「人生の第一志望をゆずらないでほしい」学校より学校らしい愛情教育とは?!
学校法人駿河台学園
理事長
山﨑 良子
日本の若者たちの学力向上を今も変わらず支えている。大正の頃より、東京神田駿河台に校舎を構え、駿台予備校の名で親しまれる学校法人駿河台学園は、少子化の流れの中でも入学希望者は減らず。駿台で学びたいと自ら入校してくる学生が多いという。老舗予備校として独自の教育理念で事業展開をしている、理事長、山﨑良子の成長戦略に迫る。
レイチェル本日のゲスト、学校法人駿河台学園理事長、山﨑良子さんです。どうぞよろしくお願いします。
山﨑よろしくお願いします。
レイチェル駿河台学園というお名前、有名なのですけれども、やはり受験生にとっては駿台予備校という呼び名のほうが、なじみが深いですよね。
蟹瀬私が教員勤めている明治のすぐお隣です。
山﨑近いです。
レイチェルまず始めに伺いたいのですけれども、駿河台学園は一言で言うとどのような学園なのでしょうか。
山﨑よい意味で金太郎飴のような学園です。私ども、どの校舎でどの先生の授業を受けましても、満足のいただける授業を受けられるという意味での、金太郎飴というふうに言っております。
蟹瀬それは大事ですよね。後ほどまた詳しくお話をいただきます。よろしくお願いします。
学校法人駿河台学園理事長、山﨑良子は1954年広島県で生まれる。1978年広島修道大学短期大学部商学科卒業。1998年駿台教育振興株式会社社長に就任。2004年駿台国際教育センター株式会社社長に就任。2006年駿河台学園理事長に就任。理事長業務のかたわら法政大学に入学、2014年経済学部商業学科卒業、現在に至る。
レイチェルこの番組では3つのキーワードで進行させていただいています。山﨑理事長、最初のキーワードは何でしょうか。
山﨑「2018年」です。
蟹瀬2018年ですか。オリンピックは2020年ですけれども、この年は何か意味があるのですか。
山﨑2018年は私ども駿河台学園が100周年を迎えます。
蟹瀬そうですか。山﨑さんは何代目になるのですか。
山﨑私は三代目になります。初代は山﨑寿春でございまして、二代目は山﨑春之でございます。
蟹瀬初代の方はどんな方だったのでしょうか。
山﨑山﨑寿春は私の義理の父に当たります。
1878年、鳥取県で生まれた山﨑寿春は、現在の県立鳥取西高等学校を卒業後、東京外国語大学に進学。
その後1906年、28歳で渡米。アマースト大学、ハーバード大学で英文学を学び、エール大学大学院でマスター・オブ・アーツの学位を取得して、1910年に帰国した。
蟹瀬帰国されてからは、どういうことをなさっていたのですか。
山﨑蟹瀬さんと同じ明治大学で教鞭をとっておりました。その当時ですが、大学が併設しておりました、明治高等予備校というところで、受験生に英語を教えておりました。その当時の受験生の、あまりに熱心で学習意欲の強さに心打たれまして、寿春は1916年、明治49年なのですが、その年に『受験英語』というものを創刊いたしました。大変古くて危ないのですが。
蟹瀬本当ですね、もう黄色くなって、当然ですね。手袋をしないといけないかと思います。「NEW YEAR’S BANQUET AT IMPERIAL PALACE」と書いてあります。最初皇居でのお正月の一般参賀のお話から始まっています。当時、寿春さんはこの本を出版なさって、何を伝えたいと思ってらっしゃったのでしょう。
山﨑受験生に英語そのものの、興味を喚起しようと思っていたようでございます。その当時は外国人も少なかったですし、英語に接する機会も少なかったのですね。そこで受験英語というかたちで、生きた英語、アメリカで寿春が学んでまいりましたので。活きた英語を伝えたいという思いから、受験英語を創刊したようです。
蟹瀬具体的には英語の構文だとか、書き方だとかいろいろなことが書かれているわけですね。
山﨑受験英語では理詰めでひとつひとつ理解させて、進めていく内容ですので、受験生の間では大変好評だったようでございます。
蟹瀬ただ暗記しなさいでは興味がわかないですしね、そういう意味では理詰めで説明してもらうと、納得しながら学んでいけると思います。
レイチェルさっき拝見していて面白いなともう1つ思ったのが、こうした参考書のような存在に、読者欄がついているというのは面白いですね。
山﨑読者欄を通して寿春は、学生との心の交流をはかっていたようです。学習のアドバイスとか、受験に当たっての心構えなどを掲載しまして、受験生を応援し続けたようでございます。
蟹瀬今でいう、フィードバックをちゃんとなさってたということですね。
山﨑そうですね、しておりました。寿春はそのときに一生懸命勉強している学生の姿を見て、学生一人ひとりに愛情をもって接しなければ、真の教育はできないということで、愛情教育という提示をいたしました。その当時としては個々の学生に対して、人間性を通じて関わっていくということは、大変教育的アプローチというのは、珍しかったようでございます。
蟹瀬教育者の鏡ですね。
山﨑ありがとうございます。
蟹瀬少し恥ずかしくなってきました。
学生の間で人気を博した『受験英語』が礎となり、1918年寿春は、今の駿河台学園の前進となる東京高等受験講習会を開催。そして1927年東京高等受験講習会が発展した、駿台高等予備学校を東京神田駿河台に創設した。
蟹瀬二代目の方はどういうご関係になるのですか。
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