(後篇) 日本の未来を担う子どもをいかに支援する?強い志が不可能を可能にする!


一般財団法人 大吉財団
理事長
山本 吉大

特選インタビュー

一般財団法人 大吉財団は2017年に理事長である山本吉大によって設立された団体だ。災害支援だけでなく、子どもへの学業支援にも力を入れている。今回は子どもへの支援の取り組みをいかにして推し進めているのか、日本が元気になるには子どもたちが夢に向かって生き生きと暮らす社会づくりが必要不可欠だと語る山本の目に映るものとは?

押しかけヒアリング

ドーキンズ 具体的にはどのような支援を行っているんですか?

山本 はい。我々は、そういう活動をやっておられる団体のところに「押しかけヒアリング」って言ってるんですけど、そういった団体さんにご訪問させていただいて、「どんなことをやってられるんですか?」「お悩み事は何ですか?」と色々こう聞いて。まずは、そこの団体のリーダーを私は見てます。この方がどういう思いで、取り組んでおられるのか志を聞いて、この人と一緒にやりたいかどうか、この人を支援したらもっとより良くなるかっていう、半分インスピレーションですけども、そういったところで見てると。それから次のステップで我々が、それを解決するにはこういうやり方がありますよとか、こういうところと組まれたらどうですかっていうようなコンサルであったりとか、提案をやっていくと。
自分でやってると、自分たちの価値に気付いてない方々って、たくさんいらっしゃるんですよね。自分たちがやってる活動の素晴らしさを、我々が色んなお話をさせていく上で、あなたの活動はここってすごいよと、ここを強みとして伸ばしていきましょうと、あまりできないことにフォーカスしてここを何とかするよりも、ここを増やしていくことによって、色んな支援者だとかいろんな協力者が集まる。もしくは、色んなイベントだとか、逆に言うとお仕事が回ってくると。いうようなところをお話をさせていただいて、そこに一緒に取り組むということをやってます。

大吉財団が支援する団体の一つ、NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトについて、代表の方にお話を聞いた。

(インタビュー:NPO法人 須磨ユニバーサルビーチプロジェクト 理事長 木戸 俊介さん)

ドーキンズ どんなプロジェクトをされてるんですか?

木戸 簡単に言うと、障害に関係なく、みんなで海に入ろうよっていう活動をしてるんですけど、僕自身が車椅子になったのは3年前ぐらいだったんですけど、結構綺麗なビーチがいっぱいあるんですけど、行きたいって思ってたんですけど、手前の遊歩道というか、アスファルトのところまでっていうのが、当たり前になっていて。でもあるとき、そのビーチマットっていうマット見つけて、こう行ってみたときに、すごい楽しい思い出ができたんで、心の動きみたいなのが原動力になって始めた。ぜひ神戸でもやりたいと。僕らはテーマがあって「できない」を「できた!」に変える。そのチャレンジするっていう、僕は人生の本質だと思うんですけど、なんか諦めてる子どもとか、特に障害をお持ちの方に対して始めたプロジェクトだったんですね。

ドーキンズ どんなことが一番ご支援が必要なところだったんですか?

木戸 海に入るための水陸両用車椅子が、結構値段がするので、大吉財団さんから寄贈していただいて。アイテムをいただいたというだけじゃなくて、イベントの企画であったりとか、一緒に考えていただいたんで、なんとなくですけど、ハード面とソフト面と両方でアドバイスいただいて、大きなご支援いただいたなと。

ドーキンズ これから、どんなふうにこのプロジェクトを広げていきたいですか?

木戸 この夢も、大吉財団さんと一緒にやったからこそ生まれたんですけど。須磨海岸を日本一のビーチに、ユニバーサルビーチにしたい。障害に関係なく、みんなが心から一緒になって楽しいって思えるようなビーチを作って、発信していきたいと思っているので、それを一緒にやれるといいなと思ってます。

こちらは、夢を持つことの素晴らしさを伝え、夢を持つ子どもたちを応援する「スイミープロジェクト」。5月5日、こどもの日に開催されたイベントでは、全長およそ10メートルのこいのぼりに押された、無数の小さな魚のスタンプに子どもたちの夢が書き込まれた。子どもたちが書いた夢一つにつき、10円が寄付されるというプロジェクト。
こちらは、阪神淡路大震災から20年を機に作られたモニュメント。大吉財団は神戸市と共に、街の未来を担う子どもたちを応援する「BE KOBE ミライ PROJECT」を推進している。

ドーキンズ 今私は、ルミナリエの会場にきています。すごい盛り上がってますね。色んなブースがありますよ。
あ!見つけました。大吉財団のBE KOBEのブース。今日はこちらでどんなことをやっていらっしゃるんですか?

スタッフ 神戸の未来を担う子どもたちを応援しようっていうプロジェクトを、先駆けてPRしようっていうブースなんです。

BE KOBE ミライ PROJECTは、2019年1月にスタート。

経済格差

宮川 近年は、家庭の経済格差がそのまま学力格差になってしまってるっていうようなことを指摘されますけど、いかがですか?

山本 やはり経済格差というのは、遺伝するっていうふうにいわれてるんですよね。要は親がそういう経済的にあまり裕福でないと、子どもは教育が満足に受けられないために、連鎖していくと。ここをどうやって断ち切っていくかっていうことが、本当に子ども支援の最も大切なポイントの一つだというふうに僕らも考えてまして、我々がフォーカスしているのは、無料学習塾っていうのがあるんですよね。高校の進学の問題はあるわけですよ。経済的に塾に行けない方々というのは、学力が相対的には低いという統計も出てますし。ここの時期をクリアをしていくっていうことが大切で、ですから元々その高校に行けないような学力の子どもたちが、高校に行けるようになる私学しか行けない子どもたちが公立に行けるようになる。公立に行ける子たちも、もう1歩もう2歩、志望校のレベルを上げていくっていうことが大切だと思ってまして。具体的には我々が今支援しているところは、神戸市の職員が立ち上げたプロジェクトなんですけども、中学校三年生の子どもたちを教えてます。日曜日の1時から夕方5時まで。毎週教えてるんですよね。

こちらは「全ての子どもに等しく教育の機会を」というコンセプトで毎週日曜に開かれている無料学習塾。

(インタビュー:神戸みらい学習室 代表 佐々木 宏昌さん)

ドーキンズ 大吉財団からは、どのような支援を受けていらっしゃいますか?

佐々木 財団さんの方からは、主にボランティア講師の交通費の支給ですとか、あと教材にかかる費用と運営にかかる費用をご支援をいただいてございます。

こちらの無料学習塾では、ボランティア講師として地域の学生を中心に市民が教えている。

(インタビュー:ボランティア講師 大島 優芽さん)

大島 そのボランティアってなると、どこまでその面倒を見てあげるのかっていうのとかが、課題になってくると思うんですけども、生徒一人ひとりと触れ合っているうちに、一人の志望校に行かせてあげたいなって思ったり、もっと自分に何かできるんじゃないかなっていうのを、普段でも考えるようになりました。

(インタビュー:ボランティア講師 宮本 拓実さん)

宮本 生徒の熱量というのが凄くて、例えば僕が「英単語50個来週まで覚えてきてね」って言ったら、「先生僕100個覚えます」って言って、そういう子がいっぱいいて、何か僕ももっと頑張らなくちゃなというふうに、何かこっちもすごい元気をもらってるというか。

(インタビュー:ボランティア講師 瀬戸 貴志さん)

瀬戸 生徒さんの学力が伸びるっていうのは、もちろん重要なんですけども、知らない大人と関わる機会があるので、その中で繋がって何かしらの関係性が築けるっていうことが、僕にとって一番やりがいを感じているところです。

(インタビュー:ボランティア講師 林 美歌さん)

 3月に卒業式というのがありまして、普段の授業からも、もちろんやりがいは感じているんですが、その卒業式の時に生徒から「今までありがとうございました」って温かいメッセージをたくさんいただいて、そのときに、ものすごくやりがいを感じました。

ドーキンズ 2年目ということなんですが、今後どのように展開していこうとお考えですか?

佐々木 我々の対象としているお子さんは、塾に通っていないお子さんということで、たくさんの方がいらっしゃるんだろうなと思いますので、できるだけ各地域にこうした取り組みが拡大をできればいいと思っています。

無料塾の手ごたえ

宮川 この無料塾、なかなかいいんですけれども、手応えどういうふうにお感じですか?

山本 ここは自分たちで立ち上げて、1年目はクラウドファンディングという資金調達の方法がありまして、それでやり始めたんですけど、クラウドファンディングっていうのは、お金は比較的集まりやすくなったんですけども、継続しないっていうデメリットもあって。2年目3年目になっていくと人間の関心が下がっていきますから、今なかなか資金が集まりにくく、なっていくわけですよね。ここをどうやっていくかということを、我々一緒に考えて、支援をしていくっていうようなところがありましてね。3月に卒業式やったんですよ。卒業した中学校3年生、来年高校に進学の彼らのスピーチの中で、僕はこうやって皆さんの善意で支援を受けたと。僕も高校に行って大学に行って社会に出たら同じように、そういう子どもたちに何かできることを考えてやりたい。つまり、支援される側から支援するっていうふうに意識まで変わったんですよね。「やってよかったな」って私も思いましたし、一緒にずっと教えた大学生のボランティアなんかもですね、「やってよかったなー」って多分すごい実感があったというふうに思ってます。

宮川 確かに気持ちが変わるってこと、それはその後のその人の人生にとって大きいですよね。

山本 はい。

出演者情報

  • 山本 吉大
  • 1970年
  • 兵庫県

企業情報

  • 一般財団法人 大吉財団
  • 放送日 2019.01.21
  • 業種 
  • 災害支援
  • 所在地住所
  • 兵庫県神戸市中央区八幡通4-2-14トロア神戸ビル8階

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