国産医療ベンチャーが「地鳴りのように」ポジティブに変える医療現場とは?
大研医器株式会社
代表取締役会長
山田 滿
目まぐるしく変化する世界経済と地球環境。かつてない変化とスピードの違いに我々はどう向き合う。時代を牽引する賢者のターニングポイント賢者の選択。外資系企業が席巻する日本の医療機器市場にその牙城を崩そうとするある国内メーカーが現れた。大阪に本拠を置く大研医器株式会社。クーデック、クーデターバイテクノロジーというブランド名を掲げ、独創的な製品をこれまで数多く開発してきた。院内感染の防止、患者の身体的負担の軽減、最先端医療の現場の声を反映した製品はその多くが国内トップシェアを誇っている。そしていま世界へ大きく市場を広げようとしている大研医器創業者山田満。その経営戦略の全容に迫る。
山田支払手形をですね、非常に伸ばしていただく、しかも保証金は積立形式にしていただく。ということで売り上げて、回収して、現金化した商品で結果的に支払うというようなことを一つはやりました。
蟹瀬じゃあ相手の方もそれでいいよというお話だったんですか?
山田いや、もう何回も話しまして説得してやっていただいたという事が一つです。それからもう一つはやはり資金繰りが非常にしんどかったですから、大阪のある信用金庫の方にしょっちゅう行っていまして、毎月月末はですね裏口の木戸から入りましてね、それで極端にいましたら融通手形を中に挟み込んで、今日は上から何枚目のところに置いたら見つからないかなと。極端を言いましたらそれくらいのことまでやりましたね。
蟹瀬そういうご苦労があってね、本当に今の成功というのがおありだと思うんですけど。
山田今、ご苦労とおっしゃいましたが、これ私ないですね。
蟹瀬そうなんですか。
山田私はこれまで苦労したとか後悔したとか案外そういうことない。要するにのんきに出来てるんです。
蟹瀬それが良い方に転がってきたからいいですよね。それともう一つやっぱり企業と言うと人材ですよね。誰でもいいというわけにいかないですよね、この仕事。どういう風にされたんですか?
山田そうですね。メディカルですからメディカルに関係のある方例えば中途でもいいんですけど、お父さんとか兄貴とかなんだかお医者さんですが自分は残念ながらなれなかったとかね、そういう方はね当社に入ってそれで医者と共同開発したらどうだとか何かいいことをうまく言いましてね。それでそういう方をなるべく採るように頑張りましたね。
蟹瀬それでやっぱり優秀な人材って集まったんですか?
山田少しは集まったと思います。
蟹瀬しかしそういう人材を集めながら業界としての状況というのあったと思うんですけども、この医療機器の業界というのはどうなんでしょう?ほとんど外国のものが多かったんでしょうかね、当時は。
山田私がこの業界に入りました時はそうですね、診断ですとか分析とかレントゲンこれは確かに日本の大手の会社がやってました。それ以外のことについてはほとんど治療関係についてはほとんど日本製のものはなかったですね。それは現在もそうですね。
蟹瀬そんなに変わっていないんですか?
山田変わっていません。それはどこに起因してるのかなと言うことになるんですけど。
山田結局やはり日本には根本的には臨床医はたくさんおるけれど研究医はいてない。これはやはり大きいです。それからもう一つは大学のレクチャーに医療機器というのはないですよね薬はありますけど。
蟹瀬言われてみればそうですよね。
山田そういう学問もないですね。だからそういう面では医療機器というのはちょっと特殊なものでということでしょう。ですからそういうことで勢いその臨床医がですね自費で海外に研修に行くと西洋医学勉強に行くと。
蟹瀬なるほど。
山田ところがですね、やっぱりそれにはスポンサーがつくんですね。自費と言いましてもね。そうするとそのスポンサーがどうぞ行ってくださいといった裏側は、その向こうで研修した時に使った医療機器を。
蟹瀬導入すると。
山田そういうことです。そういうことの連続が結局未だに治療に関するとかあらゆる肝心なところで全部あります。特に外科領域なんかはほとんど95%ですね今だに。
蟹瀬じゃあその辺のところは風穴を開けて。国産の良い技術もあるわけですからね。
山田おっしゃる通りですよ。日本人が得手とするのは精密機器とかそういうデバイスとかそれから例えば微細加工とか本当は日本人としては得手としてるんですよね。それは結局全部アメリカとかヨーロッパに全部取られてる。残念ながら現状は今でもそうですね。
関係者マーケティングということで資料の収集というふうに考えられがちなんですけども、どちらかといいますと実際にものを見て触って感じてその中で医療従事者の方から意見を伺って、実際にあの何が大切かということを色々学びながらマーケティングを行っていくと言うことを誇っています。この部分が非常に大切だという風に思います。
関係者特に人の命を預かる、人の命に直結する機器ですから一般の商品と違って一番重要なのが品質をしっかり確保するということです。品質に関してはリスクマネージメントですね。リスクを洗い出して、そのリスクに対してどんな場合が想定されるか、その場合にはどういうリスク管理をするか、こういったところが非常に重要なファクターでして、そこに非常に力を入れて品質を確保しているというところになります。
関係者今大研医器で製造している医療機器というのが自分が思っている以上に身近な存在であることに最近気づいたんですね。この製品を使って世の中で病気で苦しんでる人たちが本当に早く回復するであるとか、安心できる、そういう気持ちのこもった医療機器をみなさんに提供していけたらというふうに考えています。
関係者どうしても人の命を救いたいですとか、あるいは世の中から痛みをなくしたいですとか、そういったですね社会貢献に対する強い思い、あるいは理念そういったですね経営者の思いを従業員全員が100%理解して、そして100%実践するというベクトルが一致していないと、そもそも成立しない医療機器というのはそういう業界だと思います。
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