4つのコア技術で世界と戦う!インフラ業界の巨人に学ぶ武器の活かし方
日工株式会社
代表取締役社長
辻 勝
日工株式会社は、コンクリートやアスファルト合材のプラント製造で国内トップシェアを誇る企業だ。戦後の日本のインフラ整備を支え続けてきた同社は、長年培ってきたコア技術を研鑽し、自社の強みにまで昇華、業界を牽引してきた。代表取締役社長 辻勝はさらなる発展を目指し、その視線を海外に向ける。辻が語る、コア技術を活かした事業戦略とは。
日本のインフラ整備を100年に渡って支えてきた企業がある。
辻 基本的には経済の発展であるとか道路であるとか構造物であるとか、そういったものが中心になりますんでね。これからインフラを整える必須の材料ですね。よく着目できたな。
日工株式会社 代表取締役社長 辻勝(つじまさる)。日工はコンクリートとアスファルト合材のプラント製造において、業界トップシェアを誇っている。
国内トップシェアを誇るメーカーが目指す次なる高みとは?
辻 今一番注力しているのはASEAN地域でですね、私どもの培った技術を展開していきたい。
業界トップで満足することになく、常に進化し、グローバルに躍進を続けるとき、そこに新たな価値が生まれる。
賢者の選択 FUSION
蟹瀬 賢者の選択 FUSION、ナビゲーターの蟹瀬誠一です。
福井 福井仁美です。それでは改めて、本日のゲストをご紹介します。日工株式会社 代表取締役社長 辻勝さんです。よろしくお願いします。
蟹瀬 どうも、よろしくお願いします。
辻 どうぞよろしくお願いいたします。
福井 まずは、日工の事業と歴史をコンパクトに紹介するショートイントロダクションです。
日工株式会社は、1919年、ショベルなどの工具を製造する日本工具製作株式会社として創業。戦後、国土の復興と近代化に資することを目的に、建設機械の製造に着手。1958年、アスファルトプラント1号機完成。
その後、アスファルト・コンクリートのプラントで急成長を遂げる。1970年代に入ると、日工製プラントが高速道路建設に採用される。また、環境対応型のアスファルトプラントを開発するなど、早くから環境問題解決に向けた取り組みを行っている。
1988年、台湾事務所開設を皮切りに、中国や東南アジアでも事業を展開。早くからインフラ需要が旺盛なASEANに目を向け、今後10年で売り上げの大幅アップを目指している。現在はプラント建設にとどまらず、コア技術を活かした事業領域の拡大を図っている。
福井 さて、日工は2019年に創業100年を迎えられました。どのような経緯で創業されたんでしょうか。
辻 元々、神戸に鈴木商店っていう大きな商社がありまして、そこの工事部門を担当していた方が、いわゆる土のう工具も必要でしょうということで、自社で作ろうと。国土強靱化が望まれる時代ですね。日本工具製作株式会社という社名で、ショベル、スコップ、ツルハシ、いわゆる土のう工具を中心に、製造して販売するということが私どもの創業のスタートでございます。
ここに社章にあるんですけども、トンボをデフォルメしてモチーフにしています。実は今日お持ちしたのですが、一番古いカタログに使われていた表紙の絵面です。
何でトンボを採用したかっていうと、日本は古来、秋津島というふうに呼ばれていて、その「秋津」っていうのはトンボっていう意味で、トンボを我々の中心に掲げて、国土強靱化に邁進しようじゃないかという、そういう心意気があったんだと思います。
蟹瀬 建設関係の工具からスタートされたということですけれども、その後、機械製造の方に事業展開をされていますよね。そのアスファルトっていうところに目をつけられたわけですか。
辻 戦後、進駐軍が基地を設けて、そこにアスファルトが敷かれたと。これからこういう時代が来るんだと、いわゆる土埃の道じゃなくて、綺麗に敷き詰めたアスファルト、それを製造する設備って必ず必要になるだろうということでスタートしたというふうに聞いております。
蟹瀬 それは今から振り返ると、相当目の付け所がよかったってことですかね。
辻 そうですね。インフラを整える必須の材料ですんでね。よく着目できたなというふうに私も感心しております。
福井 そもそもの質問なんですけれども、アスファルトとコンクリートのプラントというものはどういったものなんでしょうか。
辻 はい。昔は手で材料を入れて捏ねてたんですね。それが大きな工事がどんどん増えてくると大量に材料を供給しなきゃいけない。それでは手作業では当然できませんので、機械化して、いわゆる工場化したっていうんですね。
蟹瀬 プラントをたくさん作らなきゃいけないという理由はどういうところにあるんですか。
辻 道路に敷いてあるアスファルト、これって製造したときって170度ぐらいあるんですね。温度が高いといろんな形に変化できる柔らかい状態なんですが、これが冷えてくると固まってしまうんですね。2時間ぐらいでほぼ固まってしまうと。
コンクリートも、材料、セメント、砂利、砂、水、こういったものを混ぜると化学反応が始まってだんだん固まってくる。これも運べる距離は2時間ぐらいが限度です。どうしても時間の制限がありますので、あるエリアに1ヶ所、そういった設備が必要になってくる。全国の工事を賄うには全国にそういうプラントが点在しなきゃいけないということになってきます。
蟹瀬 なるほどね。遠いと駄目だっていうことになるわけですね。それで工場をたくさん作ると。
辻 はい。
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