倒産危機に「仕事が楽しくなった」見つめ直した大切なことは「世界ブランド」
株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド
代表取締役社長
寺田 和正
1994年3月10日日本の女性たちを魅了するファッションブランドが誕生した。サマンサタバサである。若き寺田和正は独自のブランド戦略を展開し日本そして世界市場へと進出を図っている。起業して数年後に会社存亡の危機に見舞われるも寺田の周到な海外戦略が功を奏しサマンサタバサはよみがえった。日本初のファッションブランド、サマンサタバサのブランド戦略は果たして世界を席巻することができるだろうか。その戦略に迫る。
蟹瀬そうですか、中国でビジネスをするっていうのは、いろんな話を僕も伺ってますけども難しい部分が結構あるでしょ。
寺田そうですね、はい。
蟹瀬具体的にはどういう所が今難しいですか?
寺田実はいろんな企業の方々から実はその2005年ぐらいからですね、パートナーを一緒にやりたいっていうオファーを頂いてたんですけどもずっとお断りをしていて2008年でパートナーを見つけて、ジョイントベンチャーを始めたんですけど。蟹瀬さんおっしゃられたようにやっぱ信頼できるパートナーという。これを探すのが一番難しいということで。
蟹瀬どの辺がポイントになってきます?こいつは信頼できるなっていうのと、これは危ないなっていう。
寺田パートナーの周りの人たち、お付き合いされてる日本の友人の人たちとか、いろんな人たちをまず見て、そこで信頼できる方っていうことで実は契約したんですけど。
寺田ただ信頼だけではですね、なかなかうまくいかないということです。実はつい先日ですけれどもジョイントベンチャーを解消しましてですね。自分たちでやろうということになりました。
蟹瀬じゃあ寺田さんがそのまま乗り込んでいくような感じですか? 実際的には。
寺田もう香港の方にも住まいを構えてます。
蟹瀬じゃあもう向こうに住みながら、向こうに定着するような感じでやっていくって意味ですか?
寺田今年の1月ぐらいに社員に言っていたのは、週に5日間を香港で、そこから香港ベースで上海とか北京とかシンガポールとかに行くと。で、週の2日間を日本で、というプランで今いるんです。
蟹瀬まさにグローバルビジネスマンっていう風になりつつあるなって感じがしますよね。例えば中国で物を売るためには、宣伝とか広報とかやらなきゃいけないですよね、そういうのは特別の戦略というのは考えてらっしゃるんですか?
寺田その前にシンガポールであるとか台湾とかっていうのは、実はもうお店をオープンしてました。そちらの方はどちらかっていうと、サマンサ流のマーケティングというか、いろんなものをやっていて、中国に関しては海外のブランドの社長さんであるとか、そういった方々といろいろと話をしました。
最終的にはやはりサマンサタバサの強みはなんなのか、と。で、それを中国でもやるべきだと。そんなアドバイスをたくさんいただいたので、実際はですね、自分たちなりの派手なパフォーマンスを上海でも、オープニングはやらしていただいて、非常に多くのお客様にご来店いただきました。
蟹瀬では出足はいい?
寺田相当いい出足を、はい。
蟹瀬リーダー&イノベーション賢者の選択、今回お招きしておりますゲストは若い女性に大人気のファッションブランドを展開する、サマンサタバサジャパンリミテッド代表取締役社長の寺田和正さんです。
まあ先ほど中国への本格的な進出ってお話伺いましたけども、やっぱり具体的にいろいろな問題はあると思うんですね。一番大変だったこととか、なんかこんなこととかで困ったというエピソードっていうのはおありですか?
寺田例えば場所選びなんですけども。とにかく今世界から例えば韓国とかもそうなんですけど、マレーシアとかもう、もう場所の取り合いのようになっていまして。
蟹瀬そうなりますよね。
寺田我々は良い商品、良い場所、良い宣伝、良い人ということなので、これを妥協したくないと。で、まずパートナーからですね、すごい場所が出てきたんで見に来い、と言われてで行くと。これどうなのっていうような場所なんですね。もちろん家賃の問題だとか、いろんなことがあるんだと思うんですけども、いやちょっとサマンサはそうじゃないですよねと。
蟹瀬一等地の所に出したいですよね?
寺田そうですね、はい、そのために我々、表参道にもお店を出していますし、銀座にも出していて、それを見て彼らはやりたいと、わかったと。また1か月ぐらい後にいいとこできたんですぐ飛んできてくれ、と言われるんですけども、また何かそこじゃない。人は多いんだけれどもちょっとこう、アメ横的な?
蟹瀬やっぱり感覚が違うんですね。
寺田で、そこではないですよね、ということをずっと重ねて3回目にまた言われて行ったときにですね、また同じようなところだと。ちょっと待ってくださいと、最初の4つのコンセプトの妥協しちゃうと難しいんでと話をしたらいくつか言われたんです。
例えばサマンサタバサは日本では売れてるかもしれないけども、中国ではまだどうなるかわからない。なのでエントリーとしては、別にベストじゃなくていいんじゃないかとていう意見も。
蟹瀬まあ合理的といえば、合理的な発想なんですけどね。
寺田おっしゃる通り、合理的なんですけれども、家賃も安いよと。だけどそうじゃないんです。もう一つは香港というのは、次に中国、上海、北京もそうなんですけど、とにかく世界中から集まってきているので、場所をとるのは非常に難しい。そんな所で寺田に場所がいいとこ空いたぞと、来てくれっていっても2週間かかる。2週間の間にいい場所というのは・・・。
蟹瀬取られちゃう。
寺田取られちゃうんだと、まあでも僕は2週間後に来ているんだけども、その場所は取られてませんよねみたいな。
蟹瀬それって需要がないんじゃないのっていう。
寺田まあ少し矛盾もあるんですが、なんかそういうようなこと僕は言われて、それぐらい目まぐるしいんだと。アジアの成長はって言われたときに、僕はその時にだったら僕が香港に住めばいいのかね、と思いました。
蟹瀬自分の目でちゃんとやれるし。
寺田はい、ていう話をしたんですけども。
蟹瀬先ほどおっしゃったように、もうとにかく世界各国から今中国市場へ向けてね年率8%や10%と成長しているわけですから、ブランド間での競争ってのもすごく激しくなっていますよね?
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