賢者になろう!
第2回 ポイントその1 『入居者募集業務』
ところで、稼働率を比較する際は次の点を考慮していただきたいと思います。
1. 空室の定義
稼働率は、「(管理戸数―空室数)÷管理戸数×100(%)」で計算できますが、「空室」についての定義はPM会社によってまちまちであるのが現状です。
「部屋が解約になってから原状回復工事が完了するまで」
「部屋が解約になってから1ヵ月経過するまで」
など、各社さまざまな定義づけをしています。
私は「解約になったら、その翌日から空室」だと思うのですが、それとは異なる定義付けがあるということを知っていただきたいと思います。
2. 管理エリア
管理しているエリアによっても稼働率は異なります。
前回ご紹介した大手ポータルサイトのデータでは、東京の空室率は13.8%ですが、神奈川は16.1%、千葉は20.5%、埼玉は18.4%となっています(この場合稼働率は、神奈川:83.9%、千葉79.5%、埼玉81.6%となります)。
したがって稼働率を指標にしてPM会社を選択するのであれば、どのエリアを管理対象としているのか確認する必要があります。
たとえば東京のみをエリアとしている会社と、東京・神奈川・千葉・埼玉と広域をエリアとしている会社とでは、当然後者のほうが管理物件の稼働率は低くなりますので、これを考慮しないと実力を見誤ることになりかねません。
3. 集計時期
住宅を中心に管理をしているPM会社では3月末時点が最も稼働率が高くなることが多いです。
そのため稼働率を公表している会社の中には、3月末時点の数字を年中使っているところもあります。
私はこの数字は毎月公表すべきではないかと思っています。
そして1年で最も数値が下がる夏場にどれだけの稼働率を維持できているかが、PM会社の実力比較に役立つと考えています。
4. 管理戸数
稼働率を計算するときの分母にあたる管理戸数の多寡は“ある程度”考慮すべきだと思います。
国政選挙で言われる“一票の格差”ではないですが、管理戸数が少ない会社では空室が1室多いだけでも稼働率はかなり下がります。
ですので、事業規模の違うPM会社同士を比較するときは、稼働率ばかりを重視するのはいささか危険かもしれません。
企業情報
- 公開日 2012.11.05
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