「やるかやらないか」の壁を越えた起業家とともに歩む、サムライの矜持とは


株式会社サムライインキュベート
代表取締役社長
榊原 健太郎

特選インタビュー

スタートアップの経営、マーケティング、営業、人事戦略支援など、スタートアップインキュベートに特化して事業を展開する、株式会社サムライインキュベート。日本国内のみならず、IT系ベンチャーが集積し、世界の投資家が注目するイスラエルにも拠点を持ち、創業から現在まで、およそ140社を超えるスタートアップ起業に投資をしている。2008年の創業から代表を務める代表取締役、榊原健太郎の賢者の選択とは。

蟹瀬賢者の選択Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。

ドーキンズドーキンズ英里奈です。

蟹瀬今回は世界を変えようと挑戦する起業家に出資し、事業展開を全面支援する、あるインキュベーターの取り組みに迫ります。

起業家に出資し 事業展開を全面支援する あるインキュベーターの取り組みとは?

榊原「できるできない」ではなく、「やるかやらないか」で世界は変わるということをお話しできればいいかなと思っております。

「やるかやらないか」で世界は変わる。榊原が唱える、シードステージからのインキュベーションプログラムとは?

ドーキンズそれでは、本日のゲストをご紹介します。本日のゲスト、株式会社サムライインキュベート、榊原健太郎さんです。よろしくお願いいたします。

榊原よろしくお願いいたします。

蟹瀬どうも、よろしくお願いいたします。イスラエルのほうでも活躍されているということで、私も先日、イスラエルに行ってきたのですが、日本で新規の起業がなかなか立ち上がってこない、その答え、なぜ、そうなのかというのも、随分、向こうに行っていらっしゃると、分かったと思うんですね。今日はその辺もじっくりお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

ドーキンズよろしくお願いいたします。

榊原よろしくお願いいたします。

今回は都内にあるフリースペース、賢者屋、東京新宿店で収録。賢者屋は年間7万人以上の学生が利用する学生限定のフリースペースで、東京と大阪に各1拠点ずつあり、経営も含め、すべて学生が自主運営をしている。

サムライ魂、社名に込めた思い

ドーキンズさて、まずはじめにお伺いしたいのですが、サムライインキュベートという社名にはどのような思いが込められているのでしょうか?

榊原そうですね。一番最初の先頭と後ろで、サムライとインキュベートで分かれていると思うのですが、まず、サムライという名前をなぜ使ったかと言いますと、盛り上げるというか、一体感が結構、好きでして、たとえば、スポーツだとサムライブルーやサムライジャパンという形で、唯一、日本人が一つになって、まとまる言葉がサムライかなと思っていて、ビジネス業界でサムライジャパンみたいな形でまとまりを作りたいなということでサムライという言葉をつけました。

それと、どういった方をまとめたいかなと思ったのは、これから起業していくとか、すでに起業されていて、世の中を変えていこうというビジネスマンをひとくくりにして、サムライジャパンで世界を良くしようよみたいなイメージで、サムライインキュベートという名前をつけた感じになります。

蟹瀬僕らの世代だと、サムライって聞くと、新渡戸稲造の「武士道」を思い出すのですが、あのへんの価値観というのも入っているのですか?

榊原そうですね。まさにおっしゃる通りで、うちも行動規範で8つのサムライ魂があるのですが、それはまさに新渡戸稲造さんから活用させてもらっている感じです。

蟹瀬義とか礼とかね、見事に8つの漢字(義・礼・勇・誉・仁・誠・忠・挑)で、人間に必要なものが表現されていますものね。しかし、そもそもこういう会社を立ち上げるにあたっての経緯というのはどういうことから始められたのですか?

立ち上げの経緯

榊原もともとは医療機器の会社で3年、営業をしまして、そのあとに今で言う、ミニミニ楽天、ミニミニAmazonみたいな感じの会社の立ち上げをやりまして、ちょうど2000年ごろに関わったのです。しかしやはり、インターネットの革命というか、すごい流れが来ていて、その中で僕は医療機器の会社から、全然関係ない分野に来たわけなのですが、何も経験とか、知見とかなくても、頑張れば世の中を変えられるという意識がわきまして。ゼロからイチを作るのが起業家なので、何もできないできないと考えるのではなくて、新しいこと、やれることを僕も体験したので、それを皆さんに伝えられればいいかなと思って作ったのが、今の会社ですね。

蟹瀬ベンチャーキャピタルって、今は当たり前の言葉になりましたけれども、なかなかお金を集めるというのは起業では一番大変な部分ですよね。そのへんにやはり着目されました?

榊原そうですね。実は、最初のサムライインキュベートを立ち上げるときは全然、違うモデルでして、営業代行みたいな会社を最初、やりまして、いろいろなスタートアップの商品を売っていたのですが、それだけではなかなか起業家さんの悩みは解決できないかなと思いまして、やはり、一番後押しするところでいうと、「お金が一番必要だ」ということで、たまたま前の会社に投資を頂いていたベンチャーキャピタルさんにまた久しぶりにお会いしまして、彼に言われたのは、起業家を育てることが一番の社会貢献になる。

起業家を育てることが一番の社会貢献になる

榊原どういうことかというと、たくさんサービスを皆さん、使われて、たくさんのお金を家庭に給与として戻すということで、たくさんの人が幸せな家庭ができる。ということで、起業家をたくさん育成したほうが、僕があと50年とか、40年ぐらいの人生の中で一番社会貢献ができるかなと思ったので、自分で事業をやるというよりはたくさんの起業家を生み出すほうが、効率がいいかなと思って、始めたというのもあります。

サムライハウスという独自の投資スタイル

榊原それで、実際の投資の仕方は、僕らは昔はサムライハウスって家を一棟借りしまして、そこで起業家と一緒に住んでいたんです。住みながら、それこそ、人格もそうかもしれませんけれども、ビジネスがゼロから一に生まれるアイデアの段階から、逆にアイデアが生まれたタイミングで会社のミッションをどうするかとか、会社の行動規範をどうするかとか、売り上げ計画とか、販売計画とか、製品計画とか、いろいろなところのフレームワークとかも、生産していただいて、一緒になって、もちろん、将来的にはIPOとか、どこかの会社にM&Aするとか、世界で成功するとかって目標を決めて、一緒になって、アドバイスをし続けるところが僕らの仕事ですね。

こちらは株式会社エニドア、代表取締役、山田尚貴さん。世界中にいる85,000人のバイリンガルユーザーに仕事の依頼ができるクラウドソーシングサービス「Conyac(コニャック)」を展開している。

山田うちが創業したのが2009年。2009年って、リーマンショックの翌年、直後で、かなり景気としては悪い状態。で、うちとしては創業しました。事業を伸ばすためにまずは資金を集めないといけない。ベンチャーキャピタルやインキュベーターのような方々に資金を入れていただいくというところで、事業を成長させたかったんですけれども、まったく見向きもされず。
1年ぐらい経ったときにちょうどイベントで記事に取り上げられて、「こういうサービスをやってます」というところで、翌日ぐらいに榊原さんからメールが来まして、「面白いビジネスなので投資させてほしい」。なんか怪しいところから連絡来たぞっていう形だったんですけれども(笑)
その後、お会いさせていただいて、いろいろ話させていただくなかで、この人と一緒にやっていけるなら、投資を受けるのもありなのではないかというところで受けさせていただきました。
いろいろ新しいことを教えてくれたり、あとは、こういう形ですれば良いのではないかなどの仮説提案とかもそのタイミングでいろいろしてくれて、一緒に動いてくれたんですね。口を出すだけではなくて、自分でも動いてくれていたので、それはやはり、大きくて、単純に一緒に行くだけではなくて、榊原さん自身が一人で行って、話を聞いてきてくれたり、足を使って動いてくれたところは大きかったですね。

サムライインキュベートでは起業家のインキュベーションのほかに起業家と大手企業をつなぐオープンイノベーション事業を行っている。

オープンイノベーション

榊原今まで日本の大企業さんって、自分たちだけでやって、クローズドイノベーションという形で、自分たちだけで、R&Dセンターを作って、自分たちで考えたのが今は本当にVRとかARとかMRとかあとはブロックチェーンとかサイバーセキュリティー、いろいろな自分たちができないキーワードが一気に増えてきまして。やはり、自社だけでは難しいので、それを取り組んで、いわゆる、クローズでやっていたものをオープンにする戦略が主流になってきて、という感じですね。

オープンイノベーションについて、サムライインキュベートとともにベンチャー企業と事業連携をしている企業の方にお話を聞いた。

関係者この何年か、日本郵便の中でもオープンイノベーションの取り組みを進めてきたのですが、今まではオープンイノベーションをテーマとしたイベントに参加していくとか、出店するとかというのがベースになっていたんですけれども、より具現化までのコミットを強めた手段をしていく必要があるなと思って、こういったオープンイノベーションプログラムが必要だなと感じていたんですね。

もちろん、いろいろな社員がいますし、いろいろなアイデアを出せる社員がいて、そういった中での動きもあるんですけれども、やはり、すでに技術を持っているとか、ソリューションを持っているところに行くと、うちはメーカーではないので、スタートアップというところはやはり、今後、連携していく相手先としてはすごく注力していくべき企業群だと思っています。

日本郵便側からの視点からすると、彼らと接することによって、やはり、中の人たちがすごく刺激を受けるところがあって、中の組織自体がよりイノベーティブに変わっていければいいなと思っています。今回はプログラムとして、採択させていただいていますけれども、プログラムの採択企業以外のスタートアップさんとも魅力的な企業さんが多かったので、連携をもっとしていきたいですし、今後はスタートアップの連携は必要不可欠だと思っていますので、今回のプログラムで小さくてもいいので、まずは結果を出して、次につなげていきたいと思っています。

忍耐力

蟹瀬しかし、いろいろな若い、若いとは限らないですが、いろいろな年齢層の方が「こんな会社を作りたいです」って応募をしてこられると思うのですが、これを審査するのは相当難しいと思うんですね。審査基準というのはどのように意識されていらっしゃるのですか?

審査基準

榊原そうですね。僕がインキュベーターとして気にしているのは、どんなプロブレムを解決するのかというところだけです。「それは本当にプロブレムなの?」というところで、「最初に言われた、このプロブレム、ありますよ」って言ったときに、「あっ、確かにあるよね」って言ったときにはかなりの角度で当選する確率が上がりますね。

蟹瀬なるほど。

ドーキンズ具体的に、いらっしゃった起業家さんたちの何を見て、この人たちには投資しようって思うのですか?

榊原人となりの話になると思うのですが、やはり、過去にどれだけ苦労をしていて、その苦労を具体的に自分で考えて、解決したかというところを一番見ますね。起業して、一番大変なのはやはり、ストレスに負けてしまって、うつ病になってしまったりとか、睡眠障害になってしまう方が多いので。なので、過去にどれだけつらい経験をどう乗り越えてきたかというところが一番、起業家にとって必要なので、そこはかなり見ますね。

蟹瀬ストレスを見極める極意というのはあるのですか?

ストレス体質の見極め方

榊原やはり、たとえば、幼少期から親御さんが自営業の社長さんをされているとか、会社の社長さんをされているとか、一方で、大きな会社の重役をされている方、ご両親の苦労されている姿をどれだけ日々見ているかという、そこも結構、注意して見ています。

ドーキンズとなると、良いアイデアをどれだけ持っていても、人となりが良くないと、なかなかうまくいかないということですか?

榊原おっしゃる通りですね。すべての課題を解決できたらいいなって思うのですが、やはり、そこで耐え抜けられなくて失敗してしまうとか、巻き込む力とか、本当にそれは自分自身でやり遂げたいことなのかというところを、腹をくくれるかどうかというのは結構、大きいかなと思います。

蟹瀬やはり、忍耐力なんですね。

榊原僕はそこだと思いますね。

対応力

ドーキンズストレスに対する強さ以外の部分で、何か審査の基準にされていることって、ありますか?

審査基準

榊原基本的にはメールのレスポンスが遅い方というのは考え過ぎてしまう方が多いので、結局、レスポンスがとても速い人ほど、仕事ができるというところで。なので、悩まずに、たとえば、メールが来ても、難しい問題だなと思って、「じゃあ、分かった。ちょっと考えるから、もうちょっと待って」みたいな返事が来るだけでも、能力が高いかなというのは見ています。

ドーキンズとりあえず、すぐに返事をするほうがいいということですね。

蟹瀬今度、申し込むときは、そうしよう。

ドーキンズはい。

榊原(笑)

蟹瀬これまで事業をなさってきて、実績というのはどれぐらいあるのですか?

これまでの実績

榊原いわゆる、起業家同士のイベントもそうですし、起業家と投資家とか、マッチングするような取り組みをミートアップって言いますけれども、イベントが過去10年間で、千回以上はやっています。実際にその中から、僕らが投資した会社が今、140社ほどありまして。それで、今、イスラエルがその中で30社ですね。日本が110社ほどです。その中で、いわゆる、M&Aされた方、イグジットされた方が16社ありまして、まだこれは希望的観測なんですけれども、今はIPOの準備をしている会社が2020年までに多数あるという形なので、これからかなというところではあるのですが。


ただ投資するのではなく、起業家の人間性を見る。
ただ投資するのではなく、その事業が社会に役立つかを見る。
それが、榊原が目指す真のインキュベート。

出演者情報

  • 榊原 健太郎
  • 1974年
  • 愛知県
  • 関西大学

企業情報

  • 株式会社サムライインキュベート
  • 放送日 2018.01.14
  • 業種:
  • コンサルティング・シンクタンク・調査
  • 本社:
  • 東京都
  • 所在地住所:
  • 東京都品川区東品川2-2-28 タチバナビル2階

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