壮年期を迎えた企業グループが「志」をもって次に打つ一手、バイオ事業とは
SBIホールディングス株式会社
代表取締役執行役員社長
北尾 吉孝
インターネットの爆発的な価格破壊力を武器に金融業界で急成長を遂げてきた企業グループがある。創業16年目を迎えたSBIグループである。金融サービス事業、アセットマネジメント事業、バイオ関連事業の3つのコア事業でさらなる飛躍を目指すSBIグループを率いるリーダー、SBIホールディングス株式会社代表取締役執行役員社長北尾吉孝に迫る。
諸星孔子の思想から始まるってことですか?
北尾そう、孝経から始まった様々な本が僕の精神的バックボーンになりそれでそもそも歴史とか哲学というの日本の教育で軽視しがちなんですよ。本来一番大事なのは歴史と哲学なんです。こういうものをきちっと身につけることによって人物ができていく。英国はパブリックスクールの中で結構こういうものに力を入れて教えるんですよ。
諸星アメリカの大学でも市民学といいますか、シティズナリーて言うシティズム学ですよね。要するに、アメリカ合衆国の国民としてという、その辺は自分たちが継承していかなければなくてはならない先人の作った価値観とか歴史感とかそういうものを全部教える。だいたい世界の先進国では当たり前の事なんですけどね。
北尾ところが日本は敗戦後、過去の全てのものが否定されたんです。
マッカーサーの教育は日本があれだけ戦争に強かったのは日本人の持つ伝統的な精神性のゆえであると。これを弱体化させる方法は何かと。教育だと。だから日本の教育から道徳が欠落する。親のしつけから道徳が欠如していき、例えば子供が試験で点数良かったら、はいお小遣いと。子供が嘘を言わないとか人のために何かするとか、それで褒めない親。こういうのが増えてきちゃったんですね。
これを続けてると日本という国はダメになると。日本が、例えば吉田松陰から始まり、あの時代の明治の群像なんていうのがみんなこの教育を受けてきたんです。
諸星まあそうですね。
北尾江戸時代でもそうですよ。この人たちの教育を全部、伝統的な教育を捨て去ることを強いられたです日本人は。
諸星それを大学院のカリキュラムに入れられるというのはすごく立派なことだと思うんですけど、実際に大学院をマネジメントやってる人間として本当に院生が嫌じゃないかと。
北尾それがね。僕は別に人の数、学生の数大きいをもってして良きとするわけじゃない。
諸星もちろんそうですよね。
北尾一人でもそういったことが分かり、そしてしかも僕は起業してもらいたいということも掲げてるんです。そして起業するのならSBIインベストメントからお金も出しますよと。
諸星なるほどね。
北尾こういうビジネスモデルの優れた者、人物の優れた者にはそうやって出します。そうやってここを卒業して会社を起こした人間。これは当然ながらその社員、周りの人を感化していく。まさに一灯照隅、萬燈照国の世界ですね。
北尾これを作り上げていく。一人ひとりできることはわずかだけど、その輪がどんどん広がって国全体が良くなればいいじゃないかと。そういう感化ということを僕は重視しています。
諸星なるほどね。直接的な社会貢献をおやりになろうと思った考えの背景には何かがあってそういう風に思い始められたんですか?それともかなり大きな証券会社に日本をリードする証券会社においでになって、そしてそれからご自分で起業されましたよね。その辺りの時点でその考え方が変わったんですか?
北尾というよりも非常に早い時期の野村に入ったDay1から社会に出たら自分の自らの志を持たないといけないという風に思った。
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