中東危機の今こそ、脱石油依存と再生可能エネシフトを


時代刺激人 Vol. 332

牧野 義司まきの よしじ

経済ジャーナリスト
1943年大阪府生まれ。
今はメディアオフィス「時代刺戟人」代表。毎日新聞20年、ロイター通信15年の経済記者経験をベースに「生涯現役の経済ジャーナリスト」を公言して現場取材に走り回る。先進モデル事例となる人物などをメディア媒体で取り上げ、閉そく状況の日本を変えることがジャーナリストの役割という立場。1968年早稲田大学大学院卒。

急速な技術革新で大容量かつ長時間の電力貯蔵に磨きも

本題に戻ろう。太陽光など再生可能エネルギーの課題は、発電量がピークに達した際への対応を含め大容量で貯蔵することが可能な大型蓄電池システムづくり、発電した電力を安定的に供給する送電線ネットワークづくりか必要だ、と専門家は述べている。私も同感だ。

急速な技術革新で、これまで数時間貯蔵が限度のリチウムイオン電池に代わって、レドックスフロー電池やMAS電池という、長時間貯蔵が可能な大型蓄電池が開発された。水を電気分解して水素を生成させ、水素エネルギー貯蔵する技術も磨きがかっている、という。

ペブロスカイト太陽電池システム化がカギ、官民一体が重要

専門家によれば、日本が先行開発したペブロスカイト太陽電池が次世代エネルギーの担い手になり得る。ヨウ素、メチルアミン、鉛の結晶体がペブロスカイト発電層となって、太陽光エネルギーを吸収し電気に変える光電変換効率が極めて高い点が大きい、という。

ペブロスカイト発電層を写真などに使うフィルムに塗布するか、ガラス基板に塗布するかなど仕組みはさまざま。しかし、これまでのシリコン系太陽光パネルが地域社会で環境問題や景観で課題を残したのに比べ、軽量でスペースをとらない優位性を持つ、という。

もちろん社会実装にあたって課題が多い。とくに民生用電力として、送電線網を通じ電力供給するには大規模なシステム化が必要。政治を巻き込んで官民一体の取組みが重要だ。

自民党が再生可能エネ戦略を提言したが、中国は社会実装に着手

そんな矢先、2026年5月に自民党「国産再エネに関する次世代型技術の社会実装化議員連盟」(会長・森山裕自民党前幹事長)が、ペブロスカイト太陽電池の国産化を含め総合的な再生可能エネルギー活用戦略の策定を提言した。政治が動き出したのは評価できる。

しかし、ペブロスカイト太陽電池開発で後発の中国が、日本に先行して社会実装を進め実用化に動いている、という。その点でも日本は官民挙げての積極的な取り組みが必要だ。

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