国民病「アレルギー」をコントロール。患者と医師が踏み出すべき第一歩
一般社団法人 日本アレルギー学会
理事長
東田 有智
アレルギーは国民の2人に1人が持っているといわれている。しかし、アレルギーの正しい知識と経験を持つ医療従事者は非常に少ないのが実情だ。一般社団法人 日本アレルギー学会は日本のアレルギーに対する正しい知識と治療を広めるため、アレルギーのエキスパートを育てるための活動を行っている。理事長 東田有智が語るアレルギーとの付き合い方、これからのアレルギー治療の未来とは。
宮川これからはその後輩たちに思いを伝えていかなければいかない。それはどういうふうにやってらっしゃいますか?
東田もう一生懸命やろうよって。何のために?それは患者のため。目的は1つ。それさえブレなかったらこんな楽しい仕事はない。好きでやっているんです。
坪井東田理事長は普段病院では患者さんに対してどうやって接しようとお考えですか?
東田1人の患者さんがいます。その患者さんを、親ならどうするのか。兄弟ならどうするのか。子供ならどうするのか。親ならにその治療をやるんですか、?その検査やるんですか?常に身内だと思って考えたとき、そしたらあまりブレはないと。親にはやりません、身内にはやりませんけど他人ならやれます、ということは絶対やっては駄目。
現在、近畿大学医学部付属病院では、専門医の育成に取り組んでいる。東田のもとで専門医として勤務する医師に話を聞いた。
(インタビュー:呼吸器・アレルギー内科 医師 綿谷 奈々瀬さん)
綿谷アレルギー診療の中で非常に大事なことは、患者さんの話をよく聞くこと、それから聞き出すことだと思っています。治療がうまくいかない原因が患者さんの日常生活の中にあったりですとか、そのアレルギーの原因を検索していく中でも、詳しい病歴をしっかり聞いていくことは常に大事なことになりますので、日頃から患者さんの訴えによく耳を傾けて、些細なことでもそれが信頼や治療に結び付くことになるのではないかということを心がけて診療にあたっています。
それ以外にも、そこ喘息の発作だったりとかアナフィラキシー症状のように命にかかわるようなアレルギー症状を経験した患者さんというのは非常に強い不安を抱えていらっしゃいますので、そういった不安を少しでも解消できるように、どのようなことに生活で気をつけないといけないかだったり、実際に症状が起こったときにどのように対応しないといけないかなど、丁寧な説明も心がけています。
宮川東田理事長がお考えになるアレルギーとの正しい付き合い方っていうのはどういうものでしょうか?
東田反応を起こしているということは生きている証拠じゃないですか。
坪井なるほど、前向きな捉え方ができますね。
東田しかし慢性疾患ですから、そう簡単に治癒するものではないんです。しかし、何回も言いますけれども、ちゃんとすれば普通の人と同じようになるわけですよ。だからとりあえず、良くしましょうと。そこから次のステップ、どうするのか考えましょう。それができるようにこれからはその均てん化を図って、どこでも同じ診断、治療を受けられるようにしますので是非とも、とにかく病院に行ってくださいということですね。
坪井さて、東田理事長はどういったきっかけで医師を目指そうと思われるようになったんでしょうか?
東田難しいんですけど、子供の頃から人が好きで、それと野口英雄さんの伝記物を読んで、
そこからというところですね。
宮川いろんな専門があると思うんですけど、アレルギーに進まれたのはどういうことがあったのでしょうか?
東田性格的には僕はもう外科向きなんですね。攻め一本で。しかし、ひょんなことで僕の師匠に誘われました。それから留学の話があって、留学したのが免疫学教室だった。今、全盛期の好酸球というアレルギーで最も重要な細胞ですけど、それを研究しているところだった。そういうとこに入って、はまってしまったという。
だから、僕はもううちの若いドクターにも学生にも言うんですけどね。何でも経験しなさい。おそらく経験すると、考え方も変わるだろうし。百聞は一見にしかず、本当に自分に何が合っているかって、やっぱりある程度経験しないと分からないと思うんです。
目の前の患者を治療するだけではなく、医学界全体の未来を考え、専門医の育成にも力を入れる。それが、これからも東田が進める患者ファースト医療。
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