常識破り!「前例があるといったら全部やめる」のパワー
エステー株式会社
取締役会会長兼執行役
鈴木 喬
「ものを売る前に自分を売って、それから会社を売って、それから熱意を売って」。少年時代に過ごした戦後すぐの焼け跡がを原点。どんなことをしても生きていけるという自信とともに会社を急成長させた鈴木喬の、ヒット商品を次々に生み出す秘密、経営手法とは?
鈴木はい。メーカーのセールスは販売にかける情熱は全くないですよ。私、生命保険のセールスやってた関係で、生命保険というのは売ろうと思わなかったら売れないですよ。メーカーの場合は、ものが勝手に、売れてるのではなくて流れていくんですよ。ですから必ずメーカーのセールスの言うことは「うちのは品質が悪い」と、「うちのは高い」と言うんです。それで「ちょっと君、聞いてみるけども、よそより絶対良くて絶対安かったら、君、要らないよ」と、こう言うことにしているんです。
蟹瀬なるほど、それは置いとけば売れるわけですから。
鈴木そうなんです、自動販売機でいいんですよ。
蟹瀬営業努力というのは同じものがあっても、そっちのほうが売れる、あるいは場合によってはちょっと劣っていてもそっちのほうが売れるぐらいの営業力がないと駄目だと。
鈴木そうですね。まずものを売る前に自分を売って、それから会社を売って、それから熱意を売って、それで本当のこと言うとご販売店も新製品なんか売れるかどうか分からないんですよ。で、何を見てるかといったら、担当のセールスマンの目を見ているんですよ。
2001年、『消臭プラグ』を発売します。2003年、カイロメーカーのマイコール社と販売業務提携。2004年、住友スリーエムと業務提携。2005年、外資系企業がエアケア市場に参入。2006年、『脱臭炭(だっしゅうたん)』『除湿剤』アメリカ市場に本格進出。そして 2007年、取締役会議長兼執行役に就任。取締役会会長兼執行役グループ戦略担当に就任。社名を『エステー株式会社』に変更しました。
蟹瀬エステーといいますと、いろいろなヒット商品があって、冒頭でもちょっとお伺いしましたけども、やっぱりヒット商品を出す上でアイデアが湧いてこないと駄目なんですよね? そのアイデアが出てくるメカニズムというか、それをもう少し具体的に教えていただけますか?
鈴木会社全体の脳みそを、いかにやわらかくするかなんです。そのために、年中冗談言ったり腹抱えて笑ったりするようにしていないといけないんですよ。それから片方では世界一周チームを出しまして、毎年10人ずつ「ヨーロッパでもアメリカでも一回りしてこい」と、2週間行かせたんですね。この2年間は女性チームというのを出してますしね。いろんな面白いことをやってるんですよ。
蟹瀬今、簡単におっしゃいましたけど、要するに社員10人を世界、どこでもいいんですか? 「おまえ、ちょっと行って見てこいと」。
鈴木ええ。世界一周切符、今はそんな高くないですからね。
蟹瀬ああ! ラウンドトリップの切符で?
鈴木そうです。それで「一回りしてこいや」と、「2週間一回りしてこい」と。
蟹瀬なんかこれをしてこなければいけないとか、そういうのはなしで?
鈴木一切レポートないですね。そんな報告なんか聞いたら邪魔くさいですからね。
蟹瀬ほお。履歴書持って行こうかな。
鈴木皆さん、面白がってますよ。
蟹瀬それで実際に、そういうところからなんかアイデアって生まれるものなんですか?
鈴木生まれたという形跡はあまりないんですけど、基本的にこんなことが、
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