地球環境を守りながら発展を続ける!常に挑戦を続ける老舗企業が目指す未来とは
三菱化工機株式会社
取締役社長
髙木 紀一
三菱化工機株式会社はプラント・環境設備の建設・エンジニアリング・各種単体機器の製作を中心に展開する企業だ。創業80年を超える老舗企業でありながら、新たな事業への取り組みにも余念がない。その1つが水素を活用した新エネルギー事業だ。取締役社長 髙木紀一は歴史に奢ることなく常に挑戦と躍進を見据えた経営戦略を打ち出している。その舞台裏に迫る。
ドーキンズ 私は今、竹芝客船ターミナルに来ています。こちらに停泊中の船に三菱化工機の油清浄機が取り付けられているということなので、早速お邪魔して拝見したいと思います。
こちらは全長118m、総トン数5681トンの大型客船「橘丸」
(インタビュー:船用機械営業部 船用機械営業課 主事 細野耕平さん)
ドーキンズ こんばんはー。
細野 こんばんは。三菱化工機の細野です。
ドーキンズ 今日はエンジンと同じぐらい重要な油清浄機を見せていただけるということなんですが、どこにあるんですか。
細野 はい。こちらの機関室というところにありますので、早速ご案内します。
ドーキンズ よろしくお願いします。
細野 よろしくお願いします。
今回特別に油清浄機が取り付けられているという機関室に案内してもらった。大型客船といっても、客室以外の通路は狭く、船底にある機関室までは人一人通るのがやっと。
ドーキンズ 船は何回か乗ったことはあるんですけれども、機関室に行くのは初めてです。
細野 あーそうですか。
機関室に入り、さらに奥に進むと、こちらが三菱化工機の油清浄機。
ドーキンズ 油清浄機は何をする機械なんでしょうか。
細野 エンジンを安心して使うために、その原料となる燃料油と潤滑油を綺麗にするための遠心分離機なんです。重油は細かいゴミのようなものがたくさん副産物として、中に含まれてるものなんですね。この遠心分離機は非常にトップシェアを持っている機械で、とてもその分離性能に信頼をいただいている機械です。
ドーキンズ どこかで洗浄した油を持ってきて使うっていうのは駄目なんでしょうか。
細野 長い航海を続けていますと、油は何度も循環して利用しているんです。従って、船の底で遠心分離機を設置しないと綺麗にできない。油を海に放出してしまうと海洋汚染の問題も発生してしまうので、ここに遠心分離機を設置して分譲をしています。
ドーキンズ ずっと油は循環し続けているんですね。
細野 そうですね。
この他にも船内各所に三菱化工機の技術が生かされているという。
(インタビュー:船用営業部 船用営業課 主幹 深谷一郎さん)
深谷 メインエンジンおよび発電機用のエンジン、それぞれから上がってくる排気ガスを集合しまして、集合したガスをこちらのスクラバーのタワーに投入してやります。そこに周囲の海水をくみ上げまして、排気ガスをスプレーしてやりまして、排気ガス中の酸化硫黄分を海水に取り込んで除去するという形の装置になります。
SOxスクラバーは、大気汚染防止のための装置で、煙突に取り付けることによって有害物質を取り除くことができるという。このほかにも、海の生態系を守るための取り組みも行っている。その一つが、船底に積む重しとして使われるバラスト水。
深谷 油の層とは別の水の層に海水を張ることで、全体を重くして安全に航行できるようにするということをバラスト水というものが担っています。東京湾で海水を積んでこの船はまたペルシャ湾へ戻って油を積みます。そのときにバラスト水というのはペルシャ湾に捨てられるわけですけれども。
バラスト水が到着港で放出される際、その中に含まれる様々な海洋生物も一緒に放出され、外来種として生態系を乱すなどの悪影響を及ぼすことがあるという。そこで、生態系を守るためにどのような技術が生かされているのだろうか。
深谷 我々は油を燃やして低酸素のガスを作って、バラスト水中に吹き込むことで、生き物を死滅させる。そのような技術を使っております。
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