンで生き残りをかける。佐藤が唱える、お客様にとって、身近で信頼できる相談相手とは?

坪井それでは、本日のゲストをご紹介します。株式会社東京スター銀行、頭取、佐藤誠治さんです。よろしくお願いいたします。

宮川どうぞ、よろしくお願いいたします。

佐藤よろしくお願いいたします。

宮川今、低金利時代ということで、なかなか競争が激しいと伺っておりますが、その辺をじっくりお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤よろしくお願いいたします。

数奇な運命

坪井さて、冒頭のVTRでもご紹介いたしましたが、東京スター銀行は2001年に誕生しました。どのような経緯で設立されたのでしょうか?

佐藤東京スター銀行の前身は地方銀行である、東京相和銀行という銀行だったのですが、1999年にバブル崩壊のあおりで破綻をしまして、2001年にローンスターというアメリカのファンドが買収をして、そこからスタートしています。その後、アドバンテッジパートナーズというところがまた買収をして……。ところが、リーマンショックがあって、また債権銀行が株主になって、2014年に台湾の中國信託商業銀行、CTBC銀行が株主になって……。15年間に株主が4回変わっているという……。

坪井そうなんですね……。

佐藤めまぐるしい、数奇な運命といってもいいような状態でした。

宮川冒頭でも申し上げましたが、今、低金利時代って、私たちはありがたいのですが、銀行業界にとっては非常に厳しいですね。

佐藤そうですね。

宮川これはどういうふうにご覧になっていますか?

低金利時代

佐藤やはり、金利が低いというのは、利ザヤも取りにくいということになります。どちらかというと、マーケットはシュリンク(縮小)気味である。となると、企業の合理的な経営を考えると、日本で設備投資をするということはあまりないでしょうね。とくに地方銀行は国際業務をもっておりませんので、国内での設備投資、運転資金、これがあまり伸びないということになると、お金を貸す先がない。それで、低金利で利ザヤも縮小していると。そういった意味では、非常に厳しい環境ということが言えます。

ポテンシャル

坪井プロフィールを拝見しますと、佐藤頭取は2017年に頭取に就任されていますが、こちらはどのような経緯で……。

頭取就任までの経緯

佐藤私はもともと、メガバンクでずっと勤めていたのですけれども、役員を退任して、縁があって、東京スター銀行が次期頭取を探しているというお話があって、私も銀行業界にかなり長く身を置いていますので、「自分がリーダーだったら、こういうことがしたい」ということがいろいろありましたので、2016年にまず、副頭取として、入らせていただいて、今年(2017年)の4月に頭取に就任したという経緯です。

宮川なるほど……。やはり、メガバンクではできない、あの規模だったら、佐藤さんだったら、こうできるみたいなものはおありだったのですか?

東京スター銀行の強み

佐藤やはり、東京スター銀行がどういう強みを持っているか、そこをまず、しっかり認識しようと……。強みの一つはCTBCという親銀行がいて、彼らが海外に非常に広いネットワークを持っていることです。これは日本の銀行ではメガバンクしか持っていないようなネットワークですので、これは非常に活用できます。それと、今いる行員の7割ぐらいが中途採用です。みんな、いろいろな経験を経て、プロとして入ってきています。彼らの人材力。それと、非常にユニークな金融商品。ローンスターが持ってきたような、たとえば、リバースモーゲージのようなユニークな商品。それと、非常に変化する時代ですので、2,000人弱という規模は機動性という点でなかなか強みではないかなと思っております。

坪井そのような強みを生かすために具体的にはどのような取り組みをされたのですか?

佐藤今後、我々がどうなっていきたいかということをしっかりと示すような、中期経営計画というものを作りました。

ビジョン

佐藤その経営計画の中での、いわゆる、ビジョンというのは、「Trusted Advisor」。これは英語ですが、日本語で言えば、「お客様にとって身近で信頼できる相談相手になる」。これを掲げまして、お客様がなりたい姿、あるいは、こういうことを実現したいということを理解して、それをサポートしていく。我々は銀行というものをお客様にとっての「ビジネスとしてのサポーター」というふうに定義したいと考えていますので、できるだけ、お客様に寄り添ってお手伝いをしていく、これが「Trusted Advisor」だと思っております。

宮川ビジョンを掲げても、それを皆さんに浸透させるのは、なかなか難しいと思うのですが、どういうふうにされているのでしょうか?

ビジョン浸透のために

佐藤十人単位ぐらいのディスカッションミーティングというものをずっと続けていまして、「そもそも銀行って何なの?」「どうして利益が生まれるの?」「お客様との関係というのはどうやって作っていくの?」、そういった基本的な価値観を大体1回に2時間から2時間半ぐらいディスカッションをします。けれどもやはり、従業員は「本気か?」「建前だけじゃないの?」「きれいごと?」と思うこともあると思いますので、「いや、そうじゃないんだ、本気なんだ、ブレないんだ。なぜならば、それをやることが、中長期的に持続的な成長と利益につながる唯一の道だ」と……。ですから、1回話をして、その人の中で定着する確率は、僕は5パーセントぐらいだと思っています。

宮川そんなに低いですか?

佐藤低いです。それを3回、4回繰り返すと、2割、3割ぐらいになっていくんですよ。ですから、やはり、同じことを同じ言葉で繰り返し言い続けるということが大事だと思っています。

ドーキンス私は今、東京スター銀行の本社に来ています。佐藤頭取が掲げるビジョンがどのように行員の方々に浸透しているか取材してみたいと思います。

ドーキンス失礼します。こんにちは。

関係者いらっしゃいませ。お待ちしておりました。

ドーキンスドーキンス英里奈です。よろしくお願いします。

関係者よろしくお願いいたします。では、ご案内いたします。どうぞ、こちらへ。

ドーキンスあんまり、銀行っぽくないですね……。

関係者そうですね。

本店1階にあるファイナンシャル・ラウンジ。オレンジを基調とした明るいフロアに情報端末を備えたカウンター。安心して相談できる個室が4部屋用意されており、個人向けに資産形成や各種ローンの申し込みなど、情報提供やアドバイスを行っている。

ドーキンスしっかり、個室になっていますね。

このラウンジで顧客を迎える行員たちは「Trusted Advisor」、身近で信頼できる相談相手、というビジョンをどのように業務に生かしていこうと思っているのだろうか?

関係者お客様のことを今まで真剣に考えていた領域よりも、さらにもっと深く、たとえば、そのお客様だけではなくて、そのご家族の方とか、ご家族背景から得られるもの、そういったところをもっと深く、興味を持って、探求していかないといけないと感じるようになりました。

関係者私は法人を担当しておりますので、まず、お客様の今のビジネス、そして、今後の展望についてよく理解して、お客様をよく知ること。そのうえで、お客様の課題を自分なりに想定して、弊行として、どういったサービスをご提供できるのか、また、弊行が今後、どのようなサービスを提供していかなければならないのかを考えて行動することだと思っております。

永住権を持っていない外国人はほとんどの銀行で住宅ローンが利用できない。しかし、東京スター銀行ではそうした外国人に対して、積極的にサポートを行っている。

関係者日本で働く外国人は年々、増えてきています。また、働く外国人は住宅を購入したいという希望を強く持っています。家を買いたいのにできないというのは困ります。

関係者まず、お客様の話を聞いて、お客様の課題や悩みを知って、人生の見通しを立てていただくために、サポートをしてまいります。

相談型店舗

店舗展開

佐藤私ども、従来、全国に32の店舗を持っておりましたが、どちらかというと、ターミナル駅のようなところにあるお店が多いんですね。ところが、お客様がたとえば、週末、相談に行くのに、わざわざターミナルに行くのは大変ですから、お客様の近くに行って、そこで気軽に相談できるような小型店舗を、これからある程度の数を出していきたい。

2017年11月、東京江東区のショッピングセンターで、東京スター銀行の小型店舗のオープニングセレモニーが行われた。相談特化型の小型店舗、南砂町アドバイザリープラザは佐藤が掲げたビジョン、お客様にとって、「身近で信頼できる相談相手になる」をコンセプトに顧客からの相談を受ける窓口として作られた。相談内容に応じて、各分野の専門家と直接、会話をすることができる。

お客様皆さん、行員の方は知識が豊富で、いろいろな説明をしていただけるので、助かってて……。アドバイスしてもらっています。

出演者情報

  • 佐藤 誠治
  • 1958年
  • 香川県
  • 早稲田大学

企業情報

  • 株式会社東京スター銀行
  • 放送日 2018.01.28
  • 社名
  • 株式会社東京スター銀行
  • 業種
  • 銀行・証券
  • 本社
  • 東京都
  • 所在地住所
  • 東京都港区赤坂二丁目3番5号
  • 資本金
  • 260億円
  • 従業員
  • 1,703人 ※ 従業員数は、嘱託および臨時従業員を含んでおりません。

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