ガン患者にQOLを!自らの罹患と大臣経験を経た問題意識と挑戦【前編】
免疫の力でがんを治す患者の会
会長
坂口 力
免疫の力でがんを治す患者の会。2016年9月医師であり元厚生労働大臣でもある坂口力が設立。大腸がんの坂口が選択した治療は患者自身の免疫の力を利用するがん免疫療法。がん免疫療法を身近な医療として患者に提供したい。坂口が目指すいつでもどこでも誰でも受けられる治療法として、その普及への取り組みとは。
宮川 その時にその免疫療法ということはお医者様ですからご存知だったんですか。
坂口 それは知っておりました。全ては免疫で治るんですから、小さなお子さんが一度麻疹になって、すると二度と麻疹にならないわけですね。その能力は免疫力によってそれは防がれてるわけですね。だから免疫ということが人間の体をいかに守っているものかということについてはですね、人一倍知っていたつもりでおります。だからがんについてもこれは免疫力がかなり作用していることは間違いないと。それだったら自分の体の中に免疫力が残っていればこれは治るだろうと。だけど免疫力がないということになれば抗がん剤をしようとですねレントゲン照射をしようとそれは助からないのではないかと。
本来、誰もが持っている免疫の力とはどのようなものなのか。日本がん免疫学会川上裕理事長にお話を聞いた。
関係者 免疫というのはいろんな動物が持ってますけれども、外から入ってきたもの例えば細菌がとかウイルスが入ってきた時にそれを守るための生態防御機構なのでいろんな複雑な免疫機構が働きますけれど排除します。問題なのはがん細胞に対して免疫が働くかどうかなんですけれども、がん細胞って自分の細胞ですよねもともと。
関係者 自分の細胞に遺伝子に異常が起こって起きるんですけども。そうすると免疫って基本的に自分の細胞を攻撃しないという性質を持っているので。ところが最近になって免疫チェックポイント阻害剤っていいますけども、体の中でがん細胞に対する免疫にブレーキをかけているというところがあるんですけれど、そこをブロックして潰してあげると免疫が活性化されて効くということが明確にわかってまいりました。
その中でも特に最近承認されてますオプジーボという薬とキイトルーダという薬は単独の投与でも10から30%効くわけですけれども、できればもっと効かせたいわけなのでその時の一つの方法としてそういったようなチェックポイント阻害剤と他の治療、他の免疫をコントロールするお薬を投与するともっと効くかもしれないと。それはいろんな動物実験ではそういうデータがたくさんありますので今はアメリカを中心に何百という臨床試験が今進んでいまして、一部併用にすることによって、これはまあ複合的がん免疫療法と言っていますけども、効果が上がることはわかっています。
複合的がん免疫療法で効果を上げるためには免疫チェックポイント阻害剤に対して効果がある人と効果がない人を見分けることが重要だと川上理事長はいいます。
関係者 今になってみるとチェックポイント阻害剤が一定の患者さんには明確に効くということと今他の抗がん剤と効く仕組みが違うので。
関係者 がんってそれぞれなので免疫療法が適した方もおられれば免疫療法が適してない方もおられて、もうバラバラです。それから今の免疫療法というのは副作用も伴います。抗がん剤の副作用とは全く毛色の違う副作用ですので、これはこれで問題があるので、やはり新しいひとつの治療の方法ができたということでずいぶん進みましたけれど、
関係者 免疫療法は万能薬ではなくて他の治療薬とちゃんと使い分けもするし組み合わせもするということで全体的にがんの方をなるべく救えればと、そういうふうに皆さんを持っています。
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