創業100年を迎えた老舗封筒企業のリーダーが目指す「成長を続ける企業 」とは
株式会社イムラ封筒
代表取締役社長
井村 優
株式会社イムラ封筒は、1918年に荷札の製造販売からスタートし、現在では封筒業界でトップシェアを誇る老舗企業だ。代表取締役社長 井村優は「これからは製造業でもサービスを売っていく必要がある」と唱える。企業の進化を促すために井村が行った改革は、社員の意識を少しずつ変えていく。
蟹瀬 賢者の選択 Leaders、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
坪井 坪井安奈です。
蟹瀬 今回は「全ての人に最高の付加価値を届け続ける」これをテーマに成長の実感と働きがいを目指すある企業の取り組みに迫ります。
株式会社イムラ封筒-1918年、創業者 井村福松が、荷札の製造販売を行う井村商会を設立。1962年、株式会社イムラ封筒に社名を変更。2018年、創業100周年を迎えたイムラ封筒を牽引するのは代表取締役社長 井村優(いむら ゆたか)。
井村 100年続いてきた企業ですので。一言で言うならば、人間くさい、泥臭い、そういう会社というふうに。そのままいいところを残して、新しい会社にできたらなと思いながら100年を迎えています。
100年に安泰せず、人の成長で変化し続ける。井村が唱えるこれからの100年とは
坪井 それでは本日のゲストをご紹介します。株式会社イムラ封筒 代表取締役社長 井村優さんです。よろしくお願いします。
井村 お願いいたします。
蟹瀬 どうもよろしくお願いします。井村社長は普段から「人の成長」は企業の成長に不可欠だと、いうことをおっしゃっているというふうに伺っていますけれども、これからさらに100年を目指してどんな成長戦略を描いていらっしゃるのか。今日はじっくり、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
井村 よろしくお願いいたします。
坪井 さて、冒頭のVTRでもご紹介がありましたが、2018年でイムラ封筒は創業100年を迎えられました。創業からこれまでどのように事業を展開されてきたんでしょうか?
井村 はい。創業者 井村福松が、大正7年に井村商会という会社を作りまして、最初に荷札の製造・販売をスタートしたというふうに聞いております。
蟹瀬 懐かしいですねぇ~。
井村 当初は封筒の清算をする現場で、切れ端の紙を無駄に捨てていたんですね。それに目をつけて荷札を作った。作った荷札を当時の国鉄、あるいは郵便局の方で使われるということで採用されたと。
蟹瀬 ここから始まったんですか?
井村 はい。営業するにあたって、ある運送会社に荷札よりも、封筒の方がよく使われるよね、という感覚をつかんだらしくて、大正10年、封筒の生産を研究して、手での生産ではなくて、機械を開発することとセットで作り出したというふうに聞いております。
現在、イムラ封筒ではパッケージソリューション事業、メーリングソリューション事業、情報システム事業の三つの事業を中心に展開をしている。
井村 窓付きの封筒が当社非常に力を持っておりまして、ざっくりなんですけれども、シェアの方は50%。窓付きで持っております。
坪井 ええ、半分も!?
井村 はい。今こちらにあるのはプラ窓封筒と申しまして、ちょっと中を見ていただくとわかるんですけれども。紙を透かしているんですね。もう一つ出ているのがフィルムを貼って窓にしている部分があるんですけども、その違いは何かっていいますと、紙を透かしておりますので、封入するときに中で引っかかることがないんです。フィルムのときは引っかかってしまうんですね。そういう差別化で未だに、公官庁、役所を中心に採用されているというのが状況でございます。
メーリングソリューション事業は、マーケティング、ダイレクトメールの企画、封筒の製造、顧客リスト管理、内容物の手配、封入、発送、リスポンスデータの分析など、発送に関する全ての作業を一手に引き受けている。
また、情報システム事業ではOA機器の販売を始め、情報インフラの整備、ノウハウの提供などをトータルにサポートをしている。
蟹瀬 2018年で100周年を迎えになったと。この周年のときに社長になられていてですね、正直どういうご感想をお持ちなんですか?
井村 100年というのは100年で終わりじゃございませんので、私としてはもう通過点としか思っておりませんでした。100年のときの社長が、井村優であるということにあまり価値観はなかったんですね。
蟹瀬 なるほど。
井村 はい。あえて言うのであれば、第二の創業の年になるんだろうなと。そのときに何をスタートしたらいいのかな、ということをずっと考えながらやっておりました。
こちらは2018年7月に開かれたイムラ封筒創業100周年イベント。イムラ封筒の社員、来賓と合わせておよそ1100名が参加した。創業100周年について、来賓の方にお話を聞いた。
(インタビュー:株式会社成文社 代表取締役 田中 智さん)
田中 我々代理店はですね。イムラさんと同志的な信頼と申しますか、阪神大震災、倉庫に置いてあるイムラ封筒さんの商品が破損しました。その商品はもう廃棄してください、私どもが無償で全て新しい商品をすぐに送りつけます。というふうにおっしゃっていただきました。非常に心強かった印象が今でもあります。
(インタビュー:東秀紙器株式会社 代表取締役社長 薗 広幸さん)
薗 僕、業者なんですけども、イムラ封筒は大事にしてくださる。僕ら業者に対しても社員と同じような愛情を持って接してくださる。すごく長く、自然にお付き合いができる。そういう魅力のある会社だと思いますよ。
(インタビュー:リンテック株式会社 取締役 常務執行役員 中村 孝さん)
中村 100年という間にいろいろ時代の流れですとか、大きな変化がありますよね。それをよく見ておられて、進化をされてきた賜物だと思います。努力がないとなかなか難しいと思います。
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