超高齢社会時代に向け「身軽化」作戦、ぜひ事例研究を


時代刺激人 Vol. 318

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

超高齢社会のシステムデザインができておらず課題山積

さて、ここで問題提起だ。日本は、超高齢社会化に対応した社会システムをデザインすることが重要だ、と私はたびたび主張しているが、改めて申し上げたい。日本は、世界で人口の高齢化トップランナーで、高齢社会化に必要な健康保険制度や年金制度などの制度化を他国に先駆けて行ってきており、さらに制度に磨きをかけて、新システムをつくるべきだ。

しかし専門家によれば、制度は今や陳腐化している部分も出てきて現代に対応できておらず、手直しが必要になっていること、またデジタル化への対応も遅れていることなど、間違いなく課題山積だ。今回、スペースの関係で十分、書き込めないが、別の機会に必ず現場事例をもとにいろいろ提案してみたい。

若い世代との共生も課題、他国からリスペクト得る努力を

そうした中で、高齢社会化に伴う医療や介護の問題に関して、中国がここ数年、先進例を持つ日本を学習対象に、経済成長の果実を社会保障支出に回さざるを得ない現実に歯止めをかけようと必死でいる。高齢化テンポが早いタイ、ベトナム、シンガポールなども同じ状況にある。もし日本が高齢化の先にある超高齢社会の社会システムを作り上げれば、これらの国々にとってさらなる学びの対象になり、リスペクト(尊敬)対象になると思う。

その社会システムデザインに際しては、高齢者が住みやすい経済社会づくりがポイントではない。後に続く若い世代との共生、端的には人生椅子取りゲームで、シニア層が過去の成功体験や実績をもとに椅子を離さず、しがみつくのでなく、むしろ積極的に若い世代に譲り、自らは新しいシニア用の椅子を自身で工夫してつくって若者との世代間交流、共生が重要だ。そればかりでない。デジタル化への対応も重要だ。これらの問題に踏み込めば、アジア新興国からは、日本は先進課題にチャレンジするリーダー国だ、との評価になる。いかがだろうか。

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