生活の代弁者として提案するアイリスオーヤマのアイデアの源泉とは
アイリスオーヤマ株式会社
代表取締役社長
大山 健太郎
プラスチックがまだ新素材としてもてはやされていた頃、業界で初めて透明なプラスチック、ポリプロピレン樹脂を開発したのが、アイリスオーヤマ株式会社。メーカーベンダーという新しい業態を提唱した代表取締役社長 大山健太郎が語るものづくりとアイデアの源泉とはどのようなものか。グローバルな視点から語る。
大山もちろん、仕入先の皆さん方にもいろいろご協力いただいたり、まずさっき言った社員の数を半減させる、そしてそれだけではなくて、今までの延長ではもう駄目なのだと、私そのとき経験しましたのは、結局不況だから値段が下がるのではなく、競争が激しくなって値段が下がるのだと。
ですから、やはり経営者としてどんないかなる時代環境であっても、やっぱり利益を出すってことが経営の本質なのだと。
蟹瀬そうですね。
大山それまでは、好況のときに設備投資する。要するにいかに儲けるか中心だったのですが、逆に不況のときでも赤字にならないビジネスをしたい、そういう一念でその新しい新業態に転換すべく本当にそれこそ日本の全ての産業を細かく分析をして、新しい業態へ転換をしようと。
蟹瀬なんかご兄弟もたくさん助けにいらっしゃったという。
大山そうですね。当然、中核社員が抜けていくわけですから、営業面でも、あるいは製造面でも経理面でも、組織的に弱くなりましたので、それはおかげで私が大学行かずに弟がみな、それなりの大学に行って、そしてそれなりの企業に勤めておりましたので、私個人の危機ではなく、まさしく家族の危機なのだと。
そういう形で、本来であればあえて苦労しながら兄貴の会社に来ないわけですけど、そこにはやっぱり私は母親の力があったのだろうと思うのです。
蟹瀬だけど三男の方、四男の方とか、皆さん駆けつけられて社員になられたわけでしょう?
大山はい。今、もうまさに当社の専務であり常務であり財務部長と、ブラザー経営やっております。
蟹瀬そうですか。オイルショックの経験というのは、いろいろその後、今、新しい展開ってお話ありましたけど、先ほどおっしゃったように、どんなときでも利益が出せるような経営、これはとっても大事だと思いますし、それからいろいろ視点というのも産業中心だったものから、やっぱり消費者向けとかそういうふうに視点の転換というのも必要だったわけですね?
大山はい。
大山産業資材はどうしても需要はある程度読めるのですけど、需要が読める分だけ競争相手が多くなるわけですね。で、一般の生活用品といいますのは、もちろん中小企業はたくさんいるわけですけれども、比較的競争相手がそんなに大手がいなかったということ、それと今ある、従来あった家庭用品ではなく、ニッチマーケット、今まであまり気付かなかった分野……。
蟹瀬限られた?
大山そうなんですよ。だし将来性がある分野ということで、先ほど申し上げた形で、いろいろチェックする中で、まず一番は当社の強みが生かせること、そして将来性があって、そして競争力が、あるいは収益性があると。
蟹瀬具体的にはどういう分野だったのですか?
大山それ、ずっと調べた中で、やっぱり園芸という、ガーデニングですね。
蟹瀬ええ(笑)、案外渋いところに行きましたね(笑)。
大山そうなんです(笑)、その当時、園芸といったって、盆栽だとか、それこそ庭で花壇園芸とか、家庭の中にまだ観葉植物がそんなに入る前のことだったのですね。
蟹瀬じゃ、ライフスタイルもやっぱりだんだん日本人のライフスタイルも欧米化してきた、そういう流れもあったわけでしょうね?
大山そうそう。それは、先ほど申し上げました、学生時代に、特に洋画を中心に見てございましたので。
蟹瀬先にその生活を映画から学んでいた?
大山そうなんですよ。ですから特にヨーロッパ映画中心にたくさん見ましたので、いずれ日本もこのヨーロッパ、あるいはアメリカのような豊かな住環境に変わるだろうと、そうなってきたときに、まさしく室内の中にも花が、あるいは観葉が取り込まれるだろうと。
蟹瀬それでだからペット用品とかそういうのも?
大山そうなんです。
蟹瀬だてに映画を見てなかったと。
(一同笑い)
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