



しかし、専門家の話では日本が先行開発したペロブスカイト太陽電池が次世代エネルギーの担い手になる。ヨウ素、メチルアミン、鉛の結晶体がペロブスカイト発電層となって太陽光エネルギーを吸収し電気に変える光電変換効率が高く、太陽光発電に最適、という。
ペロブスカイト発電層を写真に使うフィルムに塗布するか、ガラス基板に塗布するなど仕組みはさまざま。しかし、これまでのシリコン系太陽光パネルが地域社会で環境問題や景観で課題を残したのに比べ、軽量でスペースをとらない優位性を持つ強みがあるそうだ。
もちろん社会実装にあたって課題が多い。とくに民生用電力として、送電線網を通じ電力供給するには大規模なシステム化が必要。政治を巻き込んで官民一体の取組みが重要だ。
そんな矢先、2026年5月に自民党「国産再エネに関する次世代型技術の社会実装化議員連盟」(会長・森山裕自民党前幹事長)が、ペロブスカイト太陽電池の国産化を含め総合的な再生可能エネルギー活用戦略の策定を提言した。政治が動き出したのは評価できる。
しかし、ペロブスカイト太陽電池開発で後発の中国が日本に先行して、社会実装を進め実用化に動いている、という。その点でも日本は官民挙げての積極的な取り組みが必要だ。
最後に、円安問題に触れたい。1ドル160円前後に張り付く円安が輸入インフレを引き起こすリスクがある。輸入品の外貨建て価格を円換算した場合、円安が大きく響くためだ。
そこで、政府は2026年4月末から5月連休までの外貨取引が少ない時期を選び、外貨準備を取り崩して11兆円強の巨額資金をつぎ込んでドル売り円買い介入を行った。円高方向に為替相場は動いたが、1か月間で押し返され、現在の円安状態に戻っている。
この為替介入は難題だ。ケタ外れの巨額ドル資金が動く国際金融市場での通貨介入に限度があるだけでない。ドル売り介入のため、ドル基軸通貨国・米国の反発を招きかねない。日本政府は、日米同盟関係もあり、事前に、米国政府に対し投機的な為替変動による行き過ぎ是正対応の行動なので了解を、と協調体制の維持に努めるが、限度がある。
円安対策に関する結論ははっきりしている。日本は少子高齢化など重い課題を抱えながらも、イノベーションによって付加価値生産力のある、強い経済体質を持つ国といった評価を海外投資家に感じさせ、対日投資を積極的に行いたくなる国にすることだ。
しかし、日本経済の現実は、長期にわたるデフレ経済から離脱し、逆に中東危機の影響でインフレ警戒感が強まっているのに、政府による「デフレ脱却宣言」は、未だに行われていない。政府はマクロ政策運営に自信を持てていないのだ。何とも歯がゆい事態だ。
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