



「行き過ぎた円安だ」と思わず叫びたくなる状況が最近、東京外国為替市場を含めたグローバルな外為市場で起きている。この状況が続けば、日本は「弱くて安い通貨」の国だ、と世界中から見られかねない。それだけに、日本にとって対応が重大課題となってくる。
円と米国ドルの為替レートが最近、円安・ドル高方向に大きくシフトした結果、一時、1ドル162.84円という値をつけたのだが、その後も162円台前半での推移が続いている。1ドル80円を割り込む円高で大騒ぎした時期に比べると、2倍の開きがある。その比較で見ても、現状レベルは明らかに異常事態で、行き過ぎた円安であることは間違いない。
関係者によると1986年12月以来、39年半ぶりの円安で、歴史的レベルという。
この円安への政策対応は最重要課題だ。円安状態が長引けば、輸入品の価格が円換算で跳ね上がり、国内物価押し上げにつながる。輸入インフレリスクへの警戒が必要だ。
円安に歯止めをかける対応策は、いろいろあるが、ドル売り・円買い為替介入もその1つ。しかしドル売り為替介入が巨額になれば、ドル基軸通貨国で同盟関係にある米国の神経を逆なでしかねず、日本としても、大胆な為替介入を躊躇せざるを得ない。
他方で為替介入の限界という問題もある。2026年4月末から1か月間、政府は、円安行き過ぎ是正のため、11兆7349億円の巨額介入を行った。円ベースで5円ほど円高に振れたが、1か月で介入前のレベルに戻り、為替介入効果は一時的でしかなかったのだ。
日米間の金利差が円安を招いているのも無視できない。低い金利で調達した円資金を割高金利の米国で運用する「円キャリートレード」が活発化、結果的に円売り・ドル買いが進んで「行き過ぎた円安」になっている。
日銀は2026年6月15日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%に引き上げたが、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利の誘導目標が3.50~3.75%のため、まだ2.50~2.75%の金利差があり、これがドル高・円安要因となっている。
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