

唯一無二の発想でニーズを感じ取る!中古リース市場で新風を巻き起こせ
株式会社タカネットサービス
代表取締役
西口 高生
日本の物流市場は拡大の一途をたどる一方で、運輸業界は慢性的な人手不足に陥っている。そんな中、運輸業界の地位向上・発展に力を注いでいるのが株式会社タカネットサービス 代表取締役 西口高生だ。中古車の買取・販売からリース・レンタルまで幅広く手がけているが、そのサービスは誰もやったことがないような斬新なものだ。社員二人からスタートした企業が、今では業界で革命を起こすまで成長したその秘訣とは。
蟹瀬 新車を入れるメリットっていうのは?
西口 当然、僕たちが調達するコストは上がるんですけども、1年間お客様に使ってもらう、すると当然新車といえども、車は壊れる可能性はあります。ありますけれども、通常の使用の中での車が故障した場合は、メーカーさんの保証がございますよね。
蟹瀬・福井 なるほどね!
蟹瀬 思わず二人で言っちゃったね!自分のところでやらなくていい。
西口 そうです。
福井 それはかなり大きいですよね。
西口 万が一の故障に関しては、僕たちがコストを供出しなくても、販売店サイドの修理保証の中で、修理してもらえるというところがございます。維持コストがそれほど新車の場合はかからない。
蟹瀬 はあ。なるほどね。
新車でのサービスを始めた理由、それはあることがきっかけだったという。
西口 2011年の東日本の震災がこの事業のスタートになります。瓦礫の撤去の復興事業がスタートしまして、私ども、中古のダンプカーをお客様の方に使っていただいて、というところから私どものリース事業っていうのが本格的にスタートしました。そういうお客様にも喜んでもらい、僕たちも、これによって事業の利潤を上げられるなということで、私ども中古のダンプをたくさん仕入れてきまして、たくさんのお客さんに使っていただきました。ただ1年締めてみて、あまり収益が上がらなかったんですね。当時の瓦礫の復興現場でトラックが酷使されていまして、やはり、たびたび車が壊れるんですね。
蟹瀬 やっぱりね。
西口 すると何十トンもある大きなトラックの修理代っていうのは、すぐ50万とか100万とかかかっちゃったりしますので、レンタル収益をもらっても修理代の発生がそれ以上にかかっちゃってて、結果なかなか収益性が上がらなかったと、いうような課題がありました。その事業から撤退するかっていうことも考えたんですけども、思い切って新車を入れてみようと。新車を入れてみて、そこでもう1回収益性を見てみようというところで、新車のダンプを入れさせていただきました。
蟹瀬 今お話伺ってますとね、これだけの車を動かすっていう場合に、その需要がどのぐらいあるのかと。需要予測というのは、とっても重要なポイントだと思うんですが、そのあたりはどうなさってるんですか?
西口 まずネット通販のAmazonさんとか、楽天さんを代表とするインターネット通販っていうのが、もうお茶の間のお買い物に毎日浸透していってます。そうすると、多頻度で物流会社がお客様のところに訪問する、小さなものを何度も繰り返しお客様のところに訪問して販売するという、「多頻度小ロット」という配送体系になってきてます。そうすると、時間帯によって配送回数を増やしていきますので、当然それに伴って、車の台数が増えていくという傾向になっておりまして、これを背景にした車両の需要が年々高まっております。ただ、トラックの製造台数っていうのは、やはりメーカーの工場のキャパシティーもありまして、なかなか追いついてない状態なんですね。長いものであればオーダーしてから(ユーザーの手元に届くまで)2年ぐらいかかります。そうするとですね、今の物流ニーズに2年後待ってられないお客様がたくさんいらっしゃいます。私どもはそういうニーズを背景にしまして、これから出るであろう車っていうのを、先に需要予測して発注をしています。ですから、本来2年待たないといけない車でも、私どもに来れば今在庫ありますよっていう形でリース、レンタルでお使いいただける。という環境を今作っております。
蟹瀬 なるほど。そんな中で中古のニーズも、同じように高まっていくと、非常にそういう意味では需要予測、割と楽観的な絵が描けるということですか。
西口 そうですね、ただ私ども、年間1000台、1500台買いますと、当然需要とマッチングしないパターンも出てきます。その(ずれを実際に確認する)ために実物流業者として、私どもの子会社に運輸会社を作りまして、そこでもこの同じリースのサービスを適用して展開してます。
蟹瀬 ただそれとともに、自前でやるとなると、トラックは大変大きな乗り物ですよね。これをどういうふうに管理していくのかも、在庫管理の問題っていうのも深刻になるんじゃないですか?
西口 そうですね、おっしゃる通りで私ども年度で1000台1500台というふうに買い求めてまいりまして、当然それをお客様のとこにお納めするんですけれども、お納めしたと同時に、今度引き取ってくる車もあります。長いものでいえば長さが12メーターあるトラックですから、その車の置き場っていうのがですね、非常に悩みの種でございまして、細かく私どもの各拠点に分散して置いていたんですけど、当然そのコストもかかります。管理も曖昧になってきましたので、思い切って2019年の5月10日に栃木県に約2万坪の土地を取得しまして、そこに車両を集積しまして、私どもの車両管理のセンターとして立ち上げました。
福井 私は今、栃木県にあるタカネットサービスの東日本車両センターに来ています。それでは早速お邪魔したいと思います。
こちらの東日本車両センターは、敷地面積およそ2万坪。200台のトラックが収容可能で、一括で管理することができるという。
(インタビュー:マーケティング部 山﨑 尚さん)
福井 具体的に管理っていうのは、どういったことをやられてるんですか?
山﨑 各支店で必要になったら、こちら東日本センターから出庫・納車を行い、また他の支店から送られてきた車の納出庫等も請け負っております。レンタル・リース等で1年ほど貸して返却されてきた車を、こちらでまた改めて1年管理するということを行っております。
こちらの車両センターには、修理や塗装、車検などが行える整備工場も併設。また、商談スペースも設けられており、法人、個人問わず、気軽に相談ができるだけでなく、レンタカーサービスの受け付けも行っている。
山﨑 基本的には、トラックおよび特装車というゴミを回収する車とか、ミキサーコンクリート車という変わった車とかもレンタルしております。法人のお客様向けのレンタカーになっているんですけれども、一般の方でも十分使えますので、乗用車を借りたいとか、あとは新車を買ったので車を運ぶための車を貸してほしいといった方々もいらっしゃいます。
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