ガン患者にQOLを!自らの罹患と大臣経験を経た問題意識と挑戦【前編】
免疫の力でがんを治す患者の会
会長
坂口 力
免疫の力でがんを治す患者の会。2016年9月医師であり元厚生労働大臣でもある坂口力が設立。大腸がんの坂口が選択した治療は患者自身の免疫の力を利用するがん免疫療法。がん免疫療法を身近な医療として患者に提供したい。坂口が目指すいつでもどこでも誰でも受けられる治療法として、その普及への取り組みとは。
白石 厚労大臣を退任した後2009年に大腸がんが見つかったんですよね。
坂口 そうですね。
白石 その時告知を受けた時のお気持ちはどのような感じでした。
坂口 自分ががんになるなんてことは全然考えてなかったですね。だけどもそうかと。やっぱりかかるんだという気持ちとですね、かかった以上はこれで人生一区切りとなるのかなという思いですね。両方来ましたね。
白石 具体的に治療というのはどのように行っていったんですか。
坂口 それで外科の先生はこれはもう取ったら大丈夫かもしれないということを言っていただいたので、手術を受けるということの決断は早かったです。早く受けると。見事な手術をしていただきました。これはもう今も感謝していますね。
宮川 大腸がんですと取ればあれだと思うんですけど、転移をしてらしたんですか。
坂口 大腸の外側にくっついていますリンパ節ですね、これが二つですね、すでにがんができていたと。その外科の先生が坂口さんどうしますかと、今後。抗がん剤受けますかと。それともやめときますかと。先生はどちらの方が良いとおっしゃるんですかと、私は先生に従わなきゃならないわけですから。その先生は抗がん剤を打ってもまた再発する人はする、受けなくてもしない人はしないと、どちらとも言えないと。だからここは坂口さん自分で判断をしてくださいと言われた。それで私はもう、わかりましたと。それじゃあもうやめることにしますと。
白石 でもどうしてその抗がん剤をやめるときっぱり言えたんでしょうか。
坂口 それはやっぱり色々な人の姿を見て参りましたし、私を育ててくれた大学の時に私を研究から何から面倒を見て育ててくれた同志がいたんですが、この人が肺がんで亡くなりました。私がお見舞いに行きましたらですね、とにかく抗がん剤とレントゲン照射、まあ放射線照射ですね、両方でやってもらったんだけど、とにかくこの苦しみはもう生きてるよりも苦しいということをその先生に言われたのが頭に残ってましたね。
白石 でも種類にもよりますよね。抗がん剤の種類でも副作用がひどい場合と全然ない人もいるんで、それが難しいですよね。言い切るっていうのが難しいですけれども。
坂口 助かる人もそれはいるわけで、その副作用が大きいことだけは確か。
2015年末厚生労働省のがん対策推進協議会がまとめたがん対策加速化プランによると、がん患者の悩みのうちで化学療法などに伴う副作用の割合が10年間で2.2倍に増加していると報告されている。また副作用を改善するための研究が不十分だとも指摘している。
坂口 わずか15日間で手術していただきまして、そして何もなかったかのような顔をして国会に出て行きまして、それで16日目からは委員会に座っておりまして、皆さんが坂口さんちょっと痩せたんじゃないっていいましたけど、ちょっと絶食してるんでと、こういって切り抜けられるぐらいの気力、それだけの力は持ち合わせていたということでしょう。
でまあ3ヶ月なり4ヶ月はそれで過ぎていたんですが、ちょっとやっぱり心配になってきたんですね。さあこれであとはうまくいくのかなと。もう少し何かをするとすれば何をすればいいかというように思うようになった。自分は外科の先生にも抗がん剤はいたしませんと決然と申し上げたと。それにはそれなりのやはり先輩の姿やそうしたこともあったし、それでは治らないのではないかという気持ちもあった。それじゃあいっぺん免疫療法をやってみようと。これでやったら助かるかもしれないという気持ちになったんですね。
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