内向きの日本、メジャー大谷選手ら若手の活躍で変わるか?


時代刺激人 Vol. 328

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

自民党総裁選は若手が立ち上がり世代交代の「場」づくりを

さて、本題の世代交代問題は、政治の場でも今、重要課題となっている。結論から先に言えば、岸田文雄首相の退陣表明をきっかけに、熱をおび始めた自民党総裁選で、若手の政治リーダーの選出によって、世代交代を実現し、国の内外に日本政治が変わりつつあることを印象付けるべきだ。そうでないと、日本は老人支配の国なのか、と問われかねない。

今回の自民党総裁選では、10人強の政治家が立候補の意向を表明している。9月27日の投票日に誰が最終的に選出されるかは不透明だが、世代交代のポイントとなる若手40代では43歳の小泉進次郎氏、49歳の小林鷹之氏の2人。このほか年代が少し上の石破茂氏、河野太郎氏、高市早苗氏、上川陽子氏、斎藤健氏らがいる。

小泉氏、小林氏にとどまらず若手政治家たちが積極的に立ち上がり、世代交代の「場」づくりを行うべきだろう。この自民党総裁選には、公職選挙法が適用されないので、政治家は大胆に行動し、日本政治の長老支配、老人支配政治に終止符を打つことが重要だ。

「裏金議員は公認せず」打ち出し、利権漁りの政治業者一掃を

今回の場合、世代交代の中核になる若手政治家たちがどういった日本の方向付けをするかがポイントだ。世論調査などでの国民的な人気度から言えば、若手の小泉氏が新総裁の有力候補だ。父親の小泉純一郎元首相が掛け声だけに終わらせた「自民党をぶっ壊せ」を、この際、本気になって実践すればいい。

端的には、国民から批判の強い政治家たちの政治資金裏金問題に関して、裏金づくりに関与した疑いが出たり、発覚した場合には、小泉氏は、次期総選挙で自民党公認扱いしないことをはっきりと明言し実行に移すことだ。その政治的な緊張が重要だ。

公設第2秘書の給与を政治資金名目で着服したことがばれて、議員辞職を余儀なくされた広瀬めぐみ前参院議員の事例をご記憶だろう。自身が弁護士という立場にあるにもかかわらず、勤務実績のない公設第2秘書の給与を詐欺まがいで平気で着服したのだ。淘汰されて当然だ。利権漁りの政治業者のような政治家は一掃すべきだ。

自民党「73歳定年」制、世代交代を理由に大胆に実行を

自民党の「73歳定年」制は、もともと、小泉元首相が2003年に衆院比例区候補選出にあたり、高齢議員の再登板に歯止めをかける狙いで導入したものだ。結果的に発動されないまま現在に至っている。しかし、子息の小泉氏は今回、世代交代をアピールするにあたり73歳を超す政治家に関して、すべて公認せず、若返りを図ることが必要だ。

自民党関係者によると、小泉氏は、同じ若手世代の小林氏に比べ政策立案力が未知数ながら、父親の小泉純一郎元首相とのからみで知名度がありフットワークもよいこと、まだ43歳ながら、すでに政治家として環境大臣などを経験して問題意識があること、ライドシェアなどの取り組みに関して政治家としての方向付けに熱心なことなど、政治リーダーの資質を持ち合わせている、という。あとは優秀な政策ブレーンを確保できるかどうかだろう。

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