

社員との関係がお客様との関係を作る。エステ業界に新風を起こす女社長の手法
株式会社シェイプアップハウス
代表取締役
下村 朱美
25歳でエステティックサロンを立ち上げた、株式会社シェイプアップハウス 代表取締役 下村 朱美。社員との関係、資金、母との死別など、さまざまな困難を乗り越えながら、当時は高級路線で敷居が高かった業界に独自の路線を敷きながら、自社のエステティックサロンを人気店へと成長させた、その手腕とは?
蟹瀬高校から出てすぐの若者ってことですね?
下村そうです。職安に頼んで、高校に行って採ったのです。その当時、8人初めて採りました。それがかわいくって、18歳でしょ。そしたら先生が全てなんですよね。
津島そうですよね。
蟹瀬なるほど、今度は年齢差もちゃんとあるし経験の差もあるし。
下村そうです。で、一から教えていって、全部素直に吸収していくのです。
しかし、下村を苦しめていたのはそれだけではなかった。いつもそばで支えてくれていた母。下村を襲ったのは、最愛の母とのつらい別れだった。
25歳でエステティックサロンを立ち上げた下村朱美。社員との確執の他にも、下村を苦しめていた出来事があった。それは、陰ながらいつもそばで支えてくれていた最愛の母との別れだった。
下村オープンして、もう、すぐ母ががんになりまして。私、最初知らなかったのです。胃潰瘍だと思って、胃をちょっと切ればいいって。そしたら、3、4週間で胃潰瘍の場合退院なのですけど、なかなか退院しなくて、だんだんに髪の毛がなくなっていくんですよね、おかしいと思って。
それぐらいのときに、がんでもう手遅れだったいうことを聞きまして、大阪と鹿児島の病院を飛行機で毎日のように行ったり来たりして。だけど、もうあんまり時間がないのだっていうふうなことを知ったときに、1分でもやっぱり一緒にいたいですからね。
蟹瀬だけど、お仕事もある?
下村はい。だから自分がどこ行きの飛行機に乗っているか分からなくなりましたね。手帳見て、あ、今、鹿児島へ向かっている、今、大阪へ向かっている。それで、もう閉めようと思ったのですよ。母にずっとついていたくて。そうして会計士の先生に、閉めたらどうなる?って聞いたら、4300万の負債が残ると言われまして、ああ、閉めるわけにもいかないって、続けなきゃいけない、そうこうしているうちに、母が4カ月で死んだのですけど。
蟹瀬お母さまは亡くなる前にはどういうことをおっしゃっていましたか?お仕事に関して、あるいは……。
下村母は、普通に結婚してほしかったのですよね。池坊でお茶とかお花を習っているわけですから。だからお店をやるっていうときも、「なんであなたは普通の子じゃないの!」って言っておりましたね(笑)。
母がいなくなってから、もう私になんにも残っていないって思いましてね、そのときに。だから、もうこのサロンしかないのだ、小さなサロンでしたけど、サロンしかないのだと思ったのです。
それで、いらっしゃっているお客様たちが、母と同じような年頃の人たちもたくさんいらっしゃいましたから、もう変になついて、もう大事に大事にして、とにかく触りたくって、みなさんに、そういうふうにしてお店をやっていました。
蟹瀬なるほど。
下村だた、そのときに、頭の下げ方から180度変わったような気がしました。
津島そうですか。
蟹瀬そういう予期せぬ出来事もあって、そして一つの方向としてまた新しい方向性というのを発見されているわけですよね。
母の悲しみを乗り越えた下村は、このあと、世間を驚かせる新しいタイプのサロンを出店することになる。
蟹瀬ちょっと僕はびっくりしたのは、男性のエステのほうへ進まれたという、これはどういうきっかけからなのですか?
下村私は大学で経営学を何も勉強したことがなくって、やってきたのはお客様が全部教えてくださったのです。
例えばサロンを増やすのも、ただお客様が「うちの近くにつくって」っていうことで増やして行ったのです。
それで、ダンディハウスができたのも、ちょうど大阪で難波、天王寺、京橋っていう所にサロンを出して、次がやっぱり大阪だったら梅田だっていうことで梅田に出したのです。
そしたらなかなかお客様が激戦地で得られなくて、すごく苦労もしていたのです。だた、貸していただいたビルが65坪もありまして、サロンは35坪でいいと。30坪は社長室にしたり事務所にしたりとかしていたのです。でも、白衣を着て走り回っているわけですから、そんな所にいるわけもないし、そうだ、だったらこの社長室とか全部壊して、ここにお客様のご主人が通えるサロンをつくってあげようって思って。
蟹瀬だけど、どうなのですか? 僕はちょっと考え古いのかも分からないけれども、男性はなかなか、今の若い人たちは平気で行くようですけど、エステに行くっていうのは勇気がいるというか、なんか恥ずかしい思いがあって。玄関までは行っても中には入れないですよね?
下村そうです。だから最初のときに、変に男性の美容とか言ったら照れくさいだろうから、モデルさんたちにバンザイをしてもらって、『肥えた男は損をする』とかいう(笑)……。
津島すごいですね(笑)。
下村キャッチフレーズ(笑)、大阪的でしょう? それでやりました。そしたら「そうか」って言って、大体50代のお客様たちから来だしましたね。
蟹瀬そういうものなのですね、意外ですね。
津島意外ですね。蟹瀬さんはちなみに?
蟹瀬いや、僕はなかなかエステは行けないですね。
津島スリムですからね(笑)。
蟹瀬家で腕立て伏せはやっているのですけど(笑)。
津島あ、それもすてきです(笑)。
蟹瀬はい。
津島苦労しながらも会社を成長させてきた下村さん。しかしこの後も、さまざまな体験が待っていました。
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