

石炭からストローまで。ニッチのプロがシナジーをつくる100年企業の戦略
三井松島産業株式会社
代表取締役社長
天野 常雄
三井松島産業株式会社。1913 年、長崎県松島で松島炭鉱株式会社として創業。1983 年、松島鉱産株式会社から、現在の三井松島産業株式会社に社名を変更。2001 年、池島炭鉱が閉山。現在はオーストラリア、インドネシアなどで、石炭生産事業を中心に展開をしている。創業からおよそ 100 年。現在の三井松島産業を率いるのは、代表取締役社長 天野常雄。社会から必要とされる企業を目指す、天野が唱える、新たなる事業戦略とは。
ドーキンズ三井松島産業は、早くから海外に進出されていますが、海外事業はどのように展開されているのでしょうか?
天野現在は、海外において、操業中、開発中、探査中、この3つの段階において、1つずつ事業を展開しております。まず1つ目は、操業中なのですけれども、オーストラリアのニューサウスウェルズ州、ハンターバレー、こちらで資源大手のグレンコアという会社と共同で、露天掘り鉱山のリデルという炭鉱を操業しております。露天掘りというのは、石炭の層、先程見ていただいた石炭が層状になっているのですけども、その上に土が被っているのですが、この表土を剥がしまして、石炭を露出させて、これを掘る。これを露天掘りオープンカットという方式なのですけども。
蟹瀬大きな穴が空いちゃうのですよね?
天野そうですね。こういった方式で、オーストラリアのほうで生産をしておりまして、ある意味で私どもの核となる石炭事業のひとつです。次が、開発中の石炭なのですけども、今度はインドネシア、東カリマンタンというところで、現地のパートナーと、おそらくインドネシアでは初めてと言っていい、大型機械化最短方式の坑内堀り炭鉱を開発しています。坑内堀りというのは、先程の露天掘りと違いまして、石炭層があれば、上に乗っている表土を掘らずに、取り除かずに、穴を掘って直接石炭層にアクセスして石炭を採掘するという方式なのですが、インドネシアは、比較的地質が軟弱でありまして、加えて火山活動によって石炭層が斜めになっていたり、断層が入っていたりしますので、基本的には坑内堀りには向かないだろうと、難しいだろうと、言われていたのですが、場所によっては、坑内堀りでもしっかりできるということで開発を進めております。もしこの方式が定着致しますと、資源の有効活用に繋がるということでインドネシアの政府も非常に興味を持って見てくれている事業です。
最後が探査中の事業なのですけれども。石炭を掘りますと、どうしても枯渇してしまいますので無くなってしまう。どこかの段階では常に次の鉱区を探さなくてはならない。そういうことで、2011年に、オーストラリアに戻っていただくのですけれども、クイーンズランド州。こちらで探査活動を現地のパートナーと共に進めております。
蟹瀬探したりするのもあるでしょうし、開発していく部分でも、日本の技術は相当優れているわけですよね?
天野私どもは、海外の展開、技術の指導という形で、池島で働いていたエンジニアたちを、インドネシアとアジア諸国に派遣を致しまして、我々が持っている技術。そういったものを全て現地の方々にお教えすると。こういった形で、アジア諸国のエネルギーの安定確保を、小さいながらも貢献できればなと思っております。
蟹瀬そこで日本の技術ってものすごく大切な役割を果たすってことですよね?
天野そうですね。そういうふうに思っております。
時代の変化とエネルギーの変革を乗り越え、資源エネルギーの安定供給と、海外の発展にも貢献。それが、石炭のプロフェッショナルとしての矜持
ドーキンズさて、この番組では、三井松島産業の今を象徴するものをお持ちいただき、進行させていただきます。今日はこちらですね?
蟹瀬石炭と全然関係ない感じがするのですけれど、御社の今とどういう関係があるのですか?
天野はい。実は、ここにあるのは全て現地の三井松島グループの企業の製品。それと所縁のあるというか、イメージがある商品、これを持ってきています。
蟹瀬へぇ。まず、これ浴衣ですね?
天野はい。株式会社エムアンドエムサービス、民間企業や、地方自治体、こういったところの保養所、研修所、それから一般の旅館やホテル、こういったところの運営を受託するビジネスを展開しています。
蟹瀬なるほど。
エムアンドエムサービスは、全国50以上もの運営受託事業で得たノウハウを活かし、京都、熊野、八ヶ岳などで直営施設を運営している。
蟹瀬そして、ストローですかこれ?
天野はい。2014年にグループに加わってくれました、日本ストロー株式会社の製品です。現在は、伸縮ストローの市場の65%のシェアを日本ストロー株式会社が持っていると。
蟹瀬6割以上ですか?
天野そうですね。
蟹瀬だいたい月曜から金曜で大学行ったりするとき、必ずお店に寄ってこのジュース買って、ストローを剥がして、伸ばして飲んだのですよ。
天野はい。これどういうふうに取っていますか?
蟹瀬とにかく力づくで、べりっと剥がしていますけど。
天野実はね、これこういうふうにピッとやると出てくるのですよ。
ドーキンズあー!
蟹瀬知らなかった(笑)
ドーキンズえ!それって取らなくて良かったのですか?(笑)
蟹瀬押せばいいのですか?
天野押せばいいのです。
蟹瀬もっと早く教えてほしかったな(笑)
天野それで、こういうふうにカチッとなる(伸ばした状態で固定される)とところが、技術のミソでございましてね。
蟹瀬今日はもうストローの出し方だけで番組に来て良かったって思いますね。(笑)そして、これ、何でしょうかね?この基板のようなものは。
天野今年の2月にグループに加わってくれました、クリーンサアフェイス技術株式会社の製品なのですけれども。
クリーンサアフェイス株式会社は、ガラス基板に特殊な成膜加工を施したマスクブランクスの専業メーカーで、その技術は世界トップレベルである。
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